本心のレビュー・感想・評価
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原作が読みたい
平野啓一郎原作の映画化。
結構たくさんの要素がてんこ盛りで
映画で全てを飲み込むのは、なかなか。
’
舞台は近未来。
AIで亡くなった母親を蘇らせる。
自殺は申告制で国家の許可を得たもの
だけが許される、「自由死」という制度。
前科があるものは、リアルアバターという
職にしかつけない、これは依頼主の代わりに
何でもしなければならないという過酷なもの。
貧富の差も激しく、貧しいものは、
あっち側の人間にはなれない。
でも愛だけはせめてと、スクリーンに願う。
果たして結末は……。
’
むかーしの角川映画のコピーにあったけど、
これは読んでから観るほうがいいかなって、
古っ。
’
難解
太賀目当てで観に行ったが、出てきたのは後半から。
登場した瞬間「ゆとり」の嫌なパワハラ後輩かと思った。笑
そんなに嫌なやつではなかった…か。
うーん、近未来の話なのか、ホラーなのか、どう展開するのかわからないままで、難解だった。
一番嫌だったのはコインランドリーのシーン。
なんでV Fがそんなに虐げられるのか、世の中のシステムがわからない。
どこから格差社会になったのか?
前科者と関係あり?
最近観た映画の予告で気になってチェックしてたので、観に行ったが、想定していたのと違った。
詰め込み過ぎず、もっとシンプルの方が良かったのに。
自由死、仮想世界、仮想人形?、人工知能…現代社会を覆す恐怖を描きたかった?
窪田正孝、どこにいた?
岸谷の言う「中国へ帰ろう!」はどゆこと?
野間口徹は出てません。眼福のシャワーシーンは脱がされ損?
近年の、アメリカのアカデミー賞作品の、「エブエブ」や、「パラサイト」を連想させる、豪華なナンデモアリ作品。
有名俳優が揃っているものの、なんだか解らないという、良さげなホテルのバイキングディナーのようでした。
三吉彩花さんのシャワーシーンは、眼福でしたが、あのタイミングで必要だったとは思えませんでした。(ガスが止まっている→冷シャワーは「汗臭い」レビューの段階くらいで、理解できたので)
原作の内容を知りませんが、AIの暴走や、クライアントの意向での殺し合いは、そういうこと自体を、AIが防いでいるのでは?と思ってしまい、設定のゆるさを感じました。
出演されていませんが、野間口徹さんを想像した人も多いのでは(笑)
何を見せたいかもう少し整理してほしい
原作読んでいませんが、映画に関しては何を見せたいのかわかりにくい。
自由死を選んだことになっている母が、自殺だったのか事故だったのか知りたいのと、聞けなかった「大事な話」は何だったのかを知りたいがために、大金をはたいて母のVFを作った朔也の気持ちはわかるが、でどうだったのか、よくわからない。
言いたいことは、「お前を愛している」だった?
朔也の母は、猫を探して川に飲まれた事故だったということでしょうか。
猫のVF作ればそれがはっきりしたかも
三好彩花が何か重要な鍵を握っているのかと思ったらただ顔と境遇が朔也の運命を変えた女の子と似ているだけだった。
新しい概念に関しては興味深く想像も膨らむが、登場人物に関してあまり関心がわいてこない。急激に変化した社会に戸惑って右往左往している人たちを目で追っているだけだったような。
超近未来SFホラーなのかと思ったが、ホラーではなかったようです。
AIが社会の担い手となって短期間で急速に貧富の格差が拡大しており、AIを味方につけた野崎やイフィーのような人たちは桁外れの富としてその恩恵を受ける反面、AIに職を奪われた人々は貧しさに喘ぐしかない。社会的勝者は底辺の人々を気まぐれで踏みにじりやりたい放題。暗くて絶望的で、一世紀くらい前の時代に逆行したよう。
朔也の弟分の岸谷のどうしようもないやりきれなさがリアルな感じ。
二人の絡みに、岸谷が朔也に悪さしないかひやひやしたが、脅しても凄んでも岸谷は朔也を決して貶めないので、彼が朔也に甘えているのだとわかる。依存していて、可哀想な気もしてくる。
