私にふさわしいホテルのレビュー・感想・評価
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誰にもお勧めできる面白い作品
のん(能年玲奈)さんのファンなので、公開初日に鑑賞した。
何よりテンポと間がよい作品であった。
ストーリーはわかりやすく、ついていきやすい。
中だるみもなく、2時間弱があっという間であった。
誰かの「ファン」でなければ楽しめないという類の映画ではない。先入観なくフラリと観に行って、心地よい余韻に浸って帰途につける。誰にもお勧めできる面白い作品であった。
しかし、のんさんのファンであれば、引き込まれること必定である。
表情、衣装、たたずまい。その全てがため息が出るほどすばらしい。
しばしばその顔がアップになったが、全く破綻が無いことにあらためて吃驚した。これほどまでに「アップに耐え得る」女優さんは、今の日本にいないのではないだろうか?
今回の映画を通し、あらためてのんさんの魅力を確認した。
これからもご自分を安売りせずに、納得のいく作品にのみ出演してほしいと願っている。
それにしても気持ちの良い映画体験であった。近日中に、もう一度観に行きたいと考えている。
のん色。
新人賞を受賞したが大物作家・東十条宗典からの酷評で“鳴かず飛ばず”な新人作家・中島加代子の話。
作家がよく利用し、憧れでもあるホテル「山の上ホテル」に宿泊した加代子、編集者に勤め学生時代・演劇部の先輩でもある遠藤から、加代子の宿泊してる401号室の上階501号室スイートに東十条が宿泊してると聞き…、ルームサービスで届いた遠藤からの差し入れのシャンパンを東十条へ届け復讐しようとコメディタッチで見せてく。
とりあえず本作予告でもある“文豪コール”から笑わせてもらいました。2022年は「Ribbon」で監督、脚本、主演を務め、「さかなのこ」「天間荘の三姉妹」で主演を務めたのんさん!…の新作はまだ?と、待ちに待ちましたが新作公開観れて良かった!
原作小説は未読だけど、中島加代子役はのんさんだからこそ面白いって感じですかね。学生時代の演劇部ってのも効いてて色々なキャラの彼女も見れて本作観てる間はずっと微笑んで観れた。
復讐の相手でもある東十条と加代子のやり取りは全て笑えたし、のんの目力、彼女が映る全てのシーンの画力に惹き込まれ面白かった。
のんさん好きなので評価甘めです(笑)
面白い!「男尊女卑くそジジイ」は痛快!
面白かった!
のんが演じる中島加代子VS滝藤賢一演じる東十条宗典のバトルはコメデイらしく面白かった。気分もスカッとする。楽しいエンタメだけど、ラストののんが演じる中島のセリフは今の日本社会へのメッセージとも受け取れる。
また、のんと滝藤賢一はNHKドラマあまちゃんでも共演していて呼吸もピッタリ合っていた。のんが演じた中島のセリフ「男尊女卑くそジジイ」は痛快!面白かった。のんファンはおすすめです。高石ひかりもあるシーンで出ています。
のんちゃん圧巻!痛快文壇コメディです
とても良く出来た本だとまず最初に思いました。
そして何と言っても様々な表情で巧みにそれぞれの場面を演じ分けたのんちゃんの圧倒的な存在感が素敵過ぎます。
数々の文豪が愛した山の上ホテルを舞台にして、文学界の理不尽な裏側もチョッピリ覗き見ることができ、そしてそんな理不尽に負けない女流作家・中島加代子の姿を描いたストーリーが実に痛快です。
敵なのか味方なのか田中圭さん演じた先輩との距離感が絶妙であれば、滝藤賢一さん演じた東十条宗典との関係性もまた絶妙でした。
その他のキャストの方々も豪華な面々で皆さん素敵でした。
のんちゃんと橋本愛ちゃんの共演も懐かしく、書店でのカリスマ女性店員との会話から万引き男を捕まえるシーンおかしかったです。
それにしてものんちゃんは絶賛されていいのではないでしょうか。
10代の頃のフレッシュさをそのままに年齢を重ねてさらなる輝きを見せてくれました。本当に素敵な女優さんになりましたね。
いい映画を見ました
堤監督には
文系ネタとホテルで結構色々楽しめるが原作ありである点に注意。
今年450本目(合計1,541本目/今月(2024年12月度)29本目)。
※ (前期)今年237本目(合計1,329本目/今月(2024年6月度)37本目)。
年末年始ということで有給を整理しなきゃいけないのでこの時間帯に。
この作品ですが、こちら、あるいは公式サイトにもある通り原作小説をベースにしているため、原作小説にそもそも存在しないことをがっつり入れることはできませんし、逆にあることをがっつり削ることはできません。そして、現在でもアマゾン等でも購入できるようですが、「作家、あるいは作家の作品であるところの文芸作品(=小説等)」と「ホテルの話」が個々分離しているフシがあり(原作もその模様)、評価が「5」と「1」とで極端に割れるというちょっと珍しい作品ですね。
