劇場公開日 2024年10月11日

2度目のはなればなれのレビュー・感想・評価

全96件中、1~20件目を表示

4.070年抱え続けた心の傷と向き合う旅

2024年10月13日
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鑑賞方法:映画館
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ニコ

3.5老夫婦の歴史を一瞬にして体現してしまう名優の凄み

2024年10月17日
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泣ける

老人ホームで暮らす老夫婦が、残された時間を互いに助け合いながら過ごしている。演じるのはマイケル・ケインとグレンダ・ジャクソン。夫婦で過ごした時間の長さを、一瞬にして体現してしまう名優の凄みに驚かされるし、2人ともとことん枯れ果てているのに、いつもひとかけらのユーモアを絶やさないのはさすがだ。2人の深い関係性は、夫がノルマンディー上陸作戦の記念式典に出席するため施設を飛び出したことで、さらに細部が加筆されていく。夫の行動には、戦争に加担してしまった人間の後悔が動機としてあり、そこが、この物語に深みを与えている。

まるで、一筆書きのように流暢に、そして、端的に綴られるストーリーは、実話を基にしているという。しかし、本作の場合、映画のためのあらゆる脚色よりも、ケインとジャクソンの行間を掬い取るような名演によって、凡庸なドラマに帰結することを免れている。特に、1960年代のスウィンギング・ロンドンを代表する人気俳優として活躍したケインと、『恋する女たち』('69年)以来、演技派の名前を欲しいままにしたジャクソンを知っている世代にとっては、2人が細くなった背中を寄せ合っている姿を見るだけで泣けてくるはず。

ケインはこれで俳優引退を表明し、ジャクソンは映画が完成した直後、2023年6月15日に帰らぬ人となった。

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清藤秀人

4.0しっかりとした芯のある人間ドラマ

2024年10月10日
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鑑賞方法:試写会

大戦を生き抜いた高齢の主人公が海辺のケア付き住居から抜け出しフランスで行われるDデイ記念式典を目指す。それだけですでに魅力的なストーリーだが、主演がマイケル・ケインであるがゆえにユーモアや温もりだけでない確かな深い味わいが染み渡る。特に心揺さぶるのは現在と過去の紡ぎ方だ。メインとなる夫婦(ケイン&故ジャクソン)の日々の穏やかな暮らしや主人公が旅先で出会う人々との交流が丁寧に描かれる一方、そこに各々の経験してきた戦争の記憶が繊細に添えられ、これまで口に出来なかった思いがじわりと浮き彫りになっていく。その奇をてらうことのない縦軸、横軸の絡み合いが胸を軋ませてやまず、とあるパブでの一幕、そこからの静かなる展開が私には本当にたまらなかった。かと思えば、いたずらに誰かを英雄視する行為に対しケインが放つ言葉も忘れ難い印象を残す。これぞケイン。彼だからこそ表現しえた芯のある生き様のドラマがここにはある。

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牛津厚信

4.0マイケル・ケインとグレンダ・ジャクソン。老優二人の魂の演技に、ただただ平伏するのみ。

2025年1月6日
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鑑賞方法:映画館

主人公カップルが、90歳近い年齢であるということ。
出演者自身、概ねその年齢に達しているということ。
それだけで、ある種の「サスペンス」が全編で維持されることに、観ながら気づいた。
なんといっても、彼らはいつなんどきお迎えが来ても、本当におかしくない年齢なのだから。

次のシーンで、突然、倒れるかもしれない。
ふとしたことで何が起きてもおかしくない。
暖かで、穏やかで、優しい愛と冒険の物語に、
そんな漠然としたサスペンスが常につきまとう。
彼らのドラマは、ドラマツルギー通りに終わるとは限らない。
ある時、唐突に打ち切られて終わってしまうかもしれない。
いや、現実なら、終わって当然の時期を描いた物語なのだ。

