SONG OF EARTH ソング・オブ・アースのレビュー・感想・評価
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壮大な風景のポツンと一軒家
とてつもない規模の氷河、氷の張った湖、優美な山々、そこにたたずむ老人。すべての絵が美しい。美しい自然のなかで踊る老夫婦。1年間を映し出す、何も起きないドキュメンタリー。亡くなった父親のことや自分の今後を考えさせられた。アクションやSFなどのドンパチが好きな私だが、たまにはこんな映画を映画館で、初めての地元のミニシアターで見たのはすごく良かった。
「本厚木で」
今年256本目。 神奈川の本厚木、あつぎのえいがかんkikiへ。新宿まで行って新宿から小田急線急行で50分。 作品は滝が荘厳過ぎて脳が驚き。人生で一番の滝の映像。2歳まで一週間に一回毎回義足を替えていた。2歳で退院。義足でも歩き続けた。人間どこへでも行ける。 こう言う旅は予定して行く物じゃない。突然行ける。人生の価値をとても高めてくれる旅。自分も今日は近かったかな。前日カレンダーにお昼3:30とだけ書いて今日急に行けた。ちょっとした冒険でした。
環境を語るべきか否かの悩ましさ
ノルウェーのフィヨルドの超大自然の絶景を春夏秋冬を通じて描く。構造は老いた両親を訪ねた娘がその有り様をカメラに収める趣向。とにかく圧倒的な景観が主にドローンを活用してダイナミックに画面に描かれる。タイトルが「ソング」とあるように大自然の「音」を精緻に拾い上げ、まるで大地が歌っているかのよう。 氷点下20℃30℃の冬、物皆凍っているけれど、氷の軋む音が鼓動のように命を感じさせる。春は雪解け水があちらこちらから湧き出、フィヨルドのとんでもない高低差ゆえの水の流れの響きが春の訪れを喜ぶように。夏は草花も虫たちも氷河さえも勢いよく水を放出し、激しい水音が響き渡り、夏を謳歌する。そして短い夏も終わり、木々が黄色に染まり冬支度を呼びかける。 背の高い老人は生まれつき足に問題を抱えていながら、ストックを両手にかなり険しい岩場の山を「ハイキング」と称して歩き回る。その彼を画面の中央に据えることで、広大な自然を一段と大きく捉えることが出来る仕組み。彼の美しい奥さんも登場し、上品なリビングの様子も収められる。その2人の馴れ初めから、彼の両親、さらに祖父母にまで話は及び、人々の営みの継承が自然の移り変わりに組み込まれていることを匂わせ、なんと人間のちっぽけなことよ、を思い知る。彼は84歳と称し、ほとんどが彼のモノローグで語られる。 とはいえ、彼の仕事なり村の様相なりはまるで判らない。当然に永久凍土の氷河も年々縮小の事実には触れられるけれど、それ以上の環境問題には触れない。その辺りが潔いのも確かで、ひたすら驚くべき自然の造形を堪能すればいい作品でしょう。祖父の植えた杉の木の巨大さをドローンが舐めるように写し取り、ラスト近くにはこの老人自身も新たな杉を植樹するシーンが、美しい。 けれど、ドローンの前進撮影の多用に正直飽きもきます。お話があるわけでもなく、途中に昔の大規模地滑りの悲劇も当時の写真を使って語られるものの、単調なのは否めない。しかも自然の音のはずなのに結構効果音を多用しているのも少々違和感あります。数多の湖の水面の色が何故乳白なブルーなのかも気になるし、老人の生活感がまるでないのも、映画を薄っぺらいものにしてしまっている。もしドローンがなかったら、本作の製作はあり得ない程に、その撮影に負い過ぎている浅さが露呈。 著名監督であるヴィム・ヴェンダースと昔ベルイマン映画で活躍しハリウッドにも進出した大女優リヴ・ウルマンの制作とか。この顔ぶれにイギリスのBBCも絡んでいるのなら、フィヨルドからの問題提起として環境問題を上手く取り入れる事だって出来たのに、もったいない。ナショナルジオグラフィックのテレビ番組で十分な内容です。