上記のような事情ですので、内容としては作家のお話(と、ホテルのお話)であり、無理にでも法律系資格持ちの解釈で見ようとすれば表現の自由など憲法論なのかなという気はしますが、そこまでの問題提起は感じられず。おそらく小説もそういう展開を想定していないのだろうと思います(どうも、小説版のレビューを見る限り、映画と同様、小説版もかなりドタバタ要素が強い模様)。
ただ何にせよ、ほぼ文系ネタに振っており理系ネタはほぼ出てこないこと、また、通常、旅行や出張などでしか使わないし、あるいはその場合でも有名な系列店を使うことが多いであろう「ホテル」の描写も一部融合している部分はあるとはいえ分離されて描写されており、ホテルのスタッフや管理人さん、あるいは掃除の方など…といった方の苦労がうかがいしれるところです(現在、2024年では、いわゆるインバウンド需要が極端に多いので、この映画のような状況ではなく、むしろ「外国人対応」が一般的な観光地(←京都が筆頭で、奈良、大阪、東京、広島など)では、そもそも論としてニュース等で取り上げられている通り、コロナ事情がだいぶ落ち着いてきた今日では数か月前からがっつり予約が入って「ホテルに泊まるも泊まらないも、そもそも予約すらできない」という状況はあります)。
※ また、ホテルの「スタッフ専用部屋」(休憩室)など、一般にホテルに客として泊まる場合に見ることができない部分についての描写があった点も良かったですね。
※ 今年(2024年)も、博多でコンサートに行ったらホテルを取るのに苦労したのは今でも思い出しますね…。もう、コンサートの日程が決まったら当落関係なくホテルを抑えるのが良いのかなぁ…(それもそれでホテルに迷惑な気がしますが)。
映画としての採点は以下のようにしています。
なお、御覧になった方はご存じの通り、原作小説をベースにしているため、昭和の終わりごろから平成に入るまでと、30年くらい前が舞台となっており、解釈上、現状と異なる部分がありますが、できるだけ現状にそろえた解釈をしたものです。
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(減点0.2/心裡留保の第三者対抗関係)
旧民法には規定がなかったものの、通謀虚偽表示では善意の第三者の保護規定があり、この映画の描かれる当時でも、心裡留保の第三者も通謀虚偽表示の規定の類推適用論で善意の第三者に対抗できないというのが通説となっており(最高裁(昭和44.11.14)、学説ほか)、厳密に解釈するとおかしい部分があります。
※ 厳密に解釈すれば、錯誤(95)や詐欺(96)の問題とも考えられますが、旧民法と現在の民法の錯誤はそももも規定が大きく変わり、その解釈をすると結構大変なことになるので(旧民法の錯誤規定を知らないとダメだし、旧民法でいう「錯誤無効」の「無効」は「取消的無効」であるというのが当時の通説であることも知っていないとダメ)、そこはあえて飛ばして心裡留保の論点に絞っています。
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ホテルに泊まるためには、売れる以外の何かが必要な気がしますね
2024.12.27 MOVIX京都
2024年の日本映画(98分、G)
原作は柚木麻子の同名小説(2012年、扶桑社)
大御所に酷評された新人作家の奮起を描いたヒューマンコメディ映画
監督は堤幸彦
脚本は川尻恵太
物語の舞台は、1984年頃の東京都心
そこにある「山の上ホテル」は文豪たちが愛したホテルとして名高く、そこに宿泊して執筆することは作家にとっての夢だった
そんなホテルに自腹で執筆ごっこをする新人作家・加代子(のん)は、相田大樹のペンネームにてプーアール社の新人賞を獲得したが、その際の書評にて、大御所作家・東十条宗典(滝藤賢一)から酷評されてしまっていた
それが原因なのか、数年経っても単行本を出すこともできず、鳴かず飛ばずの中、時間を浪費していた
ある日のこと、山の上ホテルの4階に泊まった加代子のもとに、大学時代の先輩・遠藤(田中圭)がやってきた
彼は因縁の大作家・東十条の担当者で、今晩はこの上の階に詰めていると言う
明日の朝までに原稿が上がらないと「飛んでしまう」のだが、それをさせないためにこの場所に足を運んでいたとも言う
その後、遠藤からルームサービスを受け取った加代子は、あろうことかホテルのサービスマンになりすましてルームサービスをごり押しして、東十条の部屋へと入ってしまう
そこで面白おかしい話をして時間を削り、それによって彼の原稿は「飛んで」しまった
そして、その穴埋めに加代子の短編が掲載されることになったのである
その後は、一連の騒動が相田大樹と遠藤が仕掛けたものだと思い込む東十条が激昂し、プーアール社にて連載を始めて、加代子の妨害をさらに強める様子が描かれる
プーアール社の新人賞を獲ったゆえに他の出版社からデビューをすることができず、さらにプーアール社すらも東十条の言いなりになってしまう状況になっていた
