私にふさわしいホテルのレビュー・感想・評価
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バットは振り切る!
経済アナリストの森永卓郎さんが日頃からラジオで発言している「バットは振り切れ!」、まさに本作ののんさん、見事に振り切った演技だと感じました。
いつもながらの、どこから見ても「のん」ではあるのですが、実年齢とほぼ同じ主人公を等身大でやり切る姿に清々しさを覚え、荒唐無稽に感じられるストーリーでありながら、最後までしっかりと観ることができました。
そういう彼女だからこそ、色々あったにせよ起用してみたい、一緒に作品を創りたいと思う人が次々と現れるのかなぁ、などとも思ったりして。
そして、ストーリーの重要な部分を占める舞台として、閉館してしまった「山の上ホテル」が登場し、若かった頃の自分を重ね合わせて感慨深くもあり、作品も場所もどちらも楽しめた良作でした。
悔しさがある限り
主人公は私だ!
劇中劇の主人公みたいだなと思ってみてたら、そのまんま劇中劇の主人公だった。
ともあれ、とても勇気づけられる作品。
彼女はとてもパワフルで、不屈の闘争心で立ち上がってくる。小説家って言う種類の人にはそう言う夥しい熱量が必須なんだろうなと思って見ていたのだけど、何の事はない。彼女は自分の夢を諦めず、ひたすら自分の可能性を信じ、誇示しただけの人だった。
それがどれほど難しいのかは言わずもがなではあるのだが、自分の人生に責任を持てるのは自分だけだとの核心をついていたように思う。
自分の人生の主人公は自分なのだ。
そんなメッセージを大声で主張し続けていたのが彼女だったように思う。
原作は知らないけれど、物語の展開もスピーディーで飽きる事はないし、演者の掛け合いもすこぶる楽しい。特にのんvs滝藤氏のシーンはどれも秀逸だった。俺的にお気に入りなのは滝藤氏のウィスパーで、空間と状況を的確に捉えていて楽しかった。
往々にして芝居という前提の元に無視される周囲の環境を彼は無視せず、積極的に取り込んでいたようにも思う。
のんさんは、初見で芝居がかった芝居をしてんなぁとも思ったのだけど、不思議と馴染む。そしてラストカットで腑に落ちる。やっぱ稀有な才能の女優さんだと思う。状況がそうさするのか、役の性格がそうさせるのか、説得させられるし、納得してしまう。
何気に文学界の闇を突いてるのも面白かった。ホントかどうかは知らないけれど、編集者や作家が語るそれらには「あるかもな」と思わせられてしまう。
田中みな美さんのママも良かったわー。
キャスティングはそれぞれ抜群だった。
鑑賞中は大いに笑ったし、芝居巧者の皆様を堪能できて、とても幸せな時間だった。
やったれのんさん!
ー のんさんも仕返しすることがあるんですね?
「仕返し癖があるかもしれないなと(笑)。今回演じてみて、
今後は加代子のように、ド派手にやりたいなあと思いました」
このインタビューのこの言葉に尽きるでしょう。
ふつう大手芸能事務所を敵に回して名前まで取り上げられたら(千と千尋の湯婆婆かと)皆んな知らない間に居なくなるのに、どっこい第一線に居座り続けてこうやって映画の主演を何本もこなして映画賞をかっさらい続け、声優さんやアーティスト、映画監督としてもしっかり爪痕を残し続けている。そんなのんが演じるからこその主人公加代子のリアリティってことでしょう。だって他の俳優さん思い浮かばないもの。
キャスティングも我らが高石あかりを筆頭に滝藤賢一、田中圭、田中みなみ、若村麻由美と実力派がずらり。来るかなー?と思ってた例の相方さんもしっかり出演しているのでニヤリとしてください。
残念なことに都内の上映館は少ないしスクリーンも小さめですが、齢を重ねた堤監督のグッと抑えた演出の良いところだけを集めた上質な98分。あと8分削れたらポンポさんもベタ褒めしてくれたハズです。こういう日本映画が増えると良いな、と観客みんなが思ってる、そんな心中が伝わってくるような終幕後の劇場の雰囲気が最高でしたね。あと、舞台となった山の上ホテルは解体の危機を脱して明治大学が歴史的建物を活かした新たなホテルとして開業を目指してるらしいけど改悪にならないように見守らないとですね。
ということで、わたしはのんさんがリアルな世界で繰り広げるド派手な復讐が1番楽しみです。
それではハバナイスムービー!
