「それは罰なのか?」劇場版ドクターX 川喜多わか子さんの映画レビュー(感想・評価)
それは罰なのか?
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弟の仇である神原晶を見殺しにして復讐を果たしたつもりの兄も復讐され命を落として復讐劇完了では話しにならない、神原晶は自らの心臓でけりをつける訳だが、何よりも弟の仇であると憎み続け復讐に見殺しにして脳死状態に至らしめた神原晶の心臓と弟の肝臓と腕と、そんなフランケンシュタインのような体で生きることが一番の罰のように思えた、あの体で生き続けることは死刑より辛い罰のように思った。
そして人工心臓で眠らされ続ける神原晶もなんの罰を受けているのだろうか?とも思った。
医療通り越した倫理観を問われたようなラストに考えさせられた。
西田敏行さんの小さくなった背中、それでも衰えぬ声に役者魂をみたと同時に、満身創痍という言葉が思い出された。
生まれた者には否応なく平等にある死を愛する人の死を、どこまで人は左右する力を持つのだろうと思った。
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