本心のレビュー・感想・評価
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今、まさに迎えようとしている近未来へのアンチテーゼかもしれない。
何の下調べも、予告編すら見ずに、本日公開の本作品をレイトショーにてチョイス。23時過ぎに終わるだけあって、客は高年齢層、男性が多い感じでした。
始まってびっくり‼️
池松壮亮くん主演やし、タイトルからももっと、じっくり淡々とと進む人情系ストーリーだと、勝手に思い込んでいたら…超革新的?!最新AIを搭載した VR系のお話だった〜😳
いやはや、疲れもぶっ飛ぶ予想外の展開とストーリーに、もう最初から最後まで釘付けですわ🤔
まず、池松壮亮くん扮する、主人公石川の「リアル・アバター」という職業。遠く離れた依頼主の指示通りに動き、代わりに見たかった景色や体験を仮想提供するというもの。これすぐにでも誕生しそうな(いや、もうすでにあるのか?)お仕事やね。良い悪いは別にして、需要ありそうだもんね。細かなルールは必要やね。
最新AIを搭載したVF(ヴァーチャル・フィギュア)技術で蘇った〈母〉を、田中裕子さんが素晴らしく好演!!VF 〈母〉の時と生身の母の時の田中裕子さんの目の演技の違いにご注目です🧐
そして、テーマは重いです。
まずひとつに「自由死」の問題。
これに関しては、倍賞千恵子さん主演で話題になった「プラン75」という映画を思い出しました。「自由死」を選択できる社会が今後やってくるのだとしたら?超高齢化社会を迎える日本に暮らし、人生折り返し地点に立った私には、全くあり得なくはないだけに、難しい宿題を貰った気がしました。
もうひとつは、
テクノロジーは、人間の心を再現できるのかという問題。
チャットGPT、とっても便利ですよね〜。私はほぼ毎日起動して、何らかのことを聞いています。考えることをやめてしまいたくなるほど、AIは即座に的確に(聞き方によっては、ウソも多いけど…)答えをくれます。今後もっともっと進むであろうAI技術によって、私たちの社会はどう変わるのか?進化するAIや溢れかえる情報といかに付き合い、生きていくのかを問われている気がしました。
余談ですが、
今月2024年11月20日は、いよいよ冥王星が水瓶座に入り、「冥王星水瓶座時代」が始まります。破壊と創造を意味する冥王星が、革新と未来志向の象徴である水瓶座にとどまることで、今後一層のテクノロジーの進化が予想されます。
そしてこの冥王星が、破壊に働いた時、果たして社会はどうなるか?
今、まさに、この瞬間
観ておきたい近未来への
アンチテーゼとなる映画です。
着地点が見えず
最近池松くんファンになってて、題材もそそられて鑑賞。一人一人の演技は素晴らしく、途中まで展開も読めず楽しめたのだが、途中から話が散り始め、いつ終わるのかな、、と思ってしまっていた。最後はなんか乗り切れない感じで終わった。
近未来を見てる感はあったなあ、、あんな装置できたら使ってしまうかもしれないなぁ、、とか思ったね。
たくさん散りばめられたネタが、どれもまともに回収されないままふわっと終わった。モヤモヤ感いっぱい。
やはりハッピーエンドと言い難い作品は星が渋くなりがち
母子家庭で育った主人公。事故をきっかけに長い眠りから覚めた時には、唯一の家族の母親は亡くなっていた。ひょんなことからVFという技術(個人データに特化したAIのようなもの)の存在を知り、作成を依頼する。その過程で母の同僚という女性の存在が浮上し、データ収集のために顔を合わせ、やがて不思議な同居生活に発展する。『リアルアバター』と呼ばれる職業に就き、勝手我儘下衆なユーザーに翻弄され追い詰められるも、ある事件から顔が知られ、思いもよらぬ展開に。結果的に女性は好意を抱かれた別の男のもとに赴き(本心かどうか不明だが、主人公は彼女に対し『好きじゃない』と告げた)、またひとりになった主人公だが、最初にして最終の目標であった母の本心(話したいことがあると生前言われていた)をついに聞くことができた。それは思っていたものとは違う、ある意味なんでもないことだった。
この手の作品は好きなのだが、やはり最後は分かりやすいハッピーエンドが好きなので、見終わった後、物悲しくなるのはちょっと辛い。素直に2人が結ばれてくれれば、仮に安直であっても素直に拍手が送れたのだが。さらには、結局のところ母親の本心は何だったのか、事実は何だったのか、それは分からずじまいなのだ。全てはAIがデータに基づき導き出した回答であるというだけのこと。そういうところがこの作品の骨子と思うが、どうにもスッキリしないし、何か恐ろしさも残る。
未来の仕事ってああなるのかな?84点
予告から期待してずっと観たかった作品。見て良かったと思う!
