劇場公開日 2024年12月6日

「劇場版に足る」劇場版ドクターX N.riverさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0劇場版に足る

2024年12月18日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

笑える

興奮

テレビドラマの映画版は、たいてい不発気味という印象が強い。
唯一、初見時、ちゃんと映画していたという印象を持てたのは「踊る大走査線」の1作目だけだろう。
が、そこにこの作品が加わった。

演出、見せ方に、無視できないテレビシリーズならではの難はあれど、
中身は想定外の危機と人間関係とミチコの過去でシリアスにガッチリ固められており、
ハラハラと一体どうする、どうなる、の葛藤が中だるみすることなく最後まであっという間に楽しめた。
主人公がしっかり自ら困難を乗り越えてゆく、
まれにみる本物のヒーロー、ヒロインが存在する作品であり、主役(座長)の存在する映画だったと思う。

気になる点は幾つかあったが、途中からブラックジャックすら連想させる展開に、これはファンタジーなんだと思えばすっ飛ばしてもいいかと思えたし、すっ飛ばせるほどに演者もよかった。
これで終わりというのが惜しい。

中でもミチコのルーツを本人に語らせるのではなく、第三者の目線でなぞってゆく展開は見る者に色々想像する余地をあたえ、よりリアリティが増してうまい見せ方だと思った。
居酒屋で帝都大の校歌を熱唱する西田さんらのシーンに、ちょっと涙腺が緩む。

N.river