劇場公開日 2024年10月18日

「マトリックスでカプセルの中で仮想世界を見せられていた人間みたいにすれば。。」徒花 ADABANA はりー・ばーんずさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0マトリックスでカプセルの中で仮想世界を見せられていた人間みたいにすれば。。

2024年10月20日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

近未来の富裕者層には、クローン人間が準備され、病気の時にはそのクローン(それ)を犠牲にして延命処置が出来る世界の話。
主人公はそこで、自分のクローン(それ)と会い、話し、延命処置を行わないと決める。
この二行でほぼ映画の説明は終わってしまう。
ほぼ想像通りの展開をいかに楽しむか。。

主人公は、井浦新と水原希子。
その他に、三浦透子、永瀬正敏、斉藤由貴、原日出子、板谷由夏など。。
豪華なキャストでした。

曇りで暗い世界というか、冬のどんよりとした天気の日というような感じの映像が続く。
あとは静かで、BGMも無い無音で会話のみのシーンばかり。
前日の長い残業のせいもあって、見ていて眠くなってしまった。

見に行く前のネットの紹介文でおおよその話は把握していた。
映画の中ではクローンを(それ)と呼び、それは施設の中で普通に生活し、自分のオリジナルのために生き、オリジナルのために死ぬ事を理解している。
オリジナルのためのクローンなんだったら、眠らせたままにしておくとか、普通に生活させるのは残酷過ぎると思う。
案の定というか、主人公は(それ)と対面し、悩む。
マトリックスでカプセルの中で仮想世界を見せられていた人間みたいにすれば、そんなに悩まなくても良いのにと強く思った。

この暗い無音で静かな映像、設定、世界観を見る人がどうとらえるか。
私は、設定とクローンとの対峙がまだまだ奥深くまで描き切れていなかったと感じた。

ちなみに、徒花(あだばな)の意味は、『散った後に果実を付けない花や、すぐに散ってしまうはかない花の事』
そこから転じて、『見かけは華やかでも内容や結果を伴わない物事についても「徒花」と言うようになったた』らしい。
聞いた事はあったけど意味は知りませんでした。

はりー・ばーんず