「戦争がもたらす人間社会の分断」ぼくの家族と祖国の戦争 ひでちゃぴんさんの映画レビュー(感想・評価)
戦争がもたらす人間社会の分断
主人公一家の高潔さに心を揺さぶられました。
ドイツ人の難民を受け入れるだけにとどまらず、難民の死(ジフテリア感染による)を防ぐ
ことに腐心するという、国や人種を超え、人命を救うことに一貫して軸がぶれない家族ですが
そこにはやはり周囲からの心無い声・誹謗中傷・暴力などがあり、揺れ動くんですよね。
それは当然だと思いますし、大多数に流された方が楽に決まっていますが、
そうしなかったヤコブファミリーに大いに感銘を受けました。
新たな切り口でのナチスを扱った映画ですが、
戦争がもたらすものは、直接的な戦闘行為による“死”のみならず、
国同士はもとより、人種、人同士の分断をも招き、これらが解決するのには相当の時間を要するでしょうし
解決せずに負の連鎖に陥ることがほとんどだと思います。
今なお続く戦争。いつ人間は戦争をしなくなるのでしょうか。
地球とともに人類がいなくならない限り続くというのなら、あまりにも成長がないと思うんです。
過去から学び未来の人たちに残す平和を、ぜひともつくりあげたいものです。
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