本心のレビュー・感想・評価
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あっち側とこっち側とか…
平野啓一郎原作で楽しみにしていた反面、監督が石井裕也ということでイヤな予感はあったわけだが、案の定、小説の表面だけを雑につまんで話を組み立てていて、設定や人物造形、テーマなどすべてがペラくてまとまっていない印象。これ、原作知らない人は理解できるのだろうか?
原作は、自由死(尊厳死)だけでなく、社会格差や労働問題、仮想空間、LGBTQ、在留外国人、コミュニケーションなどなど、平野らしい数々の社会問題の提起と視点を多層的に描きつつ、それに対する別方向からの考えも丁寧に提示している。また、タイトルの人の本心というテーマについては、主人公の一人称で語られる小説だからこそ成立しているともいえる。そんなわけで映画にするには繊細な演出が要求されるし、映画化の難度が高い文学作品だと思う。
本作は、本心と言いながら登場人物に自分のことや秘密をペラペラしゃべらせるし、エピソードやキャラを単純化したことで結局、朔也と三好の安易な恋愛オチにもっていってしまう。意味不明な部分も多々あって、小説と映画は別物とはいえ、映画化して何がやりたいのかよくわからない。せめて映画的演出が期待できればと思うのだが、各シーンに魅力がないのが致命的。妻夫木の会社もヘッドセットもVR世界も貧乏くさいし、リアルアバターはウーバーイーツだし、印象に残る画作りがまるでなくてツラい…。
唯一よかったのは三吉彩花! こっちの方がVF感あるパーフェクトな美人ぶりは彼女を主人公にしてほしかったぐらいなのだが、そもそも役名の時点で三吉が演じるのは当然という気も…。いろいろめちゃくちゃ言ったけど、石井監督の過去作を振り返れば社会問題を意識したいという意欲はあれど、正直それをまとめて訴えかけるだけの技量が監督には不足してるとあらためて思ってしまった(かなり上から)。
良い意味で予告と期待を上回る
AIとアバター
親子愛
サスペンス
だと思って見たらもっと重い内容だった。
自分を肯定できない、自分なんて、と思っている主人公が切ない。
貧富の差とかネタみののようなダークな内容も良かった。
全体的に気持ち悪さがありつつ、最後は急に泣けた。文字にするとあんな平凡なセリフなのに。
池松壮亮はよい役者。
唯一気になるのは、三吉彩花の名前。
もともと当て書きされたのか分からないけど、フルネームで同じ名前は気なってしょうがない。
2021年にこの小説が書かれた時は、非現実な近未来だったのか。2024年に観ると妙にリアルで怖い。
あり得る近未来
少し前にAppleVision Pro を体験し、バーチャルリアリティーのその「リアルさ」に驚愕していたのですが、この映画を見ると本当に近い将来VRを活用した様々なビジネスが出てきそうな気がいたします。
本作はタイトルが本心となっていて、映画の中で人間のリアルな気持ち、リアルな自分を見せることに苦心惨憺していたと思いますが、ストーリーが途中から急変換し、何が言いたいのかは少し伝わりにくい印象でした。お母様がなぜ自由死をされたのかもちょっとよくわかりませんでした。
主人公のセリフが結構棒読みに近いなぁと思って、もしかするとこの主人公がバーチャルリアリティーなのかと勘ぐったりもしましたが、まぁそういうことではありませんでしたね。
この世界観は好き。豪華俳優陣なのも良い。代行サービスが発展し、便利...
この世界観は好き。豪華俳優陣なのも良い。代行サービスが発展し、便利になったように見えるけど悪用される様を見るのは辛かった。
ただこの作品の本心がよくわからなかった。
母はなぜ死んだのか?母は何を伝えたかったのか?またまた息子の本心は?本読まんと理解できないかも
近い将来……?