そこで加代子と遠藤は、ペンネームを「有森樹李」と変えて、新しい作家として文鋭社の新人賞に挑戦することになった
作戦は成功し、ようやくデビューへの道が開けると思ったものの、同時期に同名の天才・有森光来(服部樹咲)が現れ、またもや重箱の隅に追いやられてしまうのである
映画は、ホテルに固執する加代子を描いているものの、内容は「VS東十条」の舌戦が繰り広げられるだけとなっている
東十条が加代子を文壇から突き落とそうとする理由はほとんど描かれず、ここまで固執すると「自分の立場が危うい」とでも思ったのかと勘繰ってしまう
だが、すでに地位を築いている東十条がぽっと出の新人作家を潰す理由は乏しく、逆恨みから騒動に巻き込まれ、さらに深追いしてしまっただけのように思える
書評というのは専門家の書評もさる事ながら読者評も大事なもので、彼女の作品は読者の支持は得られていると思う
なので、プーアール社が頑なに出版しない理由づけが必要で、そういった干されている場面をもう少し描いても良かったように思えた
因果を考えれば、東十条の酷評作家を売り出すわけにはいかないという謎のプレッシャーがあるのかもしれないが、リアリティ皆無でも、そのあたりをきちんと描いて、加代子の憎悪をもっと膨らませたほうが丁寧だったかもしれません
いずれにせよ、キャストの演技を観る映画で、そこがハマらないとキツい内容のように思えた
物語は、新人作家を潰そうとする大御所というあり得そうで無さそうな設定で、もう少し東十条が加代子に対して脅威を持っているなどの理由づけが欲しい気もする
世代が違うので作品の良さがわからないというのは理解できるので、作品に対する酷評についての論争があるとか、二人の作家としてのガチの諍いが見たかったように思えた
加代子語録が誕生するぐらい言葉には力があると思うので、それを受けて立つ大御所ぐらいの貫禄があって、その鼻っ柱をポッキリと折るぐらいの結末があったほうがスッキリしたのかな、と思った
笑える、嘘つき者のサクセスストーリー
めくるめく「のんワールド」
戦国武将なら、豊臣秀吉。マンガなら、あしたのジョー。競馬なら、オグリキャップと、我々、日本人は、不遇な状況にある者が這い上がっていく雑草魂ストーリーが大好きだ。その背景には、社畜という言葉に代表されるような、強い相手に逆らいたくても逆らえない、いわば奴隷根性のようなものがあるのだろう。だからこそ心のつっかえを取ってくれる痛快な下剋上ストーリーが好まれる。
のん主演、私にふさわしいホテルは、文壇を舞台に無名の作家が、大物作家や業界の慣例に立ち向かい、あの手この手で成功を掴んでいくまさに下剋上ストーリー。それにしても のんは、「さかなのこ」や「私をくいとめて」などいずれの作品でもそうなのだが、驚くほど役にビタっとはまっている。場面ごとに異なるノスタルジックな衣装を纏い、くるくると表情を変える豊かな表現力。言うならば、のっけから最後まで「のんワールド」全開。けれど役にはまっているその本当の理由は、彼女が発する言葉のリアリティなのだと思う。
田中圭演じる担当編集者の胸ぐらを掴みながら、『一緒に堕ちてくれますか!?』と涙ぐんで迫るシーン。その言葉が観客に直に届くのは、我々が強者に対しいつも逃げ腰で、当事者になることを避け、いざという時に傍観者だからだ。『あなたは本当にそれで良いの?』と問われているからこそ、胸の奥を掴まれるのだ。彼女自身がこれまで歩んできた道に思いを馳せれば、その言葉のリアリティと重さに誰もが気づくだろう。しかし、彼女はそれをコメディとして見事に昇華する。後腐れなく。実にスッキリと。
めくるめく「のんワールド」というレビュータイトルにふさわしい映画。ぜひ劇場で確認して欲しいです。僕はまた観に行きます。
モノが違う
のんちゃんが売れない作家を演じる。
才能があっても売れない、
ではない、
才能はなくても?絶対売れてやる!
どころか、
暴言はくはく、悪態つくつく、、、
文学界をぶっ壊す!
文学賞は出来レース!
悪態つきまくり・・・
そうは言っても、
のんだから、
かわいいんでしょ?
かわいいカッコわるいでしょ?
いえ、
かっこわるいカッコわるいフルスロットル。
悪童的な諧謔、辛辣な皮肉を織り交ぜた芝居と、
滑稽なコメディエンヌの絶妙なバランスは、
まさに高難易度の綱渡り。
観客に引かれたらおしまい、ノレないのも辛い。
その絶妙なバランスは、演劇表現における高度な技術が要求される。
本屋のシークェンスでは、
意外な展開も期待させるような、
爆発力だった。
そんな世界観を背負っても違和感がない、
悪態をついても嫌味が無い事をシンパイしつつも、
彼女の、モノがちがうエンジンのデカさのようなものも感じた。
阿部寛と仲間由紀恵の丁々発止のやりとりを想起させる、
「トリック」ファンの方にはおすすめかもしれない。
のんワールド大全開🥳
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