面白かった点
・三吉彩花さんの役の名前がみよしあやかで面白いこと。
実は三吉さんは主人公(池松さん)が好きだった同級生なのかと思わせぶりも面白いw
写真のシーン、三吉さんと同級生の女の子画像AIで作ったのかな?似すぎ!
・今後の仕事はリアルアバター?
未来の仕事は今の仕事の半分は無くなるのでまじでありそう。しかもふざけて人を馬鹿にするようなシーンもありますがしっかりリアルに起きそうな事も描かれているのでそこも面白い。
・前半はお母さんをAIで作り、なぜ自由死を選んだのかを聞き出す(本心)後半は主人公と三吉さんの恋愛を描かれている。
前半と後半のジャンルがガラッと変わってて違和感を少し感じましたがそこが面白い。最後ら辺にイフィー(仲野太賀さん)が出てきてなんだこりゃって感じですが…恋愛には第三者が居ないと成り立たないのかな?
・監督が言いたかったこと?本心とは?
主人公が後半で動画サイトで話題になるシーン
前半のシーンで高校の先生に暴力を振るってしまう=後半のシーンコインランドリーでクレーム付けていたおっさんに暴力を振るう。(同じ行動)
実は悪いこと(暴力)しているのに世間ではヒーロー扱い(人助けしてる!)されてしまうところが1番笑ってしまった。
尊厳と自由
テクノロジーが高度に発展した"使う・使われる"世界で、言葉の持つ意味、尊厳に対しての価値・値打ちを考えさせられた。
母・同居人・"仕事(肉体労働)"を通して、相手の言葉をどう感じているか、どう受け止めるのかを考えていたように思う。
最終的に、"そう、信じる"なんだと思えた。
デジタルテクノロジーがもたらすもの
ここ数年のAIの進化には驚かされます。
言っている事は間違っていなくとも、相手の気持ちを配慮、忖度するまでは至らない過渡期のAIが余計なこと(亡くなった母の本心)を明らかにしてしまい、主人公を混乱させる話かと勝手に推測し鑑賞しました。
ちょっと違いました。
VFのお母さんを通じて知らなくてもよかった情報(真実)を得ながら、、、
主人公が自身の本心に素直になれず、背き、葛藤しながら生きる…という点ではよくあるお話しでした。
VF(AI)、リアルアバター、自由死…いずれも興味深いテーマでしたが、ちょっと盛り込み過ぎ感は覚えました。
結局は主人公朔也と彩花の揺れる心(本心)を描いているわけですが、それを素直に表現できない、場合によってはデジタルテクノロジーを活用して、本心、本意、本音を表現しようとする現代人の生き方を揶揄するためだったのでしょうか(?)
