劇場公開日 2024年12月27日

  • 予告編を見る

私にふさわしいホテルのレビュー・感想・評価

全183件中、181~183件目を表示

4.5めくるめく「のんワールド」

2024年11月20日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:試写会

戦国武将なら、豊臣秀吉。マンガなら、あしたのジョー。競馬なら、オグリキャップと、我々、日本人は、不遇な状況にある者が這い上がっていく雑草魂ストーリーが大好きだ。その背景には、社畜という言葉に代表されるような、強い相手に逆らいたくても逆らえない、いわば奴隷根性のようなものがあるのだろう。だからこそ心のつっかえを取ってくれる痛快な下剋上ストーリーが好まれる。

のん主演、私にふさわしいホテルは、文壇を舞台に無名の作家が、大物作家や業界の慣例に立ち向かい、あの手この手で成功を掴んでいくまさに下剋上ストーリー。それにしても のんは、「さかなのこ」や「私をくいとめて」などいずれの作品でもそうなのだが、驚くほど役にビタっとはまっている。場面ごとに異なるノスタルジックな衣装を纏い、くるくると表情を変える豊かな表現力。言うならば、のっけから最後まで「のんワールド」全開。けれど役にはまっているその本当の理由は、彼女が発する言葉のリアリティなのだと思う。

田中圭演じる担当編集者の胸ぐらを掴みながら、『一緒に堕ちてくれますか!?』と涙ぐんで迫るシーン。その言葉が観客に直に届くのは、我々が強者に対しいつも逃げ腰で、当事者になることを避け、いざという時に傍観者だからだ。『あなたは本当にそれで良いの?』と問われているからこそ、胸の奥を掴まれるのだ。彼女自身がこれまで歩んできた道に思いを馳せれば、その言葉のリアリティと重さに誰もが気づくだろう。しかし、彼女はそれをコメディとして見事に昇華する。後腐れなく。実にスッキリと。

めくるめく「のんワールド」というレビュータイトルにふさわしい映画。ぜひ劇場で確認して欲しいです。僕はまた観に行きます。

コメントする 3件)
共感した! 19件)
ken1

4.0モノが違う

2024年10月25日
iPhoneアプリから投稿

のんちゃんが売れない作家を演じる。

才能があっても売れない、
ではない、
才能はなくても?絶対売れてやる!
どころか、
暴言はくはく、悪態つくつく、、、

文学界をぶっ壊す!
文学賞は出来レース!
悪態つきまくり・・・

そうは言っても、
のんだから、
かわいいんでしょ?
かわいいカッコわるいでしょ?

いえ、
かっこわるいカッコわるいフルスロットル。

悪童的な諧謔、辛辣な皮肉を織り交ぜた芝居と、
滑稽なコメディエンヌの絶妙なバランスは、
まさに高難易度の綱渡り。

観客に引かれたらおしまい、ノレないのも辛い。

その絶妙なバランスは、演劇表現における高度な技術が要求される。

本屋のシークェンスでは、
意外な展開も期待させるような、
爆発力だった。

そんな世界観を背負っても違和感がない、
悪態をついても嫌味が無い事をシンパイしつつも、
彼女の、モノがちがうエンジンのデカさのようなものも感じた。

阿部寛と仲間由紀恵の丁々発止のやりとりを想起させる、
「トリック」ファンの方にはおすすめかもしれない。

コメントする 2件)
共感した! 22件)
蛇足軒妖瀬布

4.0のんワールド大全開🥳

2024年12月30日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

というか、(やっぱりしっくりくる呼び方の😅)能年玲奈の真骨頂とも言うべき2時間をたっぷり堪能させていただきました☺️

田中圭も滝藤賢一もいいし、それ以外のチョイ役も服部樹咲に髙石あかりと、これまた贅沢過ぎる😆

事前に情報を入れていなかった事もあり、まさかのあまちゃんユニットにもビックリ😳

そして、さっきの型破りな教室だけでなく、ここでも、ネットでは大荒れなのに、扱えば視聴率20%以上は間違いないのに、某国民的大スターの示談の件をどこのテレビ局も報じない、人間という生き物のずる賢さ、理不尽さ、やるせなさをしみじみ考えさせてくれるタイムリーな作品でもありました🤣

コメントする (0件)
共感した! 8件)
おたか