「ひとつひとつの要素が面白そうなだけに残念」本心 にくじゃがさんの映画レビュー(感想・評価)
ひとつひとつの要素が面白そうなだけに残念
クリックして本文を読む
予告を見て、母がなぜ自死を選んだのか、母をAIで再現し、その本心を探す映画なのだと思っていた。しかし、最後まで観てみると「母の本心を探す」という目的はどこへやら、どうにもとっ散らかった映画のように感じた。「自由死」、「VF」、「リアルアバター」、色々と面白いSF要素が沢山出てきたし、恋愛要素・アングラ要素?などもあったがどれもどうも中途半端で、勿体ない。
『PLAN75』や『Arc』のように、ありえそうなSFを描く話は比較的好きなんだが、この作品は久々にはっきりとつまらないなと思った映画だった。
母(VF)の話す「大事な話」も、野崎が冒頭に話した2面性を感じさせるようなものでも無かったし、散りばめられたテーマが面白そうなだけに本当に残念だった。
あと、「ミヨシアヤカ」を三吉彩花が演じてるので、これは原作のときからこの名前なのか、何か意味があるのか変に勘ぐってしまって、それも少し嫌だった。
最後、VFの母と突如別れを告げようとするのはミヨシが去り、日常がすべて嫌になってしまったからのようにも見えるが、「VF」が大きな事件の首謀者になり存在が社会問題になってしまったということもその原因なのだろう。もっと「VF」を主軸に描いたら面白い作品になりそうだったのになぁ。本当に本当に残念だ。
コメントする