VFを作ってまで、知りたかったはずの出来事が、途中から埋もれてしまった感は否めないです。
なんとしてでも作って、知りたかったものの、なんだか思ったモノと違って、煩わしくなり、距離を置く。そして、近くにいる人に気が向いていく。結局、コミュニケーションというか、距離感が難しいと、「本心」なんてさらけ出せないし、そもそも本心なんてあるようでない、周りに合わせてしまう僕ら……なのかな?って感じです。
三好さんからの視線に気づけば、ハッピーエンドになるのに、そんなに簡単に変われたら苦労しない……ということでしょうか。でも、伸ばした手を取ってくれたのが、そうでありたい…と願う結末でした。
本心を知るということ
平野啓一郎作品の映画化3本目に当たる。「マチネの終わりに」では、切ない大人の恋愛と人生の再生、「ある男」では、アイデンティティの探求と過去の秘密が描かれていたが、本作は、AI技術と人間の心がテーマになっている。これらの物語の根底には、「私」の根拠について思考する分人主義という彼独自の思想が流れている。分人主義とは、その時々の相手やコミュニティに合わせて変化するそれぞれの自分を分人と呼び、すべての分人が本当の自分であるという考えだ。
石井裕也監督作品というと、最近では、実際に起きた障害者殺傷事件をモチーフにした小説を映画化した「月」が有名だが、本作は、現代社会における弱者の生きづらさとそれに立ち向かう母子の絆を描いた「茜色に焼かれる」や喪失と再生と異文化交流をテーマにした「アジアの天使」の系譜に連なる。大上段に構えた社会問題告発作品ではなく、個人や家族という小さい単位から意識される社会を描き、深刻になることを恐れず、ユーモアと温かみは忘れないという作風が継承されている。
本作の舞台は、AI技術が進化した近未来、死の時期が自由に選択できる「自由死」が合法化されている。その「自由死」を望みながら、実際は事故で命を落とした母親を、青年は、生前のデータをAIに取り込み、仮想空間にその人間を作る技術であるヴァーチャル・フィギュア(VF)として再生し、その本心を探ろうとする。
この映画のタイトルである″本心″とは、本来は母親に向けられたはずのものであるが、AI技術を通じて再現された母親との関係を通じて、青年が自分自身の本当の感情やアイデンティティに向き合うことも意味している。
そもそも人間というのは本心を隠し持っているものである。だからこそ、覗いてみたいという欲求に駆られるのだが、知らないでそのままでいるということでも問題ない。知らなくてもよかったことを知ってしまったということだってよくある。この映画を観て、そんなことを思った。
人間に代わってください。
「人は心の中に様々な面を隠し持っている、違いますか」
その通りです。そして本心を隠して生きている。じゃないと人間関係は構築できないし、維持できない。お母さんの本心を知りたくてVFを作った主人公が本心を隠して、最後は偽った彼女との関係、本心をなくし、他人の言いなりになる仕事、本心とは別に祭りあげられて英雄、本心をぶつけられ、本心と異なった告白、「欠陥品」は本心に従って破滅し、成功者は本心に従って手に入れる、その辺りの対比がとても興味深った。
それにしても、池松壮亮さんと妻夫木聡さんそれに綾野剛さんが一つの画面に収まるという豪華さ٩( ᐛ )و
おもしろくはなかった
私が母親の言葉を代弁するなら、「あなたの幸せになれない人生を見守るのは、もう充分。こんな世界に産んでごめんね」
私にも未婚の子供がいて、正社員で働いているのに給料は安く、休日は疲れて結婚には消極的。
子供は欲しくないと言う。
今どき結婚が必ずしも幸せではないとしても、
親としては孫の顔が見たい。と言うのもハラスメントと言われる。
でも孫が幸せに生きられる保証も、今後ますます無くなるとしたら、
少子化で人類滅亡も仕方ないのか。
原作は読んでません。
希望が持てるエンタメを観たい。
煮え切らん
160本目。
煮え切らない感はある。
本心の意味は、こんな俺でも分からなくはない。
AIが進化したら、実際に起こり得る世界だと思うし、使う側と使われる側の二極化何てのも、そうだと思う。
でもこの映画の世界、進化したのは金持ちの世界だけで、街中での進化が見られない。
差別化を図る為かなあ?
カスハラ的なやり取り、暴力行為なんか、AIが進化してるんだったら、指示の段階、映像で学習するんだから、弾かれると思う。
原作知らないけど、脚色ならズレてるとは思ってしまう。
カスハラ対策は必要
工場で溶接工として働いていた石川朔也は、ある日、同居の母・秋子から、大切な話をしたい、と携帯に電話が有った。しかし、その日は飲みの予定があり早く直ぐ帰れず、飲み会が終わり帰宅してると、豪雨で水かさの増した川のそばに立っていた母を見つけた。危ないのでそばに行こうとしたが、母は川に流されたのか傘とともに姿が消えてしまった、川に流されたと思い、母を助けようと川に飛び込んだ朔也は救助されたが全身ケガを負い昏睡状態に陥った。1年後にようやく目を覚ました彼は、母が、自由死(自殺)を選択して他界したと警察から知らされた。勤務していた工場は溶接ロボットの普及により溶接工は不要となっていて朔也は職を失っていた。そこで、依頼主の指示通りに動くリアル・アバターという新たな仕事を始めた。ある日、仮想空間上に任意の人をつくるバーチャル・フィギュア(VF)の事を知った朔也は、母の自由死に至った本心を知るため、母のVFを作ってもらい、母の親友の三好が台風被害により避難所生活を送っている事を知り、母のVFと一緒に暮らすことになった。さてどうなる、という話。
