「のんを観る映画?」私にふさわしいホテル ゆり。さんの映画レビュー(感想・評価)
のんを観る映画?
始まりは1980年代の山の上ホテル。駆け出しの作家中島加代子(のん)は、大御所東十条(滝藤賢一)が文壇を牛耳っていると思い、彼の執筆の邪魔をして、代わりに自分の原稿を採用してもらおうと画策する…
のんの魅力全開。古めかしいホテルにレトロファッションののんは美しく、なのに色気は全く感じない不思議。中島vs東十条のバトルは爆笑するシーンもあってとても面白いです。
ただ、映画館を出たら、はて、自分は何の映画を観たんだろうとも思いました。文壇の内幕を面白おかしく批判?不遇の作家の華麗なる復讐劇?
のんは魅力的だったけど、演じた中島には魅力を感じなかったんです。
中島の人物像とは。出版社の新人賞を取ったのに東十条に酷評されて恨んでいる。演劇部だったから人をたぶらかすのは得意。自分の目的の為ならなりふり構わずどんな卑怯な手も使う。
これを愛嬌のあるキャラクターとして演じたのんさんは流石とは思います。
が、映画では、彼女の文学への愛が見られませんでした。創作のアイディアをたくさん持っているとか、作品を書き溜めている、でも発表の機会がない、という描写が無いからです。野心家なのは良いとしても、直林賞がどうしても欲しいだけの人に見えてしまいました。
むしろ、東十条の方が純粋に文学を愛しているように見えました。
そうなんですよね。創作意欲がすごくあって、自分の書いたものを多くの人に読んでもらいたい、私は日本一本が売れる作家になってやるぞー!みたいな野心なら、もっと楽しく観られたんですが。
共感有り難うございました!
仰る通り私も中島という人物像について疑問がありました。「粗暴だが(笑)、純粋に文学を愛する側面もある=のんさんに演じてもらいたい役」とはなってなかったです。女子高生の作家の卵の作品を実際読んで、自分の作品とのあまりのギャップに精神的に落ち込んでしまうシナリオとかにすればバランスとれたのに・・・と思いました。
共感ありがとうございます。
ゆりさんの言う通り文学を純粋に考えていたのは東十条先生だと思います。
中島(のん)はただひたすら賞を執りたいための復讐劇なんですね。
コメディタッチに演出しているのでそれに乗れるか乗れないかで評価が違ってきますね。
いつもありがとうございます。
今年もよろしくお願いします。