観終わって、家に帰ってから、
妻レネ役のグレンダ・ジャクソンが、映画の公開を待たず、
実際にこの世を去っていたことを知り、愕然とする。
「私に残されている時間はそんなに長くない」
あの劇中のセリフは、なんのことはない、
「グレンダ・ジャクソンにとっての現実」だったのだ。

そして、改めて気づく。
この映画自体、まかり間違えば、撮り切れないで終わったかもしれない可能性があった。
80代後半~90代の俳優を使うということは、そういうリスクすら秘めているわけだ。

現在、齢91歳のマイケル・ケインの引退作。
齢87歳で逝去したグレンダ・ジャクソンの遺作。
これは、偉大なる二人の俳優が遺した、
最後の演技であり、最後の記録である。
ただの劇映画ではない。
俳優自身の人生の終末期を生々しくフィルムに刻印した、二人の魂の記録でもある。
僕たちは心して、居住まいを正して、この宝物のような映画を観なければならない。

― ― ― ―

お正月、今年の一本目。
下高井戸で再映してくれて、本当によかった。
見逃していたが、もともと観たいと思っていた映画だった。
僕としては本当に珍しく、劇場のロビーでかかっていた予告編を観て「これは観たい」と思わされた映画だった。
マイケル・ケインの表情にやられた。
マイケル・ケインの声にやられた。
マイケル・ケインの涙にやられた。
予告編だけで、ちょっとうるっときてしまった。
そういうことだ。

僕は昔から、マイケル・ケインが大好きだった。
名優でありながら、奇天烈な映画や、癖の強い役にも、選り好んで出る、変な俳優。
最初に知ったのは、傑作ミステリ映画『探偵スルース』だったか。
ハリー・パーマーもののスパイ映画(レン・デイトン原作)も良かったが、個人的には『殺しのドレス』や『デス・トラップ 死の罠』『ペテン師とサギ師/だまされてリビエラ』のようなミステリ色の強い映画で熱演しているケインにしごく愛着がある。『迷探偵シャーロック・ホームズ/最後の冒険』でのアル中でアホでマヌケのホームズ役(ホームズは真の探偵役であるベン・キングズレー演じるワトソンが雇った「役者」という設定)もとても面白かった。リメイク版の『探偵スルース』での作家役も良かった(映画はイマイチだったが)。もちろん、サイテー映画として名高い『スウォーム』や『アイランド』に出ている時だって、マイケル・ケイン自身は全く手を抜いたりしない。
Z級からA級まで、なんでもオファーがあったら出る、最強の性格俳優。
そんな彼が「これが最後」と決めて出たのが、『2度目のはなればなれ』だった。

― ― ― ―

名優が「老い」を演じた映画といえば、ヘンリー・フォンダとキャスリーン・ヘップバーンの『黄昏』、リリアン・ギッシュとベティ・デイヴィスの『八月の鯨』、ジャン=ルイ・トランティニャンとエマニュエル・リヴァの『愛、アムール』、それから去年公開された、ダリオ・アルジェントとフランソワーズ・ルブランの『ヴォルテックス』あたりがぱっと思い浮かぶ。
個人的に忘れられないのが、ルネ・クレマンが監督した『狼は天使の匂い』だ。
すでに自分が末期のガンだと知っていたロバート・ライアンの見せる、一世一代の名演技。
何度観ても、僕はラストでわけもわからないくらいに号泣する(笑)。

今回のマイケル・ケインとグレンダ・ジャクソンの演技も、思わず涙腺を刺激するものがあった。演出自体は少し説明過多でくどいし、その割にストーリーラインがイマイチ追いづらいし、ときどきテレビドラマのような陳腐なシーンが挿入されることもあり、すべてがすべて好みの映画だったとはいいがたいのだが、少なくとも老優二人の演技に関しては本当に素晴らしかった。

ただ佇んでいるだけで、絵になる。
どこかを見つめるだけで、想いが伝わる。
二人が向かい合うだけで、空気が変わる。
なんなんだろうね、これは?