野崎やイフィーも、いつまでそこに君臨していられるかわからない。
AIは、時代の流れを急速に変えていくものだと思う。
「自由死」は「安楽死」を言い換えただけのようで、政府にありがちと思った。国民から大反対を食らった「売上税」を「消費税」と改名して通したみたいな、「安楽死法案」で長い事物議を醸したが、「自由死」と言って別物のようにして法案を通したんだろうなと思えて妙にリアリティありました。
リアルアバターは、生まれて間もなく急速に普及した職業らしく、今のところ何でもありだが、近々にリアルアバターを使った犯罪行為が社会問題になり「公序良俗に反する依頼は受けない、あったら通報する」くらいの業者の自主規制はできるだろうし、アバターへの依頼の中身も、依頼者からのアバターへの命令回数で工数計算になり、前払いの規定回数以上の命令をしたら中止か追加料金が払われるまで命令遂行中断、かつ待っている間の時給発生とか、実行不可能な命令は判明した時点でAIが強制的に中止、料金没収とか、細かい規定ができそう。ログを保存すればできるし、労働者保護というより、オーナーが損しないように。実施は翌年くらいですかね。高級ホテルとかレストランとかで、リアルアバターお断り、も出てきそう。
学習機能を持つAIが、人と接することで学習を繰り返し、「心」のようなものを獲得するというのは説得力がある。でも、人が数十年かけて獲得してきたものにはやはり及ばないだろうし、人は気まぐれで矛盾しているのが普通なので、いくらAIが学習してもその人に成り代わることはできないでしょう。VF使うならそれを理解したうえで、が正しい使い方なのは承知でも、いつの間にかそのVFが本人そのもので、思ったことが「本心」と思い込んでしまいそう。
そもそも「本心」の範囲はどこまでなのか
人であれば、ここは本音を言ったが、ここではそうではないことは無数に、普通にある。
それは必ずしも悪いことではない。
例えば、相手への思いやりからくる「優しい嘘」や、墓場まで持っていく類の話は、その部分で本心をさらけ出したら台無しになる。朔也の母も、思いやりから明らさまにしなかった事実があり、隠していた事自体が母の人となりの一端でもあるのだ。
この映画の生きている人間は他人に本心を見せていない部分がほとんどだが、ところどころ出すことがある。イフィーの告白は本心だろう。
彩花は多分、朔也の自分に対する本心を見抜いていただろう。
ラストで手を差し伸べたのは彼女ですよね。
言わなくても、裏腹な態度を取られても、奥底にある本心がわかる。
AIにはできない芸当だ。
人同士でしか持ち得ない、信頼と呼ぶものだと思う。
こっち側とむこう側、本心と偽心、自分と他人
デジタル化社会の功罪を鋭く描写したヒューマンミステリー。
「本心」です。とても怖く感じた映画でした。
描かれた世界はすぐそこまできていて、いや、もうすでに現実と仮想が混在している中にいる感覚。
見えるもの聞こえるものが現実とはいえない世界は恐怖だ。人の心も同じ。本心は決して表には出てこないから。
だから、触れるという最も直接的な行為で得た感覚が心に響くのではないかなと思う。
(それもいずれ仮想生成されるはず)
本当にこの映画で描かれる世界は望まれているのかなぁ?少なくとも私の生きる世界では要らないかなと思ってます。
結局本心なんてわからず、感じたままでよい
変な話でとても楽しめた。AIで母親を再現できる技術があるのに、あのちんけなヴァーチャル空間は何?って笑える。
好き嫌いがわかれそうな映画ですが、暗い話にならなくて良かった。
やはりこの監督の映画は好きだ。
三吉彩花が脱いでいる。
本心はひとつ
出だしから飛躍し過ぎて1年の昏睡から突然目覚める設定から怪しさ満載。デジタル化のスピードが速いとはいえ浦島太郎になるほどではないように思う。
母の本心が知りたいというテーマは途中から消えたように薄まっていきリアルアバターって人力に逆戻り?
救いようのない展開に最後僅かな光が差し込んだようでホッとひと息?
