「誰も止められないマッドな文学賞争奪狂想曲」私にふさわしいホテル シネマディクトさんの映画レビュー(感想・評価)
誰も止められないマッドな文学賞争奪狂想曲
売れない女流作家が閉鎖的な文壇や文学賞を相手に暴れまくるスラップスティック・コメディの快作で、めちゃ笑えました。一冊も単行本を出してない女流作家ののんが、文豪御用達ホテルに自主カンヅメするトホホな出だしからして笑えます。ところが、遺恨のある大作家が同宿していると知るや、作家への凄まじい妨害工作が大爆笑です。その後も、文学賞を取るために、文学賞受賞会場や銀座のクラブ、果ては作家の家にまで入り込んで、滝のように出てくる嘘八百、なりふり構わないブチ切れ暴走振りが、むしろ潔いくらいでずっと笑いっぱなしでした。一方で、主人公の行動を通じて、作家も編集者も女性に対して独善的なイメージを押し付ける、一種男尊女卑的な文学界の体質を描いているところが、この作品のテーマであり主人公の行動原理なのがわかります。役者では、まさにのんの独壇場です。マッドな暴走パフォーマンスと女性的な可愛らしさとあざとさの演技は、抜群です。ご本人自身が理不尽な芸能界へのフラストレーションを爆発させているように思えるのは考え過ぎかな。田中圭、滝藤賢一の受けに回ったバランスの取れた演技もよかったです。
コメントする
talismanさんのコメント
2024年12月31日
中性的!それものんの大きな魅力ですね。髪型もショートからロングからアップまで何でも来い!似合う!シネマディクトさんのレビュー、コメント今後も楽しみにしています!
来年もよろしくお願いします!