私にはふさわしくなかった作品
のんに尽きる
山の上ホテルのインテリアと、のんの衣装が素敵すぎる
気軽に楽しめるコメディ
原作は未読。
御茶ノ水にある山の上ホテルは文豪に好かれていたホテルとして有名だ。そのホテルを舞台にした、小説家と編集の物語。長編というより、短編集をまとめた感じの話だった。これはこれで好きな部類の話。
最初の設定が1984年なのもうまい。この時代ならこんな強引なこともアリだったかもなと思わせる。カラオケで歌うのが「真夜中のドア」だったりするのも現在の若い人が知ってそうな選曲で面白い。ただ、時代がそれなりに移り変わっていくのに演者たちの変化が、髪型と化粧と服装だけというのもわかりづらい。のんがそもそも年齢不詳なところがあるからこれで成り立つのかもしれないけど。
東十条先生の家族と加代子が絡むシーンは笑えた。髙石あかりと若村麻由美の演技が光るいい場面だった。他にも田中みな実や橋本愛といった俳優が短い時間で存在感を示したことも印象的だ。やはり短編連作的な作りは好きだ。
全体的にのんのオーバーな演技が少し鼻についたが、それも昭和の時代設定と考えればギリ受け入れられるか。田中圭と滝藤賢一の2人でうまくバランス取れていたから問題ではない。楽しいコメディ映画だった。
のんさんの演技力
楽しく切なく美しく考えさせられる映画 観るべし!
のんちゃんがオードリーヘプバーンのよう。
唯一無二の不思議な魅力にガッツリ引き込まれます。
日本であるようでどこか別の世界線のようでもあり、どこかレトロでおしゃれな雰囲気も素敵。山の上ホテルの魅力的なこと!いつか行ってみたい。
コメディタッチで楽しいけれどリアルな生きづらさや不条理な苦しみ、大きな力に抗う強さとたくましさ、女性同士の連帯などの側面もしっかり描かれていて、お見事です!
ラストシーンは胸が熱くなりました。。
のん滝藤賢一田中圭の三つどもえの演技合戦も見ごたえあり。
登場時間は短いものの華やかな脇役陣の皆さんの演技も素晴らしかったです。
特に書店員の橋本愛&のん!もっとずっと観ていたかった。。橋本愛さん主演の次回作にのんちゃんが出演するとのことなのでそちらも楽しみです!
奇妙礼太郎の主題歌「夢暴ダンス」も映画の世界観にぴったり、ソウル&ポップのさじ加減がナイス♬素敵な曲でした。
堤監督の新境地、小粒ながらしゃれていてウェルメイドの良作です。ぜひ観てほしい!
笑顔
のんらしいコメディ全快の映画。
可愛い服を着て、洋装も和装も似合う七変化。
トナカイにもなるし。
その服装が代わる代わるのように嘘を連発。
まるで息を吐くかのように。
文豪コールは笑った。そして原稿にシャンパン
をかける姿は痛快である。
真っ直ぐで諦めない精神が彼女らしく
また本来の彼女、のんの生き様とも
かぶった感じもした。
あの受賞した時の雰囲気と美貌。見事だね。
より化けた。
性格の悪さは愛嬌。彼女の魅力を最大限に引き出した笑顔はキュートで眩しい。
面白い文壇下克上コメディでした。
もちのロン、爆笑いでした(^^)
良い感じのコメディでした。
のんは良いですねー。
雰囲気も好きな感じの映画でした。
舞台は1984年の東京。
予告にあったホテルで大御所作家の邪魔をするというのは序盤の話で、その後の話がメイン。
てっきり、ホテルで邪魔をするドタバタがずっと最後まで続くと思ったら違かった。
滝藤賢一との掛け合いが楽しかったし、のんのコメディエンヌの魅力が爆発してました(^-^)
のん、31歳なんですね。
画面で見ても、あまちゃんの時と比べて大人の女性になったなと感じた。
日本でトップクラスのコメディエンヌだと思います。
さかなのこ以来に彼女の映画を映画館で見た。
もっと彼女のコメディエンヌとしての映画見たいですね。
堤監督の笑いは控えめで好きです。
先日見た聖☆おにいさんの福田監督の強引な笑いよりは好きかな。
あえて作家論として見ると
のんさんを見ていたい気持ちには十分応える映画だった。お話として納得し切れないのに、引きずりこんで見せる勢いは素晴らしい。
落ち着いて作家論としてみれば、新人が2作目を生み出すことの苦しみとか、ベテランが書き続けることのモチベーションが他者へのやっかみであることなど、掘り下げると面白いテーマがいくつかあった。
書きたいという純粋な気持ちより、怒りが作家を動かすというのは真理かもしれない。
その割に最後はベテランがデビュー作と同じ気持ちで執筆に臨むのがよしとされるのはそれでよいのか。途中に出てくるイノセントな高校生作家は邪念が無いので書けなくなってしまったのか。もう少し説明が欲しい。
編集者は作家と同じところまで落ちてこいと煽られてましたが、受賞スピーチでのんさんに感謝されるようなことを何かしましたっけ。
以上のような面での納得感は誰も求めない映画だと思うが、画面から伝わるのんさんの怒りには本物感があるので、もう少し何らかのメッセージがあれば余韻が残る映画になったのではないか。
「言われなくたって、書きますよ」
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