何とも言えない作品でした。
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見える本心と見えない本心
近未来のSF設定だからこそ、
VFをつかっての
亡き母の本心を知りたい主人公朔也(池松壮亮)の疑問に
向かいあえるストーリにできたと思いました。
朔也は嘘がつけない目をしているとのくだりがありますが
ここが非常に重要なんだなと後半にあらためて
気づかされました。
てっきり朔也は、
三吉彩花演じる三好彩花のことが好きなんだろな
と思いきや、違った!ここはマジで肩透かしでしたが
朔也はちゃんと本心で向かい合ってるんだなと
感銘を受けましたね。
まあ、やはりラストのお母さんの大切な話。
生まれてくれてよかった
愛してる
は、朔也も私もグッときました。
それにしても池松壮亮の演技の幅は広くて驚きます。
ベイビーわるきゅーれとは全然違った演技でした(笑)
ありそうな未来
ありそうな未来で描かれるありそうなそれぞれの人物の葛藤。近未来の設定を借りているけど、平野啓一郎らしいテーマですね。
冒頭から、何かが消えるシーンが連続しますが、ラストは何かを得るシーンで終わり、救われる感じ。
よい映画でした。
水上くんが演じた「岸本」のキャラ設定が、いまひとつ類型的だったのが少し残念かなぁ。水上くんの演技は素晴らしかったのですが。。。
近未来 そこは成功 そして テンポも展開も良い👍 佳作 ただしパンチにかけるのが玉に瑕
平野啓一郎さんの小説を 事実上 池松壮亮の発案で映画化
原作2040から映画は2025近未来へ
1年後だから このヴァーチャル世界 労働は まだ無理だと思うけど
🔟10年後は 普及してるかもな❓ と思わせたから そこそこ面白かった
中国 韓国では一部実現と 有料🈶パンフにあった。
有料🈶パンフは文字との格闘がない 普通に気軽に読める まとまっている 合格点
コラム インタビュー 等のバランスが良い 薄いけど 厚すぎて 読む気の失せるパンフよりは良い。
役者は今が旬の強者ぞろい
ただ 俺的に エンドロールで突然出てきた 窪田正孝さんは どこ❓
『先生の白い嘘』に出てた 三吉彩花 さんは メジャー入りか❓ 一文字違いの役 当て書き❓
なんか水上恒司さん 綾野剛さんは イメージと違い 泥臭く好演
テクノロジー進歩の功罪
他の近未来映画より 堅実で ペース配分も良い好作品
あっ ホームページ 超短編漫画 たくさん載ってたから是非どうぞ
でもAI に振り回されるのではなく AI を振り回そうよと正直思った。
確かに 俺も 料金が適切なら 死んだお袋に会いたいよ❗️
ただ ・の告白 プロ・・・ は本人がやらないととは思った❗️気持ちは本人が・・不格好でも良いじゃないか❓
近未来で考えさせられて良かったです。
ただし 個人的にパンチを欠いた。皆さん是非‼️
三吉彩花ちゃん
が攻めてますね。先生のときもそうだけど、この人が脱ぐのは眼福です。子役から推しなので複雑なものはありますが、ファッションモデルで本人は裸は気にかけないと思われるので良しです。ヒロインとしてとても良かったと思います。
登場人物が揃って機械的で人間味に欠け、魅力を感じない。
本作では、機械の、いや文明の進化の軍門に降った、愚かな人間の群像劇が展開されていく。
持つ者と持たざる者の二極化した世界で後者は何とかして前者になろうとするが、結局、前者も後者も機械の軍門に降り、そのことに対して抗うことすらしない、人間味を捨て去り同化しようとしている。
ただただ全く無味乾燥な人間の葬列を観た気がする。要するにこの映画は人間味にかけるため、個人的には魅力を感じない。
石井裕也は常に魅力的な人間的弱者を画いてきて、そのことに共感してきたが、本作は人間の心の弱さより物質的弱さが目立つため、いつもの彼らしさを感じなかったのかもしれない。
次回作に期待したい。
こんな晴れた日に観たい映画じゃなかった
楽しみにしすぎた母と息子の優しい話になるのかと思いきや…リアル暗い未来闇バイト格差 怒鳴られる清掃員はLGBT 映画館を出る時高齢のご婦人2人が拍手していた
きっと貴女達は逃げ切れたんでしょうね
自由死制度賛成です。
自殺する前に母親が話そうとしていた「大切な話」が何かを知りたくて、AIアバターを作った男の話。
2025年8月、なぜか朝方弁当を作った母親のことが気になりつつも、大切な話しを聞くのを先送りにした男が、友人と飲みに出かけた帰り道、豪雨で増水した川に母親が流されたのを見たと同時に事故に遭い、川に落ちて意識を無くして約1年後、母親は「自由死」の認可を受けており自殺だったと知らされて巻き起こっていく…って、あらすじ紹介の内容が誤っているので敢えてしっかり書きましたw
歳は離れているけれど、母親の唯一の友人三吉彩花じゃなくって三好彩花の持つ母親の情報も織り込んで作られたVFに大切な話しを聞いても…それになぜ自由死を?となって行く。
VFが成長して持っている情報から母親の思考を形成して行くのはなかなか良いけれど、成長過程とは言えなかなかお口の軽いこと。
まあ、それによってドラマが為される訳だけれど。
前歴じゃなくて前科ですか?朔也は単に不快な言動が嫌いな人?等々モヤッとしたものはあったし、落とし方の割りに母子以外の話しに持って行き過ぎな感もあったけれど、なかなか面白かった。
このラストシーンは?!