でも楽しく観れました。
近未来に不安を覚えつつも、最後にデジタルテクノロジーがもたらすものは悲観するばかりでない(希望かもしれない)エンディングで良かったです。そして、
嘘っぽい仮想現実(虚像)の母を演じつつ、母が抱いていた愛が本物であったことを伝えきる田中裕子さんの演技に感動しました。
バーチャルで逢えたら・・・‼️
母を自殺で亡くした朔也が、バーチャルで母を作ってもらう。仮想空間で母と過ごす一方、母の親友である彩花と知り合う・・・‼️方法は何であれ、亡くなってしまった大切な人と再会し交流する‼️まるでアンドレイ・タルコフスキー監督の「惑星ソラリス」や大林宣彦監督の「異人たちとの夏」を思わせますね‼️そして舞台としては近未来なんですけど、主人公がやってるリアルアバターみたいな職業の危険性なども訴えられていて、ヒジョーに興味深い作品でした‼️ただバーチャルの母親との交流はあくまでキッカケであって、今作は朔也と彩花のラブ・ストーリーですね‼️互いに暗い過去を持つ二人が、母を通じて知り合い、惹かれ合う・・・‼️そういう意味で池松壮亮と三吉彩花の二人がホントに魅力的でした‼️朔也に伝え忘れていた思いを抱える母親役の田中裕子さんの佇まいも相変わらず素晴らしい‼️大空に掲げた朔也の腕にそっと寄り添う彩花の腕のラスト・カットもホント微笑ましいし、心が温かくなる‼️いいなぁ〜‼️
原作を読んだ者の感想
役者はどの方も素晴らしかったし、各場面のシチュエーションも小説のイメージに大体近いもので、良い材料は揃っているが、料理の仕方を間違えた感じがした。
ラジオのインタビューで池松壮亮が「原作の小説に惚れ込んで作者に直談判して映画になった」と言っていたのを聞いて、面白そうだと思い原作小説を読んでから映画館に観に行った。
小説では主人公の心の細やかな葛藤が描かれており、そこが醍醐味だった。この心情の動きは映画になった時に全部モノローグで説明する訳にいかないだろうし、どうやって表現するのだろう?と期待していたが、映画では細やかな心の機微はあまり感じられず、主人公が色々考えた末に取った行動も映画では行動のみが描かれるので、なぜそういう行動を取ったのかやや唐突で、共感しにくいものになっていた。
原作では格差社会の問題も小説の大きなテーマとして、母の死の理由も含め深く扱われていた様に思うが、映画だとちょっと触れられた程度で、下の階層の人間はこういう仕事しか無いのか、という話などはあったが、個々のキャラクターの生い立ちも軽く説明される程度で、扱い方が表面的に感じた。
原作の「三好彩花」は著者の平野啓一郎氏が俳優の三吉彩花を知らずに偶然付けた名前で(キャラクターのイメージはかなり合っていたと思う)、その奇跡が面白い。
また原作では二十歳の幼さの残るイフィーを仲野太賀がやるとどうなるんだろうと思っていたら、妙に少年っぽくてあっけらかんとした喋り方が世間離れしていてぴったりだった。映画のイフィーは主従関係が上の立場からやや強引にサクヤから三好を奪おうとした様に描かれているが、原作はもっと繊細にサクヤの気持ちを伺っていたのにそれが全く描かれていなかったのが残念だった。
ちょっと品が悪い粋がった若者役の水上恒司や、何百万もする高額な買い物を妻夫木くんにこんな雰囲気で勧められたら買ってしまいそうだなあ…と思ったり、役者を見る分には楽しませてもらった。
ストーリーをかいつまんで原作をなぞるような形で1つ1つのテーマが深く掘り下げられていないのと、余白が少なくサクサク場面転換しているところがやや説明的で、池松壮亮の「この小説を映画にしたい」という想いを監督はちゃんと汲んで作ったのか?…と正直疑問。
他にもっと深い心情描写ができる監督さんに作ってほしかった。
原作小説の方が何倍も面白く続きが気になって直ぐに読み終わってしまったので、映画でこの作品を知った方は是非読むことをお勧めしたい。
翠富士か!
肩透かし三連発、妻夫木くんは全然重要じゃなかったの?お母さん途中から何処へ?それに最後の手ぇ手ぇ?
石井監督は、まだ大分悪意に振れてる様で本当に気分悪いですよ、評価システム、ヘイト(国名出していいの?)、冷やかし、闇バイト。でも上手く纏まってたと思うし・・何にせよ三吉さんの太っ腹さに大金星ですよ!
