「ハートフルなおとぎ話」アイミタガイ コージィ日本犬さんの映画レビュー(感想・評価)
ハートフルなおとぎ話
お互い様の精神というか、袖すり合うも他生の縁というか。
人は一人の力で生きているのではなく、何かしらどこかで助け合い、なんらかの関わりを持って生きているのだな、という姿を物語に落とし込んだ作品でした。
舞台になった桑名の街の、人間の輪(コミュニティ)ってそんなに小さいのか?ご都合すぎない?みたいな違和感も若干あったものの。
今みたいな「俺だけ成功するチート願望」とか、「お気持ちを満たせばいいんでしょハイハイ」「宣伝文句で感動、泣けるみたいな感情誘導」とかみたいなドラマが蔓延し、どっかの国ではレイシストが大統領になる時代に、こんなハートフルなおとぎ話があってもいいかな、と思いました。
それと、そのご都合感をともなった物語ラインには、一歩間違えると新興宗教系の思想洗脳になりそうな危うさもあったが、踏みとどまって創作の物語になっていたのは、黒木華と、田口トモロヲ、吹雪ジュン、草笛光子ら俳優陣の演技力と元々の人間力がもたらす、キャライメージのおかげかも。
さらには、作中にあった「悪人の出てこない物語は嘘くさいが、信じてみたくなった」セリフ(意味合い抽出の意訳ですが)のもたらす効果かもしれません。
その点では、脚本、演出はうまくバランスがとれていたと思います。
若干「TVの2時間ドラマみたい」な手軽さを覚えた部分もあったが、U-NEXT製作配給なのかと劇場で知り、配信を待ってもよかったかななんても思ったりして。
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