「No Way Up」エア・ロック 海底緊急避難所 ブレミンさんの映画レビュー(感想・評価)
No Way Up
海底の危機を描くの大好きな制作チームの最新作、そしてしっかりサメも登場してくれるのは観にいく事がお布施だからそりゃ当然鑑賞。デカスクリーンでいかせてもらいました。
安心安全でクオリティの高い海底パニックものになっており楽しませてもらいました。
序盤から不穏な雰囲気や死亡フラグの乱立など、お膳立て十分な状況から始まってくれて、スムーズに飛行機の中まで入ってくれる最低限のあらすじと登場人物紹介を済ませてくれるのもパニックもの特有のダラダラが無くて好印象でした。
空中パニックのシーンにまずハラハラさせてもらいました。
バードストライクによってエンジンの破損からの壁がバリバリ剥がれてオープンになってからの乗客が生身のままポンポン飛ばされて行き、座席にしがみついていたかと思いきや座席ごと吹っ飛ばされて、乗務員が助けに行ったら一緒に手を取り合って空に放たれてなどなど、もう即死だわという絶望感をハイスピードで見せてくれるもんですから、お股がヒュンってなりながらも素晴らしい映像を見せてくれてワクワクが止まりませんでした。
この空中の映像をもっと観ていたかったくらいです。
格安の航空機だからなのか乗務員に問題があるせいなのか、CAが酸素ボンベの注入をしていなくてピンチだったり、バードストライクが起こってもジョークを飛ばす中々にクレイジーな機長だったりと、そっちの視点も欲しかったなーってくらいには航空に携わる人間のポンコツさが目立っていました。
登場人物がそこまで多くない割には退場のさせ方が雑だったのは惜しいなと思いました。
ボディガードなんか頼もしさの塊なのにあっさりサメに襲われてしまって離脱しますし、祖父は空中分解の時点でおそらくアウト、主人公の彼氏?はふざけてしまったタイミングにサメに足をパクりんちょされて出血多量で死んで、序盤から死亡フラグ立てまくってたおちゃらけボーイは生き残るのかと思いきや怯えてしまったがためにサメにガブガブ、祖母は祖父と共にというのもあってエアロックの中で死亡という事もあり、派手なところでの死が序盤に集まったせいか、主要人物の死がササっと描かれてしまったのは勿体なかったです。
その割には乗務員は貨物室の案内だったり、酸素ボンベの場所だったりを教える程度の活躍だったのに最後まで生き残っていてなんだかなーとは思いました。
逃走中でミッションしてない人が逃走成功してしまったみたいな気分でした。
今作のサメは特別出演くらいの扱いなので、特別出番は多くないですが、大事な場面でしっかり襲撃してくれますし、丸ごとではなく部位部位を噛みちぎって身体的にも精神的にもダメージを与えてくれるタイプのサメで、潜んで油断しきったところを襲うなんていう頭のいい面も持ち合わせていて、ここ近年のサメ映画の中でも知能はトップクラスじゃないかなと思いました。
ラストの脱出はさすがに無理があるだろうと笑いながら観ていました。
結構な海底にいたはずなのに全力で泳いで、途中止まったりなんかして、それでいて息が持つというどえらいもんを観せられましたが、そうでないと物語も綺麗に閉まらんししょうがないかなと思いました。
着地こそ無難でしたが、しっかりとまとまった海底パニックものでしたし、サメの襲撃も堪能できましたしでとても満足できました。
この制作チームはやっぱ信頼の塊ですので来年あたりにまた1本作って欲しいな〜と思いました🦈
鑑賞日 8/19
鑑賞時間 9:25〜11:10
座席 L-19