徒花 ADABANAのレビュー・感想・評価
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命とは、を問うた作品か?
出生率が極端に下がり、現在いる人の寿命を伸ばすために、それ、と呼ばれている上流階級の人が病気になった時の身代わり(クローン)が準備されている未来の日本。新次は妻と娘の3人家族で、理想的な家庭を築いていたが、重病に冒されてしまい、病院で療養していた。手術を控えて不安になっていた新次は、臨床心理士のまほろの提案で自身の過去についての記憶をたどり、さらに不安を募らせた新次は、それ、と呼ばれているクローンに会わせてほしいとまほろに頼んだ。それ、に会った新字次は・・・さてどうなる、という話。
これホラー?それとも、命とは、を問うた問題提起作品?
いずれにせよ、未来のことだし、なぜ?が多くてちんぷんかんぷんだった。
何十年も構想を練ってたのなら、もう少し鑑賞者にわかる様に作れなかったのだろうか?
題の、徒花、って、それ、の事?
本心とか
自分とは
ストーリーは確かにカズオイシグロを思い出してしまいますが、テーマは違うのかなと思います。
自分とはなんなのか、細胞が同じクローンとどう違うのか、何を以って自分といえるのか。
理想の自分をクローンの方に感じたり、娘と同じ姿のクローンに誰?と言われたり、境界がどんどん曖昧になっていくとき、どう自分を保つのか分からなくなってしまうのかも。
そしてそれを強く提示するのがラスト近くのきこちゃん扮するカウンセラーの爆発。
わたしは自分なのか?どうやって確信できるのか?
画面が美しすぎるのでファンタジーみたいに思えるのですが、そしてそういう画面が作りたかったのだろうと思うのですが、もしかして泥臭いリアルな撮り方をしてみても面白くなったんじゃないかなと想像していました。
今の僕の頭には
ジェミノイドと言う存在が大きく横たわっている。
このジェミノイドについて思考を深めようと
ここ最近鑑賞したのが
アイミタガイ、本心、そして本作だったわけだが
正直一番、映画っぽくないなぁ。と思った作品が本作◎
映画でないと不能な演出があるから
表現手法としては映画で正解だと思うが
役者の演技はぶっちゃけ舞台ぽかったぞ🎭
つまりは、ストーリーは映画舞台、
どちらでも活きる秀作だが
演技がね。。と言うお話なのだ。
ソメイヨシノしか知らない現代人にとっては徒花だろうが
無駄花だろうがそんなたいした問題じゃないだろうが
僕は本作のおかげで、吉野の千本桜の理解が一気に進んだ
桜の木でできた小鼓が日本人に響く理由もここに
ありそうだ◎
寝落ち必至の映像作品。観客を眠らせるための映画なのかも。
全編にわたってほとんどが静寂な映画でした。
とてもポップコーンなどをバリボリ食べられるような音の映画ではありませんので注意。
そして、話の展開も緩やかの極み故、映画館で寝落ちするなというのが非常に困難な映画です。
途中で何度か意識が落ちてしまっていたので、ちゃんと観れたとは言い難いのですが
設定やテーマとしては嫌いな感じではないのですが、メリハリがなく、意図しての演出なのでしょうけどもあまりにも静か過ぎて間延び感がアリアリで、「これだから邦画は・・・」と言われるような雰囲気ですね。いや、私はそれほどそういうのは嫌いではないのですが、邦画に偏見を抱いている周りの知人らがそうやって毛嫌いするタイプの映画ではあるだろうな、と思われました。
時系列をところどころ切り替えている事に終盤まで気づけませんでしたね。判別が難しいですしこの映画を観終わってもう一度観たいとも思えないです。さすがにキツイっすよコレは苦行レベル。設定やテーマは気にかかりはするんですけどね(しつこい)。
徐々に多少の設定明かしなどあるのかな?と思いきや、そういうものもほとんどなく終わって「あれ・・・?」という印象でした。
メインの男の人のほうはわからなくもない心情変化でしたけど、終盤の臨床心理士さんのほうのはサッパリ読み取れませんでした。アレで汲み取れる方はすごいっすね。どういうことだったんだろう・・・。
サブパーツとしてのクローンが具体的にどのような設定で生成・育成されているのかわかりませんけども、裕福ならば数人は居てもおかしくないな?と私は思うのですがどうでしょうか。中国国内とかで普通に似たような事は既に行われていそうな気がしないでもないですが、私の偏見でしょうか。
作中で、脳だけでなく身体側にも記憶があるってのはそれは事実だと思いますよ。神経細胞があればそこに記憶があるはずです。だから、心臓移植すれば心臓に刻まれた記憶が移植された側に伝わるのだと思います。視神経とかもね。そういうことって普通に考えたら自明の事だと思うのですがどうなんですかね。
頭でっかちな現代人は脳にすべての記憶があるかのように思い違いされている方が多いようですけども、すべての身体あってこその己ですので、皆様、身体を労ってあげてくださいね。ご自愛ください。
ヒトが踏み込んではいけない世界
映画館で映画として見る映像は、五感で感じつつも、その表現により五感の1つずつが研ぎ澄まされた感覚として感じられる作品でした。息づかい1つにも苦しみが徐々に深まっていくのをどんな言葉よりも感じられました。今、実際に存在してはいけないヒトのクローンですが、実際存在するとこんな感じになるんだろうなと思いました。クローンの方が理想的な自分と知った苦悩。科学者の好奇心は止められるものではありませんが、クローンなんてものは作ってはいけない、ヒトが踏み込んではいけない世界であるとしみじみ感じさせられた映画でした。キャスティングもこの難しい課題を表現できるだけの俳優陣で、その表現力にとても贅沢な時間を持つことができた気分です。
