徒花 ADABANAのレビュー・感想・評価
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考えさせる映画
わかりやすさや派手さが主流の娯楽映画が多いなか
『徒花 ADABANA』のように「考えさせる」映画には
なかなかお目にかかれません。(全部の映画を見ているわけでは
ないのですが)
それだけでもユニークであり、見ごたえのある俳優陣の演技と
静寂のなかに展開される映像美が相まって素晴らしい映画でした。
こういう未来がきたとしたら
人間はどう動き、人間性はどう変わるのか、変わらないのか。
それを後押しするものは何か。
問われること、考えることの多い映画でもありました。
内容が深い分、理解しにくいと感じる部分はあるかもしれませんが
生や死について考えたときふと思い出す映画でもあります。
そんな映画があっていい、そんな映画に出会えてよかった。
見終わって1週間たちますが、『徒花 ADABANA』の印象は
あとになるほど強くなっています。
徒花
人間の生きてきた経験値によって見方が分かれる映画だったと思います。人は多くのものを背負って生きていると思いますが、背負うものが無ければこれだけ透明になれるのかと考えさせられました。俳優さん方の演技や映像の美しさに引き込まれていきました。まだまだ見落としたものがあると思うのでまた見に行きたいと思います。素晴らしい映画でした。
井浦新さんの演技に魅了されました
哲学的な内容ではありますが、過多な情報やエンタメに毒されつつある脳をデトックスできる映画です。禅の空間のような静けさと、人間の動(狂気)。見終わってからジワジワと問いかけられます。とくに井浦新さんの演技は素晴らしく、引き込まれました。夜の海のシーン、絵画のように美しかったです。
ADABANA -徒花-
決して楽しい派手な娯楽作品ではありません。
今までの生き方、様々な場面で下した判断などを振り返って考えさせられる作品だと思います。
出演されているキャスト陣はとても豪華で驚きました。
個人的にかなり好きな俳優さんが揃っており今まで他のドラマ、映画では見た事がない表情、演技でいつの間にか没入してしまいました。
ストーリーには深みと味わいがあり、細やかな演出と素晴らしい演技が独特の世界を形成しています。生と死を扱うストーリーは軽いものではありませんでしたが静かに心の奥に刺さり、観終わってからも問いかけが続いている気持ちになります。
観る人により目が行くところが違うと思います。それぞれの経験により頭に浮かぶ情景が違うからです。
景色、光と影、洋服のデザインやそれらの組み合わせた時のコントラストまでも計算して表現されていたと感じます。
そこまで多くの映画を観てきたわけではありませんが、今まで観てきた邦画とは一味違う素晴らしい作品だと思いした。
個人的にはとても好きな今年のイチオシです。
深淵なる秀作!
鑑賞してからかなり時間が経っての投稿です。
次回作への期待を込めての4.5とさせてもらいました。
噛めば噛むほど味が出るスルメのように、知れば知るほど深みが増していくすごい作品だと思いました。すでに3回ほど鑑賞したのですが、観るたびに感想が違うというか発見があるというか、この監督はどこまで見据えて作品を描いているんだろうと頭の中を覗いてみたくなりますね。
『徒花-ADABANA-』のようにオリジナルでジャンルが明確でない映画はなかなか受け入れられない場合も多いので、こういう作品が消滅しないことを祈ります。甲斐監督には是非作り続けて欲しいと思います。鑑賞後に違った感想をぶつけ合えるような大きなテーマを扱った作品を次もお願いします。
この脚本を理解し、監督のもとに集まったキャストやスタッフも感受能力が高い人たちなんだろうなと思うし、それは作品中の演技や存在感を見ているだけでわかりました。
水原希子さんってこんな演技ができる人だったのねーと驚かされましたし、泣かされました(汗)
井浦新さんは次のステージに入った感じすらしました。。。圧巻です。
個人的にはあまり出番の少ない永瀬正敏さんのまほろとすれ違うシーンに全ての答えが見えた気がして、あの一瞬で全てを理解させるって、、、監督の指示だったのか永瀬さんの思いつきだったのか、身震いしました。
とにかく、改めて自分と向き合うことができる素晴らしい作品だと思ったので、アンチなレビューに負けずこういう映画がもっと増えて欲しいと思います。そして、映画ファンとして日本映画がもっともっと世界で注目され、活躍できるようになって欲しいと思います。
満たされた空虚、大いなる深淵、あと何度この映画を観て、この先もずっと抱えて生きていくんだろうな。 ありがとうございました。
絵画のような
この映画は、近未来を描きながらも、もしかしたらすでに世界のどこかで現実になっているかもしれない状況を提示しています。そして、人間の倫理観や死生観に深く問いかける作品です。まずは、まるで美しい絵画を眺めるように感覚的に鑑賞。その後、脳裏に残る残像と、何とも言えない感情がじわじわと広がり、最終的には、自分自身の存在を振り返り、今後の生き方について考えさせられる、非常に深い映画です。