「自由死」と呼ばれる自死制度が認められた2024年の日本。 工場勤...
「自由死」と呼ばれる自死制度が認められた2024年の日本。
工場勤務の青年・朔也(さくや。池松壮亮扮演)は、勤務中に母(田中裕子)から「帰ったら大事な話がしたい」というヘンな電話を受ける。
帰途、突然の大雨。
家の前の川は濁流と化し、母がその傍に立ってい、あっという間に濁流にのみ込まれてしまった。
助けようとした朔也も濁流にのみ込まれ、気づいたときには病院のベッド、一年が経過していた。
やって来た刑事の話では、母は「自由死」登録をしていた。
そのため、母の死は事故死ではなく、自死と認定され、自治体から補助金が支払われる、と。
母の死の理由を知りたかった朔也は、死んだ人物の過去の映像・行動記録・他人の証言をもとに、その人を仮想空間上に再現できるというヴァーチャル・フィギュア(VF)という技術を頼ることにした・・・
といったところからはじまる物語で、平野啓一郎による同名小説の映画化(原作は未読)。
ちょっとフィリップ・K・ディックの諸作を思わせる内容であると同時に、日本的なセンチメンタリズムも感じる内容なので興味津々。
期待していたのは、
1)青年が思い続けてきた母親像と作られたヴァーチャル像との乖離
2)ヴァーチャル像の方が実際の母親に近い
3)差異を受け容れた上での、青年と母親の心の氷解
みたいなもの。
なんだけど、なんだか取っ散らかった脚本で、朔也昏睡の一年にAI技術は信じられないぐらい進み、さらに社会格差は進み、持てる者は持たざる者を仮想空間上のみならぬ実社会でもリアル・アバターとして奴隷のように扱うデジタルだかアナログだかわからない蛮行社会となっていた・・・
って、この設定が必要なのか?
ま、仮想空間の名の下で行わる蛮行に、人間の下卑た「本心」が曝け出されるというのはわからなくもないが、本作では不要のように思われる。
この主題、ホラー映画のそれで、既に『パージ』などの人間狩り映画で形を変えて幾度となく描かれているので、鼻白む思いがしました。
まぁ、原作に沿うところだったのかもしれないが、2時間で描けるだけの内容・設定への刈り込みが必要だったはず。
この手の作品は、個人的には許容できないんです。
残念至極。
池松壮亮と田中裕子あってこその映像化
予告からとても期待していた。
しかし、重いものを観る気分になかなかなれなかったので、公開から一週間が経ってしまった。
時間が合ったので思い切って観ることにした。
良い映画だった。
(予告から、生き返らせてはいけない愛する人を生き返らせたためにとんでもないことになる、ペットセメタリーみたいな話だと思っていた)
母と息子の物語だけでなく、近未来の科学技術、格差社会、自由死など、テーマが広がって興味深く考えさせられることの多い作品だった。
主人公は押し潰されそうになりながら、ある一件によって好転していく。それこそダンスをしたくなる。(良いシーンだ)
しかし、手を差し伸べてくれたイフィーさんによって彼女との生活が壊れようとする。
ゴーグルを付けての告白。本心か。
いや、イフィーの思いを伝えさせられているだけ。本心ではない。
伝えさせられているのは。本心ではない。
このきついシーンから、母親のVFとの会話。
母の本心。それは自分が聞きたかったこと。
重いテーマながら一条の光が差し込むようなラスト。重ね合わされた手に救われた。
池松壮亮と田中裕子あってこその映像化だと思う。
他の俳優が演じていたら、これほど入り込めただろうか。
田中裕子でなかったら母親のVFも嘘くさくなっていただろう。
AIもVFもRAも、使う人間によって、、、当たり前のことだが、、、。
良い映画だった。
鏡
