「ほんのちょっとの社交性と勇気」アイミタガイ キレンジャーさんの映画レビュー(感想・評価)
ほんのちょっとの社交性と勇気
平日朝イチの回。
観客は9割女性。
あまり話題になっていない割にお客さんは入ってる印象かな。
「ひとの『ご縁』って、繋がってるよね」
という話。
ここでは分かりやすく小さい輪の中で繋がりが描かれているけど、現実には当事者には知覚できないレペルでもっと大きな輪が繋がっていたりするんだろう。
メッセージとしては「人は、ほんのちょっとの社交性と、ほんのちょっとの勇気で、みんな幸せになれる。」っことなのかな。
出てきたみんな、ちょっとだけ一歩を踏み出して、他者とつながってる。
現実にはその「加減」が難しいんだけどね。
このお話で言えば、カメラマンの女性の生前の交遊関係や社交性が大きなトリガーで、彼女の存在がなかったら成立しないワケで。
おいおい、勇気も社交性もない私は幸せになれないって話か?
…なんて悪びれてみるが、いやいや、わかってますよ。
だからこそ、この話は胸に来るのかもね。
そう。彼女がいなかったら、この「ご縁」がすべて繋がることはなかった。
今、私たちの目の前にあるものが小さいながらも幸せなのに、あなたはもういない。
「善良な人」しか出てこない話で、個人的には鼻白む感じもあるけど、役者さんがしっかりしてるので、ちゃんと飲み込める。
草笛光子さんって、(年齢のこと言うのは失礼だけど)今91歳なんだって!
すごいよ。シャンとしてて「艶」もちゃんとある。
私が草笛光子という女優を知ったのって「熱中時代」辺りだから、ホントに長く現役で頑張っていらっしゃって、頭が下がる。この前も主演映画あったよね。
群像劇に近いので、主役の黒木華さんがメインにはなってはないけど、あのふんわりとした、でも確実な存在感で全体を締めてる。
エンドロールの歌(これも黒木華さんでしょ?)もすごくいい。