リアル・アバターという職業が将来出来るかどうかはわからないが、ユーザー評価が絶対で、連絡もAIからっていうのは、従業員をバカにしたような、なんとも言い難い設定だなぁ、と思った。
カスハラ対策が全く出来ないのは疑問。
それに人殺しの強要とかありえないだろ、とも思った。
朔也役の池松壮亮は不遇の青年役を好演してたし、母役の田中裕子は相変わらずの存在感で素晴らしかった。三好役の三吉彩花は高身長でスタイル良くて美しいなぁって見てたら、シャワーのシーンで形の良い美しいバストも観れて得した気分。
その他、妻夫木聡、綾野剛、水上恒司、仲野太賀など、流石の俳優陣だった。
おそらく多くの観客が三吉彩花の残像と共に劇場を去る
予告編見てとても興味をもった本作。死んだ母をヴァーチャルフィギアで甦らせる。何が起こるか。
そんな設定のタイトルが『本心』。当然本心を探る話だと思う。ところがその予告編とはかなり違う展開が待ち受けていて面食らう。ただ面白くは観れる。原作は読んでないが、想像するに近未来の日本が活写されたとても面白い小説なのだろうと思う。ただそのストーリー展開上、割と前半畳んで勧めてる母親のところがそんなに乗れず、逆に三吉彩花が抜群にいいので観ていられる。ただし、おい、母の本心は、と思うとそれはそれで回収はされるが大回収とはいかない。観客の心は三吉彩花に移ってしまっているから。
ただ三吉彩花との関係性の話も(似てる似てない含めて)よくわからないフックで、ただし、三吉彩花が魅力的なので目が追っかけてしまって全体は締まらない。
なので田中裕子さんの母の秘密を知って涙しようという準備で来るとよくわからないことになるというのがみんなの本心かと思う
2時間映画の限界を感じた
この作品に限らず、約2時間という制約で表現するには限界がありますね。
ほんとはドラマで1クールぐらいでやるべき内容を無理やり詰め込むとこうなる。
途中母親AIがしばらく出なくなりますが、最後の最後に大急ぎで出てきてどうでも良いオチを言って終わり。
というか原作あったんですね。原作はちゃんと長いでしょうから映画にするとダメになるってことかな。
詰込過ぎ
はっきり言って詰め込み過ぎです。何が言いたいのかわからず、主人公も途中から金持ちになっていき句読点のまるっきりない映画で、だから何と言わざるを得ない映画でした。俳優さんは池松さん、中野さんという素晴らしく演技に長けている方を使っていながら宝の持ち腐れに終わっています。TVで見ればいい作品です。
リアル感ある近未来?
映画の中では、高齢者や病気の人が「自由死」を選べるという法律があるようです。そして母親を自由死で失った主人公が取った行動がちょっと恐い。
テーマはアナログなのに近未来なので、科学を駆使して人間が人間を作ってしまうという、リアルでも本当にそのうちありそうな設定。この領域は未来でも踏みこんではダメな気がします。
他にもアバターとか仮想空間とか、現在もあるモノがもっと身近にある世界感。でもテーマが何個かあって、近未来の世界観に疑問を感じながらも最後まで楽しめました。
ラストは、あれ?もしかして?と想像しちゃいます。
好みは分かれそうですが私は観て良かったです。
自分だけの気持ち
遠くない未来にこうゆうバーチャルの世界が今よりも普通になりそうですね。
それぞれの本心…
自分しか分からない本心を出した方がいいのか悪いのか人間だから感情が邪魔するし複雑ですよね。
今よく耳にする犯罪がもっとエスカレートしていくような不安も持ちました…。
人の本心を知った方がいいのか知らない方がいいのか…
答えは出ませんね(笑)
母が子を愛する気持ちはみんな一緒ですね。
私の母は3年前に亡くなってますが遺品整理をした時から今も知らなかった事がたくさんで「そうだったんだ⁈」と初めて知る事多いです。
まだ母の日記は読めてないんですがきっと故人が日記を残すってことはその時の気持ちを知って欲しいからなのかなぁ〜と読む勇気が出ました。
もしもこの映画のようにVFが可能なら私も母に会って聞きたい事だらけです(笑)
そしてケンカしないで仲良く優しくしたいです!
エンドロールで窪田正孝さんの名前を見てびっくりしました。
分からなくて他の方のレビューを拝見して「あ〜!」と思ったのですが…よく分からずしまいです(笑)
大切な人の本心は知ろうとせず‼️❓感じるべきかもしれません‼️❓
最後に池松壮亮に手を添えたのは過去を持つ彼女でしょうか。それが本心だと。池松壮亮は原作に惚れ込み、企画して、映画となる、だからいつも以上に憑依しています、それだけで鑑賞の価値ありです。母をAIで再生して、VRで交流する、AIでアツプデートして、本心にたどり着く、いつも感じていたはずなのに、それで気づくのですね、でも、入力した人の想いは、そのデータで、本心かどうか左右される、あくまでも関わる人に結末は左右されるんですね。
何か、モヤモヤして、わかりにくい展開ですが、原作読んで確かめてみたい気がします。
何か大切なことが含まれているはず、池松壮亮が惚れ込んだのだから。
本心は、本人にもわからないこともあります、AIは使いようかもしれません。
大切な人の本心は知ろうとせず、感じるべきかもしれません、AIや VRと人が関わるために、是非。
全113件中、61~80件目を表示