発達した技術で亡くなった母親のクローンを作って生活する上で様々な真実が明らかになる…といった作品だと思っていたのですが、バーチャル空間で母親と再会するといった感じで思っていたものとは少し違いましたが、実際にこんな世の中になってきてるんだろうなと考えさせられるものでもありました。
自由死を選択した母を助けようとして溺れて1年間眠っていた主人公・朔也が変わってしまった世界と順応するための生活、その中で発達した技術のVFで母親の本音を引き出そうとするが…といった作品です。
バーチャルアバターの設定は一見便利だし世の中のためになってはいるのですが、そりゃそんな便利なものがあれば悪用されるわなという展開になっていくのは残酷だとなりながらもしっかり観ることができました。
金持ち連中が好き放題指示したり、殴り合いの喧嘩を注文したり、急がせたのに汗臭いってだけで評価を落とされたりだったりとかなーり胸糞な展開が続くのは中々にキツかったです。
自分は配達員系の仕事はやっていないので実際にこんなことが起こっているのかも…と考えたらスキマ時間とかにやろうって気にますますならなくなりそうでした。
コインランドリーで従業員に詰め寄る男性が描かれるのですが、ここでの悪態のつき方があまり怒ったことないんだろうな〜というのが滲み出るシンプル口悪態度悪に描かれていたのは良くも悪くも笑えてしまいました。
そんな身振り手振り使って暴れるもんかねと思いつつ、自分も咄嗟に怒りを感じた時はあんな風になるのかなとも思ってしまいました。
そんな動画が拡散されてバズって有名なVFデザイナーのイフィーと関わり出すエピソードはちょっと余計だったかなと思いました。
単独のエピソードだと見応えあると思うんですが、車椅子生活の流れもなんだか取ってつけたような感じでしたし、イフィーが惚れた三好との恋愛エピソードもこれまた急だったので違和感ありありでした。
そこでの別れイベントと発生なんかもなーんか釈然とせず、ここは丸ごと無くても良かったのではと思ってしまいました。
最後に母の本心を聞けてというラストは良かったと思います。
最後まで裏切りと悲しみの連鎖だったら中々キツいもんですから少しでも救いがあって良かったです。
母親との関係性メインだと思っていたので、母親は要所要所の登場と終盤にかけての登場だったので、そこを期待して観に行った身としてはちょくちょく濁されたなという印象です。
俳優陣は味のある方々ばかりで濃密でしたし、役名と全く同じな三吉彩花さんがとんでもなく魅力的でした。
今までの作品とはまた違ったミステリアスな感じと不器用な感じが同居している感じなのがとても素敵で過去作も振り返りたくなりました。
とっ散らかった印象は拭えませんでしたが、AIを描く上で人間の心理も描いているので十二分に映画として楽しめました。
「愛にイナズマ」は大好きなんですが、今作はちょっと半々みたいな感じに落ち着きました。
鑑賞日 11/13
鑑賞時間 18:00〜20:15
座席 I-9
創られた「本心」を売るサービス
1. 空がバニラ色じゃなくてよかった
冒頭で主人公が重症を負う展開で想起するのが「Vanilla sky」。その映画では、無理心中を生き延びた主人公が恋に仕事に奮闘するが、終盤で夢だと分かる。実際は心中時の顔の傷が原因で自殺を図り、重症のまま冷凍睡眠にされていた。
なので「本心」も、終盤で主人公は実際は寝た切りで、ぜーんぶ仮想空間のお話でしたっオチが付きそうと邪推したが、杞憂に終わって?良かった。
ただ、母が河に呑まれた一因の猫が三吉のアバターと一緒なのは色んな含みのある匂わせなのかも…
🥽
2. 仮想母の「本心」は本物か?
主人公が300万円で母のAI作製を依頼したのは、自由死を選択した理由を知りたかったから。終盤で息子を産み育て切った今が幸せで、今なら死んでもいいと仮想母が語り、主人公は涙する。でもこれって本当に母の「本心」?