水滴の音が地球の心音に聞こえた
ドローンでみせるノルウェーの山岳地帯の雄大な四季。 切り立つ断崖に鋭く沿う視線、圧倒的な樹木のざわめきの上を滑る感覚、美しさと厳しさを重ねるフィヨルドの神々しいオーラ。 まるで鳥になった気分だ。 その景色の一部のような高齢夫婦の暮らしぶりがある。 彼らの言葉や行動は常に淡々として自然からはみでることをせず自分たちらしい豊かさで過ごす。 生かされている動物の一つとしての存在をそっとその場におくことを知りつくし自分以外の全てへの敬意に満ちている。 地球の温暖化が危惧されてからそのスピードは緩まずむしろ加速しあらゆる場所での信じ難い事象を見聞きすることが当たり前のようになってきた。 このドキュメンタリーの撮影中にもある瞬間がダイナミックにカメラに収まった。 その時、目の前の出来事をじっと見る二人の後ろ姿が印象的だったのは、人間がしてきたことの積み重ねの結果が加担していることを他の動植物や山や川などに対して心の深くで詫びているようにみえたから。 あの大地の全てに大切な仲間として認められているだろう彼らが。 厳かに日々を繰り返し畏れずに森羅万象に対処してきた彼らが。 曽祖父が植えたという針葉樹が聳え立つ荘厳な景色はどう思うのだろう。 澄んだ美味い空気を画面越しに吸いながら感じる私のこの何かうしろめたい気持ちを。 慣れてはいるが決して若くはない足取りの彼がまた山奥を歩み、そう遠くない将来を見つめる年輪のみえる手で必要なだけの土を掘り挿し木する。 その仕上げに山野草の白い花をふたつそっと置いた。 彼がトウヒの大木に「そろそろこの土地をあなたとともに見守る番がきましたよ」とささやいたのだと思った。 生き様を象徴しているようなその様子は、このドキュメンタリーを記録した娘の一生の宝物でもあり、便利を追い求めすぎる私達への深い警鐘であろう。
ノルウェーのフィヨルド(氷の崖に覆われた山岳地帯)で暮らす、ご高齢...
ノルウェーのフィヨルド(氷の崖に覆われた山岳地帯)で暮らす、ご高齢の夫婦をとらえた映像。 春夏秋冬、それぞれが一つずつの章をなして。 季節ごとの表情がしっかり有り、景色も移り変わり。 ご夫婦も、日々を丁寧に過ごす様子。 年月の積み重ね、深み凄み、じっくり丁寧な映像でした。 一点だけ理解できなかったことが。 原題は SONGS OF EARTH でした。 日本公開時、あえて Sを除いたこと、 (複数)数々あるSONGS (単数)ひとつだけの、唯一無二のSONG 意味が著しく異なります。 翻訳者の意図を知りたいところです。 今のところ、勿体ない誤訳ではないかと、疑念を抱いています。
“夕日が微笑んでいる”
“夕日が微笑んでいる”… 実際にそこに住み続けた人だから出てくる言葉だと思った. 氷河,森,湖,曽祖父の植えたトウヒの樹…. 高精細映像でなくても,氷の分子が,ぴーんとした空気が,伝わってきた. この映画を観ないと,一生観ないかもしれない…と思った。
絶景、絶景、
また絶景。そしてそれは、プロフェッショナルの目によって切り取られたアングルの画である事になんか複雑な感情が生まれる。父母の記憶、エピローグ辺りには消えゆく氷河ヘの想い等も視えますが、やはり何度も寝落ちしてしまった自分ヘの後ろめたさが大きいんだと思います。
空からの景色に息を呑む
圧倒的な自然そのものと1人の男性を空から広く捉えるその映像美には劇場の椅子に座りながらも思わず身を乗り出す様なシーンが多々ありました。 言葉は少ないがそれゆえに言葉にできない様な物語の深さを感じられる作品でした。