演出に関しても、二人がもう大して歩けないこと、
思い通りには動けないことを、
しつこいくらいに描き込んでいた部分に関しては、とてもよかった。
徹底的に足元を映し、ゴム底の靴を映し、杖の先を映し、ものを探る手元を映す。
一定時間立っているだけで、座らざるを得ない「時間の限界」を示す。
90歳になって生きることの困難を、細かな所作とアイテムによってリアルに描き出す。
ふと見える衰えの瞬間、記憶の齟齬、うつろな表情、身体を走るヤバい痛み。
そんな耐久臨界ぎりぎりを迎えた「器」のなかで、なお確固とした「知性」がきらめき、熱い「情念」が渦巻いている。もちろんながら、老いてなお、人はやはり人なのだ。

― ― ― ―

本作は、ある種のロード・ムーヴィーでもある(中盤だけだが)。
あるいは、「旅立ちの理由」と「旅の途中」と「旅の後始末」を対等に描く映画ともいえる。

老人ホームでの変わらない毎日、繰り返されるルーティーン自体、決して悪いものとしては描かれない。穏やかな日常、大切な人々とのふれあい。これはこれでかけがえのない時間だといえる。少なくとも、そのようにこの映画では描かれる。

でも、人生にはやはり、何かしらの「刺激」が時に必要だ。
80になっても、90もなっても、原理原則は変わらない。
人間には、必要なのだ。
時には、周りが迷惑するくらいの、思い切った刺激が。
それが、いわゆる「冒険」というものだ。

この映画は、一人旅に勝手に出かけてしまった、バーニーの冒険の物語でもあると同時に、自分から進んでバーニーを煽って旅に行かせた、「レネの冒険の物語」でもある。
忘れてはならない。
はなればなれを画策したのは、けっしてバーニーではない。
猛烈な勢いで背中を押したレネこそが、この件の真の首謀者なのだ。

彼女は、いつも「新鮮」であろうとする人だ。
だから、毎日、化粧をする。
夫にも、日中は装った姿しか見せたくない。
それくらい、日々「新しい自分」を見せたいと思っている人だ。

レネは、なぜバーニーを旅に送り出したのか。
それは、日常の繰り返しのなかでゆったりと死に近づいていくバーニーに、新しい「刺激」を与えたかったからだ。戦争から帰還して以降、夫がずっと抱えていた「何か大きなわだかまり」を解放し、解消させる「最後の機会」を与えたかったからだ。彼が「わだかまり」と向き合うのが怖くて、わざと参加期限を逃したことに気づいていたからだ。
さらには、旅から帰ってきたバーニーに、「新しいレネ」を見つけてほしかったからだ。

同時にそれは、残り僅かになった自らの人生に対する「刺激」でもあっただろう。
夫がそばにいないというシチュエーションを「敢えて」作り出すことによって、彼女は、バーニーの存在の大切さ、バーニーがそばにいる本当の意味、バーニーに対する自分の愛を、改めて「確かめよう」としたのだ。

二人には、ひとときの「はなればなれ」が必要だった。
残り僅かな二人の時間の「価値」を高めるために。

周りを騒動に巻き込むことは、レネにとっても、バーニーにとっても、本意ではなかっただろう。「刺激」としては面白い余禄にはなったけれど、あくまでこの冒険は、ふたり自身のためのものだった。
結果的に、バーニーは心残りだった死んだ戦友との思い出に、一定の決着をつけることができた。レニも、自分のなかにいまも渦巻いているバーニーへの想いに、改めて火をつけることができた。
冒頭の二人のシーンと、ラストの二人のシーンは、
似ているようでいて、少し違っている。
たしかに、小さな冒険は、二人に新しい命のうるおいを与えたのだ。