何故なら、仮想母の発言に違和感を感じたら「母さんはそんな言い方しない」と言えば、仮想母は修正されると明示されている。つまり、仮想母は主人公や同居者が望むように発言するように補正されている可能性がある。なので、仮想母の本心は、母にそう感じていて欲しかった主人公の願望にすぎないのでは? そもそも仮想故人を作製する業者も、顧客が不満を抱かせたら商売が成り立たない。なので、顧客が言って欲しい発言をするように、微調整されている可能性は低くない。
🥽
3. 三吉を突き放したのは逃げ?
主人公が三吉を自宅に招いたのも、優しく接したのも、学生時代の思い人に似ていたから。そうじゃなくても、1つ屋根の下で生活を共にする同世代の異性に、好意を抱くようになる方が自然。それでも三吉に想いを告げなかったのは、彼女がイフィ(仲野太賀)だけに手の接触を許しただけでなく、イフィからの給与を失って迄も、過去のある女性を養う覚悟を持てなかって為に見えた。
ラストに主人公の隣で伸ばされたのは、ブレスレットからみて三吉の手。それは三吉の帰還を意味するのか、主人公の「本心」が見せた幻影なのかは分からなかった。
🥽
4. 闇バイトなリアルアバター
闇バイト犯罪が恐ろしいのは、雇われるバイトは犯罪どころか喧嘩の経験もない為、何でどの位力を入れて殴ったら致命傷になるか分かってない事。指示されれば、老人相手にも鈍器を握り後頭部を力一杯たたいてしまい、殺人犯になる。指示役も自身は実行犯にならない気軽さで、バイトに平気で暴力を振るわせる。
リアルアバターに無理難題を与える愉しむ依頼主も、支持だからと仲間を殺すアバターも、闇バイトそのもの。この辺の件は、映画より現実が上回ってる気もする。
本能か愛か
開幕当初から現実世界が舞台なのかSFなのかホラーなのか曖昧で独特な世界観で、役者陣の演技もどこか作文的で違和感がありつつもその世界観を鑑みると調和している様に思えた。
母親(田中裕子)のその素朴な出立ちが異様に機械的に見えるのもある種その不気味な雰囲気を引き出し、効いていた。
友人?の岸谷(水上恒司)の乾いた笑いや対人恐怖を抱えるヒロインの三吉(三好彩花 名前被りは偶然か?)が、訳ありとして同世代の男1人部屋に転がり込んでくる違和感も、この世界観ではまあなんとか許せる程度に収まるように感じた。
その人に関わるあらゆるデータを収集し、再構築した場合、その人物の他人には見せない心の奥の気持ちは表現可能なのか。だが果たしてそれが本心だと証明できるものは??
とても興味深いものを提起させられた映画だった。
特にイフィー(仲野太賀)が主人公を介して告白するシーンはまさに三者それぞれの本心が暗に示されていて、インパクトのあるシーンでとても良かった。
人の心の奥にある本心は動物としての本能か、人としての愛か。どうなんでしょうか。
本作品とは関係ないが、豊臣兄弟(仲野太賀と池松壮亮)の前哨戦?が見れたのもなんか良かった。
斬新かつ、ずっと引き込まれるような作品
なんとなく内容が面白そうだったので見てみましたが結果なかなかの良作だったと思います。
序盤は主演の池松さんの演技に違和感があって、でもその違和感だと自分が感じた部分が彼の演技の持ち味みたいな部分もあるのかなと思いつつも池松さんは脇役としての立ち位置がやはりしっくりくるよなーと思いながら見てました。なんといっても今作脇を固める面々がかなり豪華なので序盤は完全に主役を食ってる感じの演技の素晴らしさです。特に水上君と綾野剛さんはよかったし、後半の太賀さんもかなり良かった。普段はあまり見たことないタイプの彼らの演技が見れます。そんな中で段々と物語は池松さんと三吉さんを中心に話が進むにつれて、なんだかんだ池松さんだからこそ、この優しく純粋でなんか情けない感じのこの報われない主人公を演じ切っているなーとだんだんそのキャラクターに惹かれていきました。あと、三吉さんがとにかく美しくて、別の作品で高飛車な女を演じていてそのイメージが強かったのですがこんな静かな感じもやれるんだなとその演技力に魅了されました。