「本当に心優しい物語」本日公休 白波さんの映画レビュー(感想・評価)
本当に心優しい物語
採点4.3
最初から最後まで、優しさに溢れたような作品。
子供達、常連客、元娘婿、恩人、そして亡き夫。
全ての人たちとの繋がりや、その想いがゆっくりと描かれていました。
そして何より、素朴ですがその画が実に美しいんです。
元々この作品、劇場で目にしたキービジュの美しさに惹かれたんですね。
実際に目にしたその映像は本当にきれいでした。
光もですが、色の入れ方が実に考えられているんですよ。
際立ってルー・シャオフェン扮するアールイが、スクリーンの中でとても良い差し色になってるんです。
まぁ派手な色や柄の服ばかりなんですが、背景や風景に他の役者と一緒になると、何ともバランスの良い色使いになっているんですよ。
だから至るシーンが一枚の写真のようでした。
また、ところどころ差し込んでくる猫も、とても良いアクセントになってました。
出てくるとホッとするんですよね。
またルー・シャオフェンの芝居も、静かなのにすごい存在感でした。
彼女は初めて目にしたのですが、これが25年ぶりの芝居だというから驚きです。
元娘婿役のフー・モンボーも穏やかな芝居がすごい合っていました。
それと驚いたのが農地で巡り合う世捨て人。髪切ったら「あれ?」ってなったのですが、チェン・ボーリンでびっくりでしたよ。今でも「藍色夏恋」の頃の面影がありますね。
物語に沿った主題歌も良かったです。
ラストのカットまで美しく、本当に心優しい物語でした。
素晴らしかったです。
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