同じ設計図で出来てるわけだけど、生き物だから違いはでるのよ。
前作の「赤い雪」割と好きだったので見てみた。
こんなストイックな絵作りの日本映画は予算少ない感じが見え見えで寒いけど本作はうまくまとめてると思ったがキャスティングに関しては逆にスタイリッシュすぎでて、それが鼻についた。もちろん出演者全員頑張ってだんだけど、もっと人間臭い役者ぶち込んでリアリティや重さ出した方がぐさっと来た気がする。
話は医療用クローンと本人、どちらが人間として生きる価値あるのか疑問に思ってしまった主人公の話です。カズオイシグロの「私を離さないで」の逆の立場から見た感じですかね。
最近はパーツごとの自己複製が可能になって来たので、丸ごと人間クローンは効率悪いし、この映画見たく倫理問題デカいんで先延ばしになってる模様。
少し未来の物語。 人口減少が進み、最新技術で延命治療が推進され。 ...
少し未来の物語。
人口減少が進み、最新技術で延命治療が推進され。
いざ病が重篤になると、さらなる処置が施される、と。
ただし、限られた人々のみ。
患者と臨床心理士とが会話し、思い出をえぐられるようなこともあり。
光も音量も抑えめながら、心の揺らぎがじわじわ見えてきました。
各所で見る役者さんたち、井浦新さんも、水原希子さんも、甲田益也子さん etc...
それぞれの表情や演技も、凄みがありますね。
どことなくヒーリング、金持ちの悩みに付き合える人向けの寓話のように思えます
2024.10.21 アップリンク京都
2023年の日本映画(94分、G)
クローン技術が確立した近未来にて葛藤を抱えることになった男を描くSF風味のヒューマンドラマ
監督&脚本は甲斐さやか
物語の舞台は、ウイルスの影響によって人類が短命になり、クローン技術の進歩によって「延命手術」ができるようになった世界
その手術は誰にでも受けられるものではなく、階級によって適応が決められていた
ある難病を患っている成人男性の新次(井浦新、幼少期:平野絢規)は、その適応者として施設に入院していた
彼にはカウンセラーのまほろ(水原希子)が付き添い、手術日まで心のケアを施していくという段取りが組まれていた
映画は、規則では禁じられている「クローン:劇中では「それ」と呼ばれている」との接触を行う新次が描かれ、それによって「自分はどうするべきか」というのを思い悩む様子が描かれていく
彼は夜な夜な悪夢に悩まされていて、それは母(斉藤由貴)との記憶であるとか、海辺で出会った女(三浦透子)のことばかりだった
自分には抜け落ちた記憶があると考え、「それ」と接触することで、何かを思い出すのではないかと思い始めるのである
物語は、わかりやすい人類の選択の苦悩を描いていて、クローン技術によって、悪い部分を交換できたりするように描かれている
もし、頭に問題があるなら首ごとすげ替えることも可能なのだが、脳を取り替えた個体は本人と呼べるのかどうかもわからない
そう言った思考の末に「ある決断」をするというのが物語の骨子であるが、さほど斜め上の展開を行くわけでもなかった
映画では、イメージショットのようなシーンが多く含まれ、かなり観念的に捉えるように作られている
それでも解釈が分かれるほど難解なものでもなく、これまでに何度も見てきた「クローンの是非」に苦悩するという物語になっていた
後半には、まほろの「それ」も登場し、新次の娘の「それ」も登場するのだが、この演じ分けというのが映画の見どころのように思えた
それ以外は特に印象に残るところがなく、これまでに散々語り尽くされてきたものの繰り返しに見える
倫理観をどう捉えるかではあるものの、富裕層にしか与えられていない特権の行使というものは、庶民からすればどうでも良いことのように思える
そこまでして生き延びたいかというものは個々の人生観のようなものであり、その選択が与えられている故の贅沢な悩みなのだろう
それを考えると、選択のない側にいる人には響きようもなく、「だから何?」という感覚になってしまうのは否めないことのように思えた
いずれにせよ、誰もが権利を行使できそうな時代に作られていれば議論の余地もあるが、失われた30年がこれからも続くという世界では響きようがない
この苦しみはどうやったら早く終わるのかを考える世代からすれば、金持ちの道楽による葛藤などはたがか知れているように見えてしまう
映画で描かれる問題を一般庶民にも考えさせるのであれば、培養のための容れ物として生きるか、病でさっさと死ぬかの二択とかの方が良かったかも知れない
そして、クローン媒体となったものの頭部が入れ替わることで、完全に消えていない別人格との記録が混同し、逆転的な支配が起こるというスリラーにでもした方が面白みがあったのではなかろうか
いや、戸田奈津子か!
