劇場公開日 2025年2月21日

「男優たちは青いが、全カット美しい」ゆきてかへらぬ Boncompagno da Tacaocaさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5男優たちは青いが、全カット美しい

2025年2月28日
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鑑賞方法:映画館

広瀬すずがいい女過ぎて、男優たちが青く見えるが、風景も人も全カットがレトロで美しい映画。広瀬すずの背格好や表情があの時代のハイカラ女性らしく思えて最高だが、青い役でいいはずの中原中也役の俳優ももう少し線の細さも無頼も欲しい。小林秀雄役は若いなりに狡さも出て健闘していた。詩人と評論家という、お互いを必要としながら越えられない壁もある関係を間にいる女性をカギに上手く描いた映画だと思う。今から見ると嫌味なくらいの人間関係でも、中也が小林秀雄にフランス語の読みを習いながらランボーの原詩を読む場面は、今は失われつつある教養があった時代の良い場面に思えた。

Boncompagno da Tacaoca