配信開始日 2024年8月30日

「謎!悪魔に憑かれた家よりも…」デリヴァランス 悪霊の家 近大さんの映画レビュー(感想・評価)

2.5謎!悪魔に憑かれた家よりも…

2024年9月17日
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鑑賞方法:VOD

怖い

単純

新居に越してきたシングルマザー一家。その家には何かが取り憑き、やがて子供たちに…。実話に基づく。
ジャンル的には王道のポルターガイストもしくは悪魔系ホラー。
監督がリー・ダニエルズなのがミソ。

変態サスペンス『ペーパーボーイ』以外、人種問題を扱ったヒューマンドラマが多いダニエルズ。
本作も序盤はまるで出世作の『プレシャス』のよう。
母エボニーと3人の子供。同居する事になった祖母。
生活は貧しい。エボニーはアル中の過去があり、性格はキツい。
時々子供たちに手が出る。序盤の食事シーンで突然子供をぶち、びっくりした。
母子関係はぎくしゃく。自身も母親とはぎくしゃく。
『プレシャス』のような重苦しい雰囲気。
母エボニーも決して子供たちを嫌い、愛してない訳ではない。虫の居所が悪いとつい…。ぎくしゃくしているが、普段は子供を愛し、大切に思っている。自分が弱く、不器用なだけ。
そんな家族の絆が試される。それがホラーって、これまでのようなヒューマンドラマで良かったんじゃない…?
実話が基だから仕方ない。
しかし、一体何処までが実話に基づいているのか…?

ホラー描写もそこかしこに挿入。
地下室からの異臭やハエは、ひょっとしたら本作で最も薄気味悪いかも。
初ホラーでヒューマンドラマに長けた監督なので、静かながらもじわじわと恐怖を煽る演出かと思いきや、クライマックスになるにつれ何だか…。
憑かれた子供。悪魔との対峙。悪魔対神。神への信仰。母の愛。
何か、どっかで見た事あるものばっかり。
大袈裟な描写や演出も多く、途端に氾濫するB級悪魔系ホラーに…。
監督がリー・ダニエルズで、キャストにオスカーノミネート経験あるアンドラ・デイ、モニーク、アーンジャニュー・エリスと期待していたのだが…、期待も目新しいものも無かった。

唯一期待に応えた(?)のは、グレン・クローズ。
肝っ玉ばあちゃんで存在感発揮だけじゃなく、遂には悪魔憑依で怪演を…!
にしても、黒人シングルマザー一家に何故に白人のおばあちゃん…?
色々憶測は出来るけど、怪奇現象より本作最大の謎だった事は間違いない。

近大