うーむ。。。
監督の言わんとしていることは分かるし、テーマ性も理解出来る。ただいくらなんでも映画として未完成過ぎるし、宙に浮いているようなフワフワとした展開がずーっと続いてとにかく退屈。何ひとつとしてハッキリとしたものがなく、壮大な設定の割に見せられるものがあまりにちっぽけ。しかもやけにアートぽい芸術家気取りな映像が続くから、眠たくて眠たくて仕方ない。一体全体、何を見せられてるんだ?
もう1人の自分、要はクローンのことを劇中では"それ"と呼んでるのだけど、その設定を聞いた途端、心の中ですぐさまツッコんだ。
いーや、ミッション:インポッシブル デッドレコニングの戸田奈津子翻訳かよ!(東京ホテイソン風)
まじで分かりにくい。"それ"と呼ぶのはただの雰囲気作りでしかなく、意味の無い設定。そもそもいくらその事柄が浸透しようと、"それ"とかいう言い方はしないでしょ。thisは適度に日本語翻訳してくれないと、日本人の私たちにとっては理解し難いでしょ。この映画にも、そして戸田奈津子にも言いたい。わざわざ難しいように言わなくてよろし!!ちゃんとエンティティ、クローンと呼んでくれ!
ややこしい設定と構成だけど、個人的には嫌いじゃなかった。結局のところ何だったの?何を意味してたの?と感じざるを得ないけど、良作になるポテンシャルはあったように思える。今年の4月に見た「インフィニティ・プール」ぽい。だけど、あの作品よりインパクトは無いし、ある意味こっちの方が怖かったけど、正直記憶には残りにくい。めっちゃ芸術的な方向に行くのか、それとも社会派ドラマに持っていくのか、ハッキリした方が面白かっただろうし、いい作品になっただろうね。
それでもキャストはいい。
やっぱり井浦新が好きだ。自身のクローンと対話するシーンは結構衝撃的だし、監督はこれをやりたかったんだろうなとも思った。こんなにもしっかり2面性を出せるものなんだな。ホントすごいや。水原希子との相性もなんだか良かった。
いい作品とはとても言えないし、個人的にはつまらなく感じたけど、こんだけの名優を揃えれて、ぶっ飛んでるけど現実にありそうなストーリーを考えれるのだから、いつかこの監督はホームラン打ちそう。その時を待ち遠しく待っておくとして、本作の感想はこのくらいにしときます。公開初日で初回の貸切は流石に初めてでした。
期待度○鑑賞後の満足度△ 言いたいことは分かるような気はするが、この設定が良かったのどうか?労働力を確保するためのクローン導入なのに労働力になりそうにない人ばっかり出てくるのは何故?
①フランス映画人との合作ということでなんとなく納得。如何にもヨーロッパで喜ばれそうな内容と映像。ただ、河瀨直美作品(本人が脚本を書いた方)と同じくひたすら観念的な映像てんこ盛りになるのは何故かしら。
見事❗️井浦新と水原希子の演技は圧巻
未来の日本医療、医療倫理、人命倫理、クローンがテーマの作品だが色々考えさせられた。
もし、私が新次ならそれならと思って観るとなるほどと唸らされた。
見事な作品だった。
それ以上に井浦新、水原希子の演技が素晴らしかった。難しいテーマなのによくこなした。見事でした。
観て良かった作品。
無駄花。
重い病で療養中の新次と、一部の上流階級の人間だけに提供される“それ”の話。
手術前の新次の心理状態をケアしてた臨床心理士まほろ、そのまほろと過去の母との記憶、海で出会った女の記憶を辿りながらも、もう1人の自分、“それ”に会いたいとまほろに伝えるが…。
ん~キャストも好きな方出てるし期待して鑑賞したけど、よく分からない。ウイルスの影響で体に…と冒頭に説明はあったものの。
もう1人の自分(それ(クローン))と、向こう側には行けない施設?ガラス張りの部屋で対面となるけれど、もう1人の“それ”は何の為に?