厳しい自然の中に生きる人間たち
ヴェンダースの製作総指揮ということだけで、何の予備知識もなく観た。 プロローグで、主要な登場人物が、84歳になっても壮健な肉体を持つ男と、75歳になるが、夫を深く尊敬し愛しているその妻であることがわかる。少しだけ、彼らの娘(このドキュメンタリーを撮ったマルグレン・オリン監督)の声が混じる。不思議なことに、男は屋外にいる時の方がより元気であり、妻は室内の時の方が知性的で、さらに美しく見えた。 舞台は、ノルウェー西部の、長い時間をかけて、氷河が大地を削って海に注ぎ、やがて水位が上がって深い渓谷を作ったフィヨルド。美しくも、極めて厳しい四季が、ドローンや水中撮影など、最新の機器を駆使して、描かれる。 春:雪解けの水は豊富で、激しい滝となって降り注ぐ。氷河の溶ける音が、地中から響く。その大地を、男は、両手にストックを持っただけで、歩き続ける。 夏:氷河が砕けた塊が、海に崩れ落ちてゆく。男は、それを対岸から飽くことなく眺める。しかし、もし谷を一つ間違えたら、それは自分の足元が崩れることを意味する。彼らの一族は、西暦1600年前後から、この地で牧場を営んでいたが、地滑りが起きて一家が全滅したこともあったようだ。 秋:短い秋が過ぎて、すぐ氷雨がやってくる。彼らが何度も語っていたのは、比較的早く亡くなった、山にトウヒの木(もみに似る)を植えた男の祖父と、彼の母を容認・讃美した祖母、9歳の時、祖父を亡くし、11歳で牧場を継がなければいけなかった父と、一族の信頼を一身に受けていた母のことだった。 冬:雪がくるが、積雪は思ったほどではない、しかし、サンドヴィーカと呼ばれる巨大な吹き溜まりを作る。当然のことながら、雪崩を起こしうる。実際、一族の誰彼が襲ってきた雪崩に巻き込まれ、亡くなったことがあったようだ。何と男は、フィヨルドに張った氷の上を歩く、あるいはスケートをする。 最も美しかったクリスマスの情景を経て、エピローグを迎える。二度出てきた光の柱は、白夜のsun pillar(太陽柱)であったか。心に残る。 地球温暖化の影響があって、氷河面積の減少が伝えられる昨今、フィヨルドはあこがれの観光スポットになっていて、あの谷にも、巨大なクルーズ船が入ってくる日もあるのかもしれない。しかし、過去を振り返ってみても、死と隣り合わせの厳しい自然であることには間違いがないのだろう。あの自然の中にあって、強靭な肉体を持つ男は外で働き、女性は家庭を守ることでバランスが保たれていたのかもしれない。むしろ、それだからこそ、女性の自覚が進み、いち早く女性参政権が認められるなど、世界屈指のジェンダー・バランスが獲得できたのではないか。あの美しくも厳しい自然の姿と、二人のやりとりを聴きながら、考えていた。
フィヨルドのこの風景をいつまで見る事が出来るのだろう?
10月3日(木) 第96回アカデミー賞国際長編映画賞ノルウェー代表作品の「SONG OF EARTH ソング・オブ・アース」をTOHOシネマズシャンテで。 女性監督マルグリート・オリンが、ノルウェー西部の山岳地帯オルダデレーンに暮らす両親とフィヨルドの四季を捉えたドキュメンタリー。製作総指揮はヴィム・ヴェンダースとリブ・ウルマン。 登場人物は老夫婦の監督の両親二人のみ(監督は声だけ)。ひたすらにフィヨルドの四季の風景を映し出す。滝の上からや上空からのカメラ、フィヨルドのこの風景を撮影するドローンの効果は絶大だ。 昨日レビューした「スパイ・ゲーム」でも屋上のレッドフォードとブラピが会うシーンをトニー・スコット監督は空撮で撮っていた。20年前にドローンがあればもっとスタイリッシュに撮っていただろう。ヘリとドローンでは機動性が段違いだ。 