「深淵なる秀作!」徒花 ADABANA ぽんちさんの映画レビュー(感想・評価)
深淵なる秀作!
鑑賞してからかなり時間が経っての投稿です。
次回作への期待を込めての4.5とさせてもらいました。
噛めば噛むほど味が出るスルメのように、知れば知るほど深みが増していくすごい作品だと思いました。すでに3回ほど鑑賞したのですが、観るたびに感想が違うというか発見があるというか、この監督はどこまで見据えて作品を描いているんだろうと頭の中を覗いてみたくなりますね。
『徒花-ADABANA-』のようにオリジナルでジャンルが明確でない映画はなかなか受け入れられない場合も多いので、こういう作品が消滅しないことを祈ります。甲斐監督には是非作り続けて欲しいと思います。鑑賞後に違った感想をぶつけ合えるような大きなテーマを扱った作品を次もお願いします。
この脚本を理解し、監督のもとに集まったキャストやスタッフも感受能力が高い人たちなんだろうなと思うし、それは作品中の演技や存在感を見ているだけでわかりました。
水原希子さんってこんな演技ができる人だったのねーと驚かされましたし、泣かされました(汗)
井浦新さんは次のステージに入った感じすらしました。。。圧巻です。
個人的にはあまり出番の少ない永瀬正敏さんのまほろとすれ違うシーンに全ての答えが見えた気がして、あの一瞬で全てを理解させるって、、、監督の指示だったのか永瀬さんの思いつきだったのか、身震いしました。
とにかく、改めて自分と向き合うことができる素晴らしい作品だと思ったので、アンチなレビューに負けずこういう映画がもっと増えて欲しいと思います。そして、映画ファンとして日本映画がもっともっと世界で注目され、活躍できるようになって欲しいと思います。
満たされた空虚、大いなる深淵、あと何度この映画を観て、この先もずっと抱えて生きていくんだろうな。 ありがとうございました。