劇場公開日 2024年9月20日

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「【ノルウェーのフィヨルドの美しく壮大な自然を背景に、老夫婦が語る父、祖父たち先祖が暮らして来た美しくも時に牙をむくフィヨルドで生活をして来た民達の物語。】」SONG OF EARTH ソング・オブ・アース NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5【ノルウェーのフィヨルドの美しく壮大な自然を背景に、老夫婦が語る父、祖父たち先祖が暮らして来た美しくも時に牙をむくフィヨルドで生活をして来た民達の物語。】

2024年9月22日
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鑑賞方法:映画館

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ー ご存じの通り、気象温暖化、激甚化で地球は今、大変な事になっている。
  今作でもフィヨルドを覆う雪渓が次々にフィヨルドに面したコバルトブルーの海に崩落する様が描かれる。
  だが、劇中では今から100年以上前にもフィヨルドに住む民たちを襲った山崩れ、雪崩により多数の方々が亡くなった事が、当時の写真と共に伝えられる。
  それでも、老夫婦はそれを自然の定めとして受け入れ、静かなる生活を送るのである。-

◆感想

・今作は、美しくも厳しき自然と、人間との繋がりを虚飾なく描いた作品であり、老夫婦のお互いの命を気遣うドキュメンタリータッチの作品とである。

・フィヨルドには行ったことが無いので、近くで映される北アルプスのジャンダルムの様な岩山の姿や、豊かな大雪渓に魅入られたモノである。

・そして、監督のマルグレート・オリンの両親である年老いた夫婦がフィヨルドの大地を、杖を付きながら気持ちよさそうに歩く姿や、二人がお互いの事を尊敬の念を持って話す姿が、良かったな。

■厳しい自然の中に、祖父が植えたトウヒの巨木にマルグレート・オリンの年老いた父がクリスマスに、まるでクリスマスツリーのように電飾を灯す幻想的なシーン。
 劇中で、年老いた父が言っていたように、フィヨルドの厳しい自然の中でもあのトウヒの木はまるでフィヨルドの民を見守るかのように、厳然と立っているのである。

<但し、これから観ようと思っている方は、充分な睡眠を取ってから見た方が良いかとも思ったな。前の晩、徹夜状態だったせいもあるが、記憶が飛びそうになった事は敢えて記します。
 けれども、大スクリーンに映されるノルウェーのフィヨルドの美しく壮大な自然の姿は、矢張り圧巻である。
 物語は春、夏、秋、冬、そしてエピローグと続くのであるが、夫々の季節のフィヨルドの風景はそれはそれは美しく、見応えがあり、且つその地で暮らす老夫婦のお互いを思いやる数々の言葉も、心に染み入るドキュメンタリータッチの作品でありました。>

NOBU