劇場公開日 2024年7月19日

「人工的な国境と違って私達に境界線はない・・・はずだ」越境者たち talismanさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0人工的な国境と違って私達に境界線はない・・・はずだ

2024年7月21日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

怖い

幸せ

動きの多いドキドキするシーンと雪に覆われたアルプス。その静と動の撮影と映像が迫力と美しさを作り上げていた。

メノーシェの殆ど話さないのに沢山の思いが伝わる演技がすごい。黙々と水中で脚の怪我のリハビリを続けるサミュエル(メノーシェ)。娘に対しても少し怖い。だんだんわかるのが妻の不在。ひとりイタリアの山小屋に行ってキッチンを片付け妻の赤のマウンテン・ジャケットを丁寧にハンガーにかけ、ポケットに妻の黄色の財布を見つけ自分のポケットに入れる。

雪のイタリア・アルプスから一人雪山を進むチェレーは難民施設に向かう途中、追っ手から逃れるためにサミュエルの山小屋に忍び込む。その後の二人の移動は密入国者を仕留める仕事をしているイタリア人三人に狙われる行程となる。その三人はサミュエルの妻のことも知っていて父からの伝言をサミュエルに伝える程に互いを知る仲良さそうな友達だった。その彼らが敵になってしまうポイントがクリック!と音をたてたようだった。妻の遺品がチェレーを守りチェレーはサミュエルの命を救った。

サミュエルが難民施設に入った時、チェレーはもう居ない。彼女の御守りをサミュエルに残してひとりパリに向かった後だった。電話で娘のかわいらしい声を聞いた途端にサミュエルの眼が温かい涙で溶けた。

talisman
Bacchusさんのコメント
2024年7月22日

あの電話はやばかったですよね!

Bacchus