「真夏に観たのに身も心もブルブル震えた」越境者たち ニコラスさんの映画レビュー(感想・評価)
真夏に観たのに身も心もブルブル震えた
そんな装備じゃ確実に死ぬ、そんないでたちで亡命のため雪の山中をフランス目指すチェレー、死と隣り合わせなのは分かっていても進まざるを得ないアフガニスタンの内情、タリバンの無慈悲って想像しようにも想像が及ばないほど過酷なのでしょうね。
それを理解して山越えを助けようと奮闘するサミュエル、追われれば追われるほど深手を負う身体、その痛みはひしひしと伝わるし、行ってくる奴らの狂信的な行動も恐ろしく、冬山の寒さも加わり、観ているこちらも震えてしまうほどです。
だけど、サミュエルの行動に駆り立てた動機が今一つピンとこなくて、妻の死はあったのだろうけど、一人娘が待っている中、自らの命を懸けてのは何だったのだろう。
釈然としない部分はあるのですが、今の世の中、世界のあちらこちらが内向きになりつつあって、自国ファーストの排他的な考え方がはびこってきていますから、他人事だと思ってばかりいられないシチュエーションスリラーでありました。
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