― ― ― ―

●映画としては、フランスでの最初の夜、部屋をシェアしてくれたジョン・スタンディング演じる空軍出身の老人から、自分がアル中であるとの告白をバーニーが受けるあたりから、俄然面白くなった感じがある。
フランスに来ても、正式な招待者として参加していない後ろめたさと、集まっている大半のメンバーがアッパー・クラスであること(バーニーは過去篇から見ても明らかにワーキング・クラス)への疎外感で、どことなく寂しげで孤立気味だったバーニーが、「若干気後れしていた相手」の「弱み」を知り、自分との「共通するトラウマ」を知り、悪い言い方をすれば「ある程度マウントを取れた」ことで、だんだんと活力を取り戻していく様がまあまあリアルに描かれていた。
ちなみに、マイケル・ケインは労働者階級の出身、ジョン・スタンディングは貴族階級の出身で、二人はもともとの友達どうしである。さらにはグレンダ・ジャクソンも労働者階級の出身で、長く労働党で政治家および閣僚を務めていた。このへんのキャスティングは明らかに意図のあるものだといえるだろう。

●元ドイツ兵と心を通じ合わせるシーンも、演出自体はこれ見よがしでかなり気持ち悪かったが、シーンとしては悪くなかった。全体に言えることなんだけど、お互いに手を握り合わせるやり方とか、敬礼の長さとか、見つめ合うときの表情とか、この監督の演出って、どうも貧乏たらしいというか、観客に媚びてるというか、どこかテレビあがりの人みたいなんだよね(笑)。まあ、そういうのが好きって人もいるんだろうけど。
ちなみに、マイケル・ケインは何作もの戦争映画に出演しているが、ジョン・スタージェス監督、ジャック・ヒギンズ原作の『鷲は舞いおりた』(1977年)では、イギリスに潜入してチャーチル誘拐計画に挑むドイツ人将校役を好演している。

●戦没者墓地を老人二人が墓参するシーンについては、ときどき本感想欄でコメントを下さるお仲間の方から、『続・夕陽のガンマン』の墓地での決闘シーンと絡めて、ご紹介をいただいていた。たしかにおっしゃるとおりでした。観させていただきましたよ!!

●レネが、バーニーの不在時に、若き日に交わした熱いキスと初めてのセックスを想起しながら、内なる興奮と性的欲求を煽り立て、駆り立ててゆくシーンは、ほとんど「怪演」と呼びたくなるくらいの迫力と生々しさがあった。たとえ老婆ではあっても、間違いなく、淫靡で、官能的で、美しいシーンだった。
人間、90近くになってもああいう情動ってのは、実際にあるんだろうなあ。

●黒人のぽっちゃりした介護師の子は、本当にとても良い子だと思う。でも、あれだけ介護している相手の老人に入れこんじゃうような子は、決してこの職業に向いているとは言えないだろう。みんな、早晩亡くなっちゃうからね。

●「The Great Escaper」という原題は、出元はバーニーを探す警察官が面白がってつけたSNSのハッシュタグだが、当然ながら英米圏の人にとっては、ジョン・スタージェス監督、スティーヴ・マックイーン主演の名作戦争映画『大脱走』(原題 The Great Escape、1963年)を想起させるものだろう。あれも、「戦争とは何か」を語るとともに、アメリカなりの「ワーキング・クラスのしたたかさと反骨心」を描いた映画だった。

●エンドロールまぎわに、この映画が実話ベースの物語であることが、しっかりと確認される。ほぼそうだろうと確信をもって観ていたので、いい答え合わせとなった。
てか、お二人は結局、その順番で旅立たれたのね!! それはちょっと思いがけなかった……(笑)。まあ、現実ってのはドラマツルギーどおりにはいかないもんだ。

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じゃい

4.0大脱走したマイケル・ケインは杖(ケイン)をついてビーチに立つ。

2024年12月12日
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笑える

悲しい

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Mr.C.B.2

4.5一言「予想を遥か斜め上」

2024年12月6日
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ゆき@おうちの中の人

3.5生涯の伴侶

2024年12月1日
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結婚したてはみんなラブラブ。
辛い時期を一緒に乗り越えると生涯の伴侶になるのかな。
こういう映画を見ると結婚したくなる。

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チャーリー

4.0無駄死にだー!