ただ死がせまる一部の上流階級だけの提供される、何をするわけでもない見せかけだけの自分を残しておこうって意味なのかな!?
徒花の意味の様に無駄花、咲いてもすぐに散る?見てくれだけ?みたいな!?
ちょっと静かめな作品で眠くなっちゃった。
マトリックスでカプセルの中で仮想世界を見せられていた人間みたいにすれば。。
近未来の富裕者層には、クローン人間が準備され、病気の時にはそのクローン(それ)を犠牲にして延命処置が出来る世界の話。
主人公はそこで、自分のクローン(それ)と会い、話し、延命処置を行わないと決める。
この二行でほぼ映画の説明は終わってしまう。
ほぼ想像通りの展開をいかに楽しむか。。
主人公は、井浦新と水原希子。
その他に、三浦透子、永瀬正敏、斉藤由貴、原日出子、板谷由夏など。。
豪華なキャストでした。
曇りで暗い世界というか、冬のどんよりとした天気の日というような感じの映像が続く。
あとは静かで、BGMも無い無音で会話のみのシーンばかり。
前日の長い残業のせいもあって、見ていて眠くなってしまった。
見に行く前のネットの紹介文でおおよその話は把握していた。
映画の中ではクローンを(それ)と呼び、それは施設の中で普通に生活し、自分のオリジナルのために生き、オリジナルのために死ぬ事を理解している。
オリジナルのためのクローンなんだったら、眠らせたままにしておくとか、普通に生活させるのは残酷過ぎると思う。
案の定というか、主人公は(それ)と対面し、悩む。
マトリックスでカプセルの中で仮想世界を見せられていた人間みたいにすれば、そんなに悩まなくても良いのにと強く思った。
この暗い無音で静かな映像、設定、世界観を見る人がどうとらえるか。
私は、設定とクローンとの対峙がまだまだ奥深くまで描き切れていなかったと感じた。
ちなみに、徒花(あだばな)の意味は、『散った後に果実を付けない花や、すぐに散ってしまうはかない花の事』
そこから転じて、『見かけは華やかでも内容や結果を伴わない物事についても「徒花」と言うようになったた』らしい。
聞いた事はあったけど意味は知りませんでした。
20年前の構想を現代風に合わせてなんぼ?
ウィルスが世の中に蔓延とかクローン技術の発達により首より下を取り替えるとか、もっと観客を引きつける努力が最初にないかな?
ずっと淡々と話は進むけど、フランス映画みたいな調子にしたいのかと思ったら日仏合作映画だったわ。
面白いかと言うと後ろの列の観客がずっと館内全体に聞こえるくらいのいびきをかいて、寝ていて興醒めでした。
映画自体は寝ていた観客を起こすほどの効果音もなく、最後まで突っ走る。
笑わせる、泣かせる、その他感情に訴えかけるモノが乏しい限り。
レール
未知のウイルスにより出生率が下がり、クローンによる延命術が推進される様になった近未来で、重い病で手術を控える男の話。
1週間後に手術を控えている男が、本来禁止されている「それ」と会いたいと言い始めて巻き起こっていくストーリー。
「それ」=クローンがいることはわかっているものの、詳細はわからず進んで行くのでイマイチ入り込み難いし、敢えてだろうけれどずっと暗い画面に退屈な会話劇の様相の序盤。
「アイランド」的なクローンてこと?とか思って観ていたけれど、だとしたら冒頭の少女はそもそも持っていないんですよね…。
そしてそれと会って話しをしてって、結果として自分の存在を知り受け入れていたけれど、それに対してもの凄い傲慢じゃない?
物語としては親の決めた人生と自分の想いとかそういう話しではあったし、人間らしさというところに繋がって行くけれど、それほど刺さるものはなかったかな。
予告動画厳禁、ネタバレしてる
全体的にミステリアスで良い雰囲気の映画です。監督のこだわりも感じます。映画っぽくて好きな感じです。
設定としてはよくあるクローン人間の設定ですが、人間ドラマで、面白かったです。
ただ、、、予告動画を観ると展開が予想出来てしまいます。肝心のネタバレというか、だろうね、という感じ。これは残念。
「あれ」じゃなくて「それ」
子守歌のようなBGMとイメージ映像を多用するため、目を開けているのがやっと。
金持ちは、自分のスペアとしてのクローンを持てるという設定だけど、こんな技術があるんだったら、臓器培養した方がコストが少なくて済むと思うけど。
時代が求める徒花のような作品であれば楽しめるが、この物語は無駄花でございます。
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