劇場公開日 2024年11月1日

「期待度○観賞後の満足度◎ 観る前は“相身互い”という言葉はもっと人間関係が密な時代・場所に合うように思ったが、人間関係が希薄になっている現代だからこそ意味がある題名かなと今は想う。」アイミタガイ もーさんさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5期待度○観賞後の満足度◎ 観る前は“相身互い”という言葉はもっと人間関係が密な時代・場所に合うように思ったが、人間関係が希薄になっている現代だからこそ意味がある題名かなと今は想う。

2024年11月3日
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鑑賞方法:映画館

《原作未読》
①人肌というか、程よい温度の程よいペースで人と人との繋がりを紡ぐ物語。
先ず感心したのは演出の安定度と堅実さ。且つTV監督と映画監督を兼ねる人の演出に往々にして有るような味気なさがない。

②本来の“相身互い”の意味からすれば近江八幡?に住む梓のお祖母さんとそのお隣さん(ボヤを起こしたお祖母ちゃんの住む)との関係が一番しっくり来る。
主要登場人物群の中で敢えて“相身互い”の身の上と言えるのは梓と叶海の両親であるが、本作中ではラスト近くでやっと相見えることになる。それまではLINEで一方通行の梓のメッセージが、親友を無くして前に進めない梓と、最愛の娘を無くして前に進めない両親(特に母親)との“相身互い”の絆となっている(ここが本作の脚本の巧さであり弱点でもある)。

③それ以外の登場人物達の繋がりは、どちらかと云うと“袖振り合うも多生の縁”“風が吹けば桶屋が儲かる”みたいな感じだが(正確にはちょっと違いますが)、誰かの好意が誰かに幸運をもたらし誰かの後押しが誰かが人生の新しい一歩を踏み出す勇気と結果をもたらす、と云うと事を描きたかったのだと思えば、まるでアガサ・クリスティのミステリみたいに狭い世界の中で実は皆に何らかのリンクがあったというような現実では起こり得ないことでも映画脚本としては巧く構築されていると思う。

④だから、

もーさん