2024年11月30日
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悲しい

知的

予告編からの印象ではもっと反戦色が出てるのかと思ったが、それほど濃くは無かった感じだった。
あまり大きく表面化はしてない様に見えたが、夫婦愛が根底でしっかり根付いてる様に感じた。

ドイツの人達と同席した辺りから、過去のしがらみを勝手に憶測してしまい、戦争のもたらす闇に嫌悪を感じてた。
笑ってラッキー♪と呟ける今が有ることが救いだ。

戦時中の爆音を体感して、この年齢まで生き抜いた重みを感じられた。
劇場で観るべき作品だ。

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奇妙鳥

1.0老害

2024年11月30日
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単純

寝られる

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みみず

3.0心温まる老夫婦の物語

2024年11月30日
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老人ホームで暮らす老夫婦の姿を描いたヒューマンドラマ。ノルマンディー上陸作戦を経験した退役軍人のフラッシュバック映像を見るたびに心が締め付けられる。生き残った人間に与えられた役割をを果たそうとして生き続ける姿が印象的でした。

2024-194

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隣組

ジイサンには身に沁みる

2024年11月29日
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 本作の原題『The Great Escape』は、ナチスの捕虜収容所からの脱出を目指す連合軍兵士を描いた傑作『大脱走』の原題と同じです。当然、それを意識したタイトルだったでしょう。ただ、あの映画は数十人の脱走を描いたものであったのに対し、本作はたった一人の老人の脱出劇です。

 2014年、イギリスの老人養護施設で妻と穏やかに暮らすバーニーは、或る日、施設を抜け出して対岸のフランス・ノルマンディに向かいます。施設では、突然姿を消したバーニーを巡って大騒動になるという実話に基づくお話。彼は、ノルマンディ上陸70周年の記念式典に出席しようとしていたのです。その道中で、やはり式典に参加する老兵たち、元ドイツ兵たちと出会うと、上陸の日の激戦の思い出、戦争を巡る妻との思い出が蘇って来ます。そして、彼にはどうしても訪れたい場所があったのでした。

 バーニーほどではないにしても、この歳になると「自分には遣り残した事があるのではないか」という思いは他人事とは思えず身に沁みます。「今からでもやっておかなくては」と「もう仕方ないか」が心の中で交錯するのです。

 あの上陸作戦で亡くなった5千人近い戦没者に対して「無駄な死だった」と呟く場面は、イギリス人としてはかなり勇気のいる描写ではないでしょうか。

 そして、名優マイケル・ケインは本作で俳優人生からの引退を表明し、妻役のグレンダ・ジャクソンは本作を最後に亡くなったと知ると、ジイサンは一層身に迫るものを感じるのでした。

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La Strada

4.0本当にあった愛の話

2024年11月28日
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こんな風に戦争を見せる映画観たことない
(邦題のセンスは💩たけど)

戦地での経験からPTSDを抱えて歳を重ねたバーニー。
結婚以来、いくつになっても旦那さんの前ではきちんとお化粧をするレネ。

戦争の悲惨さと、夫婦の記憶に残る熱量高めなイベントにフォーカスしたバランスが絶妙に取れた映画。

最近ちょうど仲良し老夫婦って素敵だなーと思う場面に出くわすことが多かったから余計に刺さった☺

【涙活報告】泣けはしないんだけどね😅

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らまんば

4.0胸がじ〜んとする名演でした💫

2024年11月26日
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泣ける

幸せ

萌える

これを最後に銀幕を去るマイケル・ケインと、自国公開前に他界したグレンダ・ジャクソンが演じた老夫婦。
久し振りに目頭を拭う静かな感動でした。

日本人である我々には、Ddayの持つ意味の重さは、少し遠くに感じられます。が、実に静謐で、信念を貫く男バーニーと、シワシワになっても尚、身だしなみを構う可愛い、それでいて肝の座った女性レネの寄り添う姿に、我が身を投影したご夫婦も多いはず。私の前列にも、それらしきご夫妻の姿がありました。