メランコリック
ウイルスによって出生率が下がり、自分のクローンを作る世界になり、クローン手術を受ける男性がクローンである"それ"に会うという設定とお話にはとてもそそられたんですが、内容が抽象的かつ鬱屈とした感じが続くので94分と短めの尺のはずなのにかなーり長く感じてしまいました。
井浦さんの一人二役の感情の変わり具合は最高でした。通常体はネガティブ寄りの性格なのに、"それ"になるとハキハキ喋ってポジティブだし、通常体も喜んで喋っていたりとそれぞれの性格の演じ分けが凄かったです。
国民カードが無ければ手術ができないという設定は残酷ですが、そういう制度は現代でも少なからずあるし、いつまでも優しくしていてはならないというメッセージとして受け止めることはできました。
BGMが睡眠導入のそれで何度も眠気が襲ってきては目覚めての繰り返しで、なんとか意識を保って観てみてもローテンポな話運びにはモゾモゾしてしまいました。
エンドロールは不気味な音楽が鳴り響いており、これまたモゾモゾしてしまうのもナンセンスでした。
もう一度観て理解を深めたいとは思いつつ、再び眠気に誘われたらどうしようという気持ちもあり難しいところです。
鑑賞日 11/6
鑑賞時間 15:25〜17:05
座席 E-2
おぞましい未来
SFだけれど、
時代を連想、想像させるものを一切出さない意味で
リアルでダークな星新一のような雰囲気。
富裕層にだけ、スペアとしての
それ(クローン人間)が用意され
飼育されている。
人類としては
相当な黄昏時を描いていて、
そこまでして生きながらえたいとは
一体どんな社会なんだろうと。
主人公は病に侵され手術しないと
生き長らえる事が出来ないのだが
その手術内容は宣伝の音声のみで示されるが
なかなかエグい内容。
そんな時代の人生観や哲学は
一体どうなっているのか?
実は見えない裏で、
こんなテクノロジーと仕組みが
今、始まっているのではないか
(例えば隣の国で)
と思わず考えてしまった。
そんなことが起こると
始皇帝が望んだ永久の支配が成立してしまう。
それが賢帝なら良いが、
そうでないなら、なかなかのディストピアだろう。
徒花セラピー
正直言って、最初は舞台挨拶で井浦新さんに会うのが目的で見に行きました…でも、最後に1粒涙が自然に流れて「あぁ、この映画が好きだ」と心から思いました。
2回目も、1回目より面白く感じるくらい、私はこの映画を見てる時間そのものが好きなんだとわかりました。
普段同じ映画を2回見にいったりはしませんが1回目にわからなかったことがわかったり、2回見てもわからないこともあり、飽きませんでした。
とにかくテーマと映像が好きなんだと思います。
あんまり意図してないところだとは思うのですが、クローンなんかいなくたって、誰だって色んな自分が存在し得たと思うんです。
前世やパラレルワールドも含めて、いろんな自分がいる中で「今この自分を生きている意味」を考えることができる瞑想のような映画だと個人的には思います。
上映後の舞台挨拶ありのQ&Aタイムもすごく深い質問が出てきて、ドキドキして楽しいです。
もう坂を転がり出しています
徒花adabana
考えさせる映画
わかりやすさや派手さが主流の娯楽映画が多いなか
『徒花 ADABANA』のように「考えさせる」映画には
なかなかお目にかかれません。(全部の映画を見ているわけでは
ないのですが)
それだけでもユニークであり、見ごたえのある俳優陣の演技と
静寂のなかに展開される映像美が相まって素晴らしい映画でした。
こういう未来がきたとしたら
人間はどう動き、人間性はどう変わるのか、変わらないのか。
それを後押しするものは何か。
問われること、考えることの多い映画でもありました。
内容が深い分、理解しにくいと感じる部分はあるかもしれませんが
生や死について考えたときふと思い出す映画でもあります。
そんな映画があっていい、そんな映画に出会えてよかった。
見終わって1週間たちますが、『徒花 ADABANA』の印象は
あとになるほど強くなっています。
徒花
井浦新さんの演技に魅了されました
ADABANA -徒花-
決して楽しい派手な娯楽作品ではありません。
今までの生き方、様々な場面で下した判断などを振り返って考えさせられる作品だと思います。
出演されているキャスト陣はとても豪華で驚きました。
個人的にかなり好きな俳優さんが揃っており今まで他のドラマ、映画では見た事がない表情、演技でいつの間にか没入してしまいました。
ストーリーには深みと味わいがあり、細やかな演出と素晴らしい演技が独特の世界を形成しています。生と死を扱うストーリーは軽いものではありませんでしたが静かに心の奥に刺さり、観終わってからも問いかけが続いている気持ちになります。
観る人により目が行くところが違うと思います。それぞれの経験により頭に浮かぶ情景が違うからです。
景色、光と影、洋服のデザインやそれらの組み合わせた時のコントラストまでも計算して表現されていたと感じます。
そこまで多くの映画を観てきたわけではありませんが、今まで観てきた邦画とは一味違う素晴らしい作品だと思いした。
個人的にはとても好きな今年のイチオシです。
絵画のような
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