1年に渡り、春、夏、秋、冬と姿を変えるフィヨルドの水、氷、雪、風、雲、水面、山、陽光、といった壮大な風景が映し出される。そして動物たちの姿。犬、テン、フクロウ、ワシ、カラス、トナカイ、馬、そして蛾。 120年以上前に曾祖父が植え渓谷を見下ろすような巨木となったトウヒの根元に父親はクリスマスに発電機をもって行き、渓谷の集落から見上げるクリスマスツリーのように電飾を灯すのだ。 惜しむらくはオルダデレーンの他の住人が全く登場しない事。両親と自然を映すのが主題だとしても、そこの集落で生活している人の姿と暮らしをみて見たかった。 崩れ落ちる氷河。「昔はもっと渓谷の手前まで氷河があった。」と父親が言い、氷河から流れ落ちる滝に「こんなに滝の水の量が多いのは初めて」と母親が言う。地球温暖化が確実に進んでいる。フィヨルドのこの風景をいつまで見ることができるのだろうか。
本当にこんな光景があるのか
語り手は三人。そのうち映るのは老夫婦、ほとんどが夫の言葉。敬虔な心とこの地の厳しさを教える。しかしその声は全体からすればわずかなもの。 氷の音に始まり水、川、滝…雲は音もなく山から生まれる。氷河が作った山肌の何と峻厳なことか。一体何を映しているのか分からない時もある。これほどの自然の光景を見たことはなかった。CGなどの人の力で作れるものではないとさえ思う。 将来氷河があるうちに撮った貴重な映像になってしまったら悲しいが、その時がやがてくるという気持ちが起こる。 この美しさを映画館のスクリーンで観て欲しい。ただ本当に心地良かったのでエピローグの辺りで意識がフッと途切れそうに。これから観る人は「絶対に寝ない」と決意して行かれた方がいいかもしれない。
アフリカからフィヨルドへ
厳しい自然環境に晒されるノルウェーのフィヨルドで生まれ育ち老いて行く両親(恐らく監督もここで育ったのだろう)を訪ねて、その1年を追ったドキュメンタリーです。このポスターにある様な、山・海・氷河はまるで絵の様な美しさと峻厳さだが、ここに暮らしている人が居るのです。5万年ほど昔、アフリカを出た我らの祖先・ホモサピエンスが、アフリカとは正反対のこんな環境にも適応・定住したんだなぁなどと考えると、「生きる」と言う事の凄まじい力を感じます。 でも、地球の美しさを直に感じられる土地ではあるのですが、ここで暮らそうとは思えないなぁ。 ちなみに、本作は壮大な映像と壮麗な音楽、穏やかな語りが静かに続くので、うっかりするとウトウトです。氷河で寝たら死ぬぞ!
ちっぽけな存在
自然があまりにも雄大で、厳格ななか、人間の存在がありんこのようにちっぽけに見える。しかしその人間も自然を愛し家族を慈しみ自然と人間の一体感を感じた。樹木の間を吹き抜ける強い風、それが醸し出す自然が織りなす音、このシーンが一番心に残った。目と耳を研ぎ澄まし、自然の中に身を置く感覚で楽しんでほしい。※眠気注意(笑)
音を感じる映画
ノルウェーの大自然は壮大で怖くもありました。 自然と共存する難しさにも痛感。 一年を通して四季折々の木々や動物たちの姿がとても美しかったです。水、風の音も心地よくて癒されました。 草花の生きようとする姿とご夫妻の愛溢れる言葉に感動です。
日本人にとっては残念な映画
ストーリー性のない映画で、ノルウェーのフィヨルド地方の自然の美しさを、映像描写したいとの気持ちは判るが、残念ながら日本人は8K、4Kという究極の映像を見ているので、せめて4Kで撮影してくれていたら、氷河の青色にも、もっと感動したと思うのが、残念! しかも途中映像が乱れる場面もあり、いわんや残念至極! でもドローン撮影は、興味のある被写体で自然の美しさを感じられました
予想通りの内容で、気持ち良くzzz...