マイケル・ケインと故グレンダ・ジャクソンに『美しい映画を有り難うございました』と申し上げたい。

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Sue

4.0日本だけではないんだ。

2024年11月25日
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pen

4.5第二次世界大戦から70年後のイギリスで、Dデイ記念式典に参加するため一人で旅立った男と彼に70年連れ添った妻を通し、人生のことを考えたくなる作品です。秀作。

2024年11月24日
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もりのいぶき

3.0マイケル・ケイン引退作

2024年11月21日
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みき

5.0笑って、泣いて、

Kさん
2024年11月20日
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泣ける

楽しい

幸せ

素晴らしい脚本と
二人の主演の
自然な演技、
英国アクセントとユーモアを楽しませてもらいました。
笑って、泣いて、
今年一番の感動をいただけました。

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K

3.5いささか話の整理が悪いような

2024年11月18日
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懐かしいマイケル・ケインは、そのまんま老いていた。鋭い光は消えたものの、哀しげな瞳が相変わらずミステリアス。
グレタ・ジャクソン、残念ながら若い頃は知らないが、なんてコケティッシュなおばあさま。白い肌、よく動くハシバミ色の瞳。可愛く昔懐かしい感じの藤色のセーターがよく似合う。粋というのか、こんな風に老いたいと思わせる。
この2人の演技に圧倒された。90歳も近いのに、まったく俳優とは!セリフを覚えるのも大変だったかもしれないのに、そんなことは微塵も感じさせない。老練の魅力でもたせているのではなく、現役の確かな演技力で役柄を生き生きと見せてくれる。
ストーリーがシンプルなので、これは盛らねば、と思ったのか、老夫婦以外のエピソードが多くて編集がバラけてしまったように思えた。群像劇としてならわかるが、バーニーとレネ夫婦の話だと思っていたから。
実話にせよ、大脱走とマスコミに騒がれた顛末は、あまり映画の本筋には関係ないし、もっとバーニー自身のトラウマ、1度目のはなればなれのときの情景、その後の2人の一緒にいられた長い時間をもっと知りたかった。老人ホームにいるからといってお子さん、お孫さんがいないとは限らないし、よく背景がわからないので、ちょっと不完全燃焼でした。

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みる子

4.070年

2024年11月18日
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泣ける

悲しい

幸せ

引きずるダメージを残す様な事、するなよ!と強く思う。
あと、欧米の人は肉の繋がりを大切にする。それで嫌になったりもするんだろうが、深い関係を築けるとも思いました。
オープニングのマイケルケインの立ち姿から素晴らしいですが、奥さんグレンダジャクソンの軽妙な愛情こもった会話も絶品。タイトルは邦題の方がニュアンスは掴んでる。

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トミー

3.0#21 第二次世界大戦の思い

2024年11月17日
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夫婦の絆を描いた作品かと思っていたら、意外にも戦争のトラウマものだった。

大戦に参戦した国の国民ごとに色々な思いがあるんだろうけど、ノルマンディ上陸についてはほとんど知識がなく、どの国の人がどのくらい戦死したか知らないせいか主人公の気持ちもよく理解できず。

どっちかと言うと奥さんの気持ちのほうが寄り添えた。

それにしてもイギリスの老人用共同住宅にエレベーターがないのには感心した。
一旦筋肉が衰えると元に戻らないから、時間がかかっても階段を昇り降りさせるのは良いかも。

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chicarica