仕事の収録が終わり、久しぶりにレイトショーを観てリフレッシュ
「本心」
原作:
テーマは、「最愛の人の他者性」です。
愛と分人主義の物語であり、その最先端です。
平野啓一郎
正直、小説を映画で再現するのは難しいという印象…
映画では、VF(virtual figure)を通して亡くなった最愛の母との再会を果たす異質感のあるシーン(流石の田中裕子)や、リアルアバターで奔走する主人公の汗臭さ、母の別の顔を知り、突然同居することになった女性の何とも切ない美しさが、映像で満喫できます。
意味深のラストシーンはまだ解釈出来ていません…
心の義肢 ヴァーチャルとリアルの操り人形たち
人が腕や足を失えば義手や義足でその欠損を補うように、心に欠損が生じた時その心の穴を埋めるために何で埋めるのだろうか。
仮想空間上に作られたVF(ヴァーチャルフィギュア)は家族や最愛の人を失った人間がその心の欠損を補うために作られた心の義肢といえるのかもしれない。
本来なら人は愛するものを失えばじっくりと時間をかけてでもそれを自分なりに納得するなりして受け入れていくしかない。
主人公の朔也は目の前で母を亡くし自身も事故に遭い、昏睡状態から目覚めたとき社会は革新的に技術が進んでいて、仮想空間上に母をVFとして甦らせる。最後の日に母が話したかった大切な話とは何だったのか、自由死を選んだ理由を話そうとしていたのではないか。朔也はどうしてももう一度母と会って確かめたかった。彼の中では母の死をいまだに受け入れられずにいた。
しかしVFはその人間に対する周囲の人間の記憶をもとに形成されるAIプログラムであり、いわばつぎはぎの虚像でしかない。あくまで他人を通して現れる自己存在であり、VFに期待通りのリアクションを求めることはできてもそれはうわべだけの反射的反応でしかなく、VFにオリジナルの心が宿ることはない。
また、その人間が生きてる間に他人に対して見せたこともない一面についてもVFに現れることもないから朔也が生前の母の本心をいくら探ろうとしてもそれには限界がある。
母は自由死について誰にも相談しなかったから。朔也もそれはわかっていたはずだが、母の死を受け入れるためにはVFを作るしかなかったんだろう。自分の心の穴を埋めるために。
優等性だった朔也は教師への暴行事件で人生を踏み外し、まともな職には就けなかった。腐れ縁の岸谷から紹介されたRA(リアルアバター)なる仕事の個人事業主として何とか生計を立てていたが、自分の意思は無視され理不尽な要求も求められる。ユーザーの思い通りの動作が要求される文字通り操り人形ような仕事だった。
思えばVFも同じである。相手が求める自分へのイメージ通りにリアクションが要求されるという点ではVFもRAも同じ操り人形だと言えるかもしれない。
母のVFの精度を上げるために母の同僚だった三吉彩花演ずる三好彩花と同居するうちに朔也は彼女に好意を抱くようになる。しかし彼が彩花に本心をさらけ出すことはない。
自分はふがいない人間だ、母の死も自分に原因があったのではないか。レイシストを懲らしめた動画が拡散して英雄のイメージがついてしまったが自分はけして英雄ではない。学生時代の初恋の相手を侮辱した教師の姿が被ったために暴行しただけのことだった。
そうだ、自分を認めていないのは自分自身だった。彼は今も過去の事件を引きずっている、まともな人生を生きれないのも自分で自分を貶めていたからにすぎない。
思いを寄せる彩花に自分の気持ちに反してアバターとして他人のために告白するなど、究極の自己否定でしかなかった。自己を肯定できない彼にはこのアバターの身が似合っていたのかもしれない。
彩花と別れVFの母とも別れを告げようとした朔也、そんな彼にVFは話したかった大切な話を打ち明ける。
息子のお前を生んでよかった。今の自分は幸せだと。この幸せの絶頂期に逝くなら本望だと。
それは朔也がVFに言わせた言葉だったのかもしれない。彼が求めた母の本心として。しかしその母の言葉を聞いた朔也は、それが母の本心だと思うことでやっと自分を認めることができたのだ。前にも冗談交じりに話していた母のその言葉こそが母の本心だと朔也には思えた。母が死んだのはけして自分のせいではない、もういい加減自分を認めてやるべきだ。彼はVFの言葉でやっと過去の呪縛から逃れることができたのだろう。
母の姿をした虚像から本心を聞き出すのは空を掴むようなものだった。まさに空を掴もうとさまよう朔也の手にもう一つの手がそっとやさしく寄り添う。
母を失った心の穴を埋め、自分をやっと認めることができた朔也。彼の真の人生を歩みだした瞬間だった。
人間存在への哲学的な問いかけ、また現代の格差社会における若者たちの受難、高齢化社会における安楽死などの社会的な問題も浮き彫りにさせた、この監督らしい作品であった。
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