年季の入った自然を根気よく捉えて、年季の入った人生を静かに語る─ 淡々と朗々と─ そのうち意識も・・・ 非常に質はいいのですが、面白いものでも楽しいものでもありません
おれは好きだけど…。
ドキュメンタリーとか興味ないと全く受け付けないと思う。フィヨルドの景色も一点集中型。四季の変化はあるが画面変化はほぼなし。それでも大自然の中で生きる厳しさ、生きることの自然の摂理がひしひしと伝わってくる。美しい景色、一度はリアルでみてみたい。
期待度○鑑賞後の満足度○ ノルウェーの、フィヨルドの大自然のドキュメンタリーというよりも、監督が父母に捧げた壮大な自分のファミリーヒストリー映画ではなかろうか。
①ドローンで撮影した山岳、氷河、フィヨルド、滝、川、湖、森林、草原の美しさには息を呑む。 でもそれ以上に、86歳にして急勾配の森林の道、石だらけの山道、氷河の上、凍ったフィヨルドの上等々を歩き回るお父つぁんの健脚に感動してしまった。 やっぱり人間て地面を歩かないとダメなんだでしょうね。いくら便利な世の中になったとはいえ。 ②
素晴らしい!ただのノルウエーの四季ドキュメントだけではない!
素晴らしかった。 ノルウェー西部の山岳地帯オルデターレンに住んでいるオリン監督の老夫婦の姿をオリン監督自身が一年間撮影しノルウェーの四季と共に人生の意味や生と死を考える。人生探求のドキュメンタリー。 また、ノルウェーの自然を一年間かけて撮影。見応えもあったし、観て良かった。改めて、自然の凄さを痛感したドキュメンタリーでもあるし、音楽もノルウェーの四季の世界にピッタリ。人生哲学、自然、音を堪能するだけでもドキュメント作品として満足できる。ただのドキュメント作品にしないのはさすが制作総指揮巨匠ヴィム・ヴェンダース。 2024年の年間ベストドキュメント作品と言っていいのでは。おすすめします。ただし、音楽はどこか眠くなるので睡魔にご用心。
【ノルウェーのフィヨルドの美しく壮大な自然を背景に、老夫婦が語る父、祖父たち先祖が暮らして来た美しくも時に牙をむくフィヨルドで生活をして来た民達の物語。】
ー ご存じの通り、気象温暖化、激甚化で地球は今、大変な事になっている。 今作でもフィヨルドを覆う雪渓が次々にフィヨルドに面したコバルトブルーの海に崩落する様が描かれる。 だが、劇中では今から100年以上前にもフィヨルドに住む民たちを襲った山崩れ、雪崩により多数の方々が亡くなった事が、当時の写真と共に伝えられる。 それでも、老夫婦はそれを自然の定めとして受け入れ、静かなる生活を送るのである。- ◆感想 ・今作は、美しくも厳しき自然と、人間との繋がりを虚飾なく描いた作品であり、老夫婦のお互いの命を気遣うドキュメンタリータッチの作品とである。 ・フィヨルドには行ったことが無いので、近くで映される北アルプスのジャンダルムの様な岩山の姿や、豊かな大雪渓に魅入られたモノである。 ・そして、監督のマルグレート・オリンの両親である年老いた夫婦がフィヨルドの大地を、杖を付きながら気持ちよさそうに歩く姿や、二人がお互いの事を尊敬の念を持って話す姿が、良かったな。 ■厳しい自然の中に、祖父が植えたトウヒの巨木にマルグレート・オリンの年老いた父がクリスマスに、まるでクリスマスツリーのように電飾を灯す幻想的なシーン。 劇中で、年老いた父が言っていたように、フィヨルドの厳しい自然の中でもあのトウヒの木はまるでフィヨルドの民を見守るかのように、厳然と立っているのである。 <但し、これから観ようと思っている方は、充分な睡眠を取ってから見た方が良いかとも思ったな。前の晩、徹夜状態だったせいもあるが、記憶が飛びそうになった事は敢えて記します。 けれども、大スクリーンに映されるノルウェーのフィヨルドの美しく壮大な自然の姿は、矢張り圧巻である。 物語は春、夏、秋、冬、そしてエピローグと続くのであるが、夫々の季節のフィヨルドの風景はそれはそれは美しく、見応えがあり、且つその地で暮らす老夫婦のお互いを思いやる数々の言葉も、心に染み入るドキュメンタリータッチの作品でありました。>
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