この作品、ところどころ内容的にはなんだかバカくさい感じもあり下手な役者が演じたらとんでもない駄作になりかねない題材を扱っています。そのあたりがしっかり作品全体を通して最後まで目を離せない感じに仕上がってるのは演者の方々の確かな演技力のおかげだと思っています。ファンタジー、近未来、そこを扱いつつもリアルさも取り入れ、暴力や若干のセクシーなショットがあったりちょっといろいろ詰め込みすぎてとっ散らかりすぎかなと思う部分もありつつもラストの終わり方もあの感じでよかったと思います。各々がどのようになったのかを余韻として心地よく想像を膨らませられるそんな作品かなと思います。
個人的にはこのような死んだ人をAIで人工的に作り出すことは怖いなと感じるし、やはり亡くなった人に対して生があって死があって、いなくなったからこそその人を思うことができたり、正しい言い方じゃないかもだけど、死は必要なものなのだと感じるし、だからこそ今生きていることを大事に思わなきゃとそんなことを考えさせられました。とても良かったと思うのでぜひ見てみてください!
『母の身終い』の息子の母の死後の葛藤
母親の「自由死」の選択を巡る息子の葛藤が描かれているということで、『母の身終い』に近い設定、展開だと感じた。その作品の息子も、前科者で底辺労働に従事し、恋愛に不器用であった。
障がいのあるアバターデザイナーの恋を取りもつという役回りはありがちな感じであるが、『最強のふたり』も、『ノートルダムの鐘』も、『チャタレイ夫人の恋人』も、ぴったりではなく、今一つ思い当たらない。
ダンスのときの手の合わせ方が合っていないのが不自然だった。
結末の空に伸びる手に添えられる手は、若い女性の手だと思っていたが、原作の結末の説明ではそうではなかった。原作ではさらに、母親の「本心」は明確に語られてはいなかった。
原作の展開では、かなり込み入っていたけれども、映画化ではかなり削られた感じがある一方で、原作者からの拘りもあって、かなり残した部分もあったという。
演技が光る作品
ストーリー自体はまあまあでした。予告では「それが…本心だったの…?」って感じのセリフだったので、母親が実は息子のことを殺したいくらい嫌いだったとか、息子との寂しい二人暮らしに心から絶望していたとかかと思ったら「息子のことを愛してる」でした…VFが言ってることなので実際のところはわかりませんが、母親の過去の話も勉強したAIのはずなので多分それが正解なのかな?
母親が実はレズビアンで精子提供で産まれた子供だったというのもなかなか衝撃的な事実でしたが、あまりフォーカスされませんでしたね。母親の彼女(元カノ?)はどこに行ってしまったんでしょう…
岸谷が逮捕されるまでの経緯は最近話題になっている闇バイトに通じるものを感じました。ラストマイルもそうでしたが、公開になってその時の時世とマッチした話になるという偶然は面白いですね。
ストーリーよりもキャストさんたちの演技が素晴らしいと感じました。特にVFを演じた田中裕子さんや綾野剛さんは、限りなく人間に近いAIといった感じの、人間らしく見せている無機質という感じが伝わってきました。動きだけは楽しそうで、ほぼ真顔で決まったステップを踏む田中さんの演技には薄寒さを感じました。
その人の本心は...
親子とはいえ一緒に暮らしていても
親の本心なんて案外分からないもので…
知らなくてもいい事もあり…
冒頭から聞き覚えのない「自由死」
その言葉が何を語るのか知りたくなり…
AIやアバターが目の当たりになる時代
本人が「自由死」を選べる時代になる
実際にVFの存在があったら
やはり困惑するだろうなぁ🤔
そんな単純な感想が頭を過りました💦
原作はもちろん未読💦
平野啓一郎さんの作品は何本か観てて
難しい部分も多いけど…
推しさんや今回のキャストの良さ…
そして主演の池松壮亮さんの演技には引き込まれました。
ラストの朔也の本心は……
学生の頃の好きだった彼女なのだろうか?
