「チェリビダッケ」パリのちいさなオーケストラ よさくさんさんの映画レビュー(感想・評価)
チェリビダッケ
チェリビダッケが実名で出ることを知った以外は全く白紙の状態で鑑賞。
チェリビダッケは知る人ぞ知る伝説の指揮者でほとんど録音を残していない。だいぶ以前にNHK BSでチェリビダッケの日常的な演奏活動や指揮法を放送していたくらいで果たして本作ではどうなるかと思ったが、この作品ではその指揮法のシーンをはじめとして見事に晩年のチェリビダッケその人を演じ切っていた。
チェリビダッケは主人公との対話を幾度となく交わしていたが、対話を通じて自分と向き合うことは音楽だけではなく人生そのものである。そこには孤独とは異なる己の世界観がある。チェリビダッケの哲学を映画を通じて味わった感じだ。
ストーリーとしては見応えがある。随所に流れる音楽もこれまた良い、特にフランスもののクラシックは街の風景とも重なる副旋律で、ラストシーンに見事に繋がっている。
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