ザ・エクソシズムのレビュー・感想・評価
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私は信仰を失った。
酒と薬に溺れて落ち目だった俳優が、悪魔祓いの映画の神父役で再起をはかる中で不穏な事態に陥る話。
妻の病気を言い訳に、酒と薬に溺れること2年、抜け出す為にまた2年費やした頃、前任者が撮影現場て謎の死を遂げた映画のオーディションの話しがあり巻き起こっていくストーリー。
依存症を抱え処方薬を服用しつつ臨んだ撮影で、カトリックの性虐待事件を匂わせられて追い詰められる主人公が、夢遊病に苛まされたり、酒か悪魔憑きか情緒不安定な状況を拗らせていく。
監修みたいな扱いで、神父も登場するけれど、心理学を学んでいてオカルトは99%信じていないっていうのがなかなかゆにだし、主人公の個人的なメンタルの問題という感じで進んでいくのがなかなかユニーク。
そしていよいよ撮影現場で明らかにおかしなことが起きたのに、そこはスルー?
お薬ペッペッでもういいよと思い始めたら…急展開過ぎません?
なんだか最後は急に良くある形にまとめられてしまった感じで、あんまり説得力がないし、エピローグは良くわからないしでモヤッとだった。
カトリックの性虐待問題を知らない方は、映画「スポットライト」を是非。
王道の悪魔祓い
救いなのは、彼の演技力だけ
"Tony, you are irredeemable."
話の流れからすると... 監督が主人公のトニーに対して、緊張を取り除こうと言ったとしても観ている側としたら、余計に更なるプレッシャーを彼に与えているように見える。ところで...イギリスのカルチャーサイト "Far Out " の2023.8.7 のフリードキン監督とのインタビュー記事の抜粋より、ユダヤ教の家庭に育ち、不可知論者でも神は信じているって?
“I believe very strongly in God and the power of the
human soul,” Friedkin began. “I also believe that they
are unknowable. But the film, The Exorcist, is primarily
about the mystery of faith, the mystery of goodness,
that mystery which is inexplicable, but it’s there.”
ウィリアム・フリードキン監督のオカルティズムをホラージャンルのサブジャンルに位置付けをした金字塔『エクソシスト』からのリメイクやリブート、あるいは寄せ集めの続編といったところを試行錯誤の必要なしに、ホラー映画の古典の遺産をただ単に活用するだけのメタでもなく、そのまま間接的な手段を使っている。それでも、悪魔に取り憑かれたラッセル・クロウのセリフ自体が、地獄の底から這い上がる亡者のような響きで率直に言って怖さと凄味がある。しかし、いい加減な筋書き、いい加減な演出、そして使い古されたカトリックのホラーの依存の犠牲となり、ストーリーが大事な後半の残り20分には支離滅裂となり崩壊してしまっている。
HE KNOW YOU!
YOU WILL NOT BE
SAVED
この映画は『エクソシスト』でカラス神父を演じた故ジェイソン・ミラーを父に持つジョシュア・ジョン・ミラー監督が父親へのトリビュートとして作られたため、当然「ミラー」というキャラクターが必要だったように強く感じる。
この映画では、リーガンの "コールド・ルーム" を含めて3階建てに組まれた撮影ステージのセットとトニーのアパートのセットは主に薄暗い場所で撮影されており、屋外シーンはほとんどなく、登場人物と観客の両方に閉塞感と恐怖感を自然と感じさせる。
しかし、全体として見ると、脚本のかなり不安定でシーンとシーンの繋がりにかける進行具合とクロウのラストの大げさな演技が、後半の物語を事実上脱線させている。クライマックスのシーンは、おそらく原作に忠実なのかもしれないけれども、そのスタイルの視点からは映画全体の象徴的で印象的だが、この時点でトニー・ミラーとクロウのちぐはぐさから完全に真摯なものは取り除かれ、誰が見ても信憑性を失っている。
ただ一つ言えることは... 『エクソシスト3』のように、予想外の画面の隅から飛び出すような肝を冷やすほどの驚愕のジャンプスケアが1つあることかも知れない。
この映画をホラーと呼べるかどうかは、はっきり言って... 天邪鬼な者からすればコメディです。
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