ところで…窪田くんはどこに出てましたか?
もう一回 観ないと分からないかなぁ🤔💦
人の本心とは何なのか?生前聞けなかった母の「大切な話」とは何だったのか?
人の本心とは?
本心は他人にはわからない。
言葉として伝わttことしかわからず、推測するしかない。
それが、作られたVRの世界ではわかるとしたらどうなるかというてーまが深い。
生前に言っていた「話したかった大事なこと」を知るために、VRで母をよみがえらせて、わかったことは、実は物語的には珍しいことや面白いようなことではなかった。
言葉にすると、客観的にはありきたりなことだったけれども、結局、それが本当に大事なこと、本当に伝えたかったことだというのが感動的でした。
また、もう一つの大きなエピソード。
同居女性を主人公が本当は好きなのかどうか、彼女に言った言葉が本当に本心なのか。
観ているこちらにもあいまいに感じる。
本当に好きじゃないのか、本人のことを最後まで思ってのことだったのか。
本心とは一体何なのか、考えさせられる。
実にイライラするけれど、その主人公ならばこうなるかもしれないと思わせる、さすが池松壮亮が上手い。
予告編ではVRで甦った母と子の話という印象でしたが、実はそれは映画全体の半分くらいで、途中から、近未来のリアル・アバター業(VR代行業?)という新しい仕事と、悪友が堕ちていく闇バイト、同居した女性との話に変わっていく。
それはそれで面白いのだが、観ていて実にバランスが悪い。
途中で母親の話がいったん忘れられてしまい、最後に戻ってくるので、感動が薄れてしまうのが残念。
主演の池松壮亮、田中裕子、三吉彩花は良かった。
自由死とは?虚と実の狭間の中で・・・
生前の記録を記憶させることで、AIが本物に近いヴァーチャルを作成する。
死んだ母親をヴァーチャルで蘇らせたら、自分の知らなかった部分が明らかにされる?
どんな話なんだろうとワクワクしちゃいました。
SF風味の味付けがしてあるけど、田中裕子さん、池松壮亮さんの出てくる画面のイメージからイメージからお涙頂戴モノかなって思いました。でも、それだけじゃなかった。かなり重くて深い話って感じ。
先ず、出てきたのが自由死。早い話が安楽死だと思うけど、これが法律で認められてる世界。
母親がそれをれを選択していた。そして、死ぬ直前に自分に話したかったこととは・・・
それが気になってか、ヴァーチャルで母親を創り出し、真相を聞き出そうとする。これもまた、近未来で実際に出てきそうな技術だと思う。本来のメインストーリーは、ここじゃなかったのかな。
これにアバターっていう職業が絡んできて・・・
これもまた、すぐにでも実現しそうな感じがする。
とにかく、自分はこの数々の出来事にリアル感を感じた。来年あたり、本当に流行るんじゃないかと。それだけですっかり魅入っちゃいました。
そこへ持ってきて、三吉彩花さん。大好きな女優さんなんですが(役名も同じ三好彩花でちょっと混乱)まさか、あんなサービスカットが登場するとは!
役柄的にも微妙な感じをうまく表現していて、ますます好きになりました。
そして、終わり頃登場する仲野太賀さん。「11人の賊軍」に続き、オチャラケの無い渋い演技で魅せてもらいました。
妻夫木さん、綾野さん、田中さんは、もう文句無しで、魅入っちゃいます。
そんな豪華な俳優陣で進んでいく話なんですが・・・
面白いことは面白くて、好きな作品です。
ただ、何だろう?盛り込み過ぎなのかな、何が言いたいのって感じで、イマイチまとまりがないような・・・
とは言っても、自由死の尊厳とか、アバターという職業にかかる問題とか、色々考えちゃいました。
ところでラストのあの手は何だったんだろう?
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