劇場公開日 2024年12月27日

「良くも、悪くも、振り切った「のん」が堪能できる」私にふさわしいホテル tomatoさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5良くも、悪くも、振り切った「のん」が堪能できる

2024年12月28日
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タイトルから、山の上ホテルで繰り広げられる物語なのかと思ったが、ホテルが舞台になるのは導入部とラストだけ。
大御所作家の書評によって筆を折られた新人作家が、ホテルで大御所の執筆を妨害して以降は、大御所作家が新人作家の文庫本の出版を邪魔したり、新人作家が別の名前で新人賞を獲得したり、2人が共闘して編集者に復讐しようとしたり、新人作家が大御所作家の家庭に乗り込んで行ったりと、様々なエピソードが積み重なっていって、まるでオムニバスのような趣きがある。
そこでは、互いに反目し合い、いがみ合いながらも、それが創作活動の原動力にもなっている新人作家と大御所作家の関係性が一貫して描かれていて、まるで「トムとジェリー」のように仲良く喧嘩する2人の掛け合いが微笑ましい。
その一方で、デビュー作の短編を発表しただけで文壇から去って行った女子高生や、上から目線で自意識過剰なキャラクターが改められないままの編集者など、消化不良気味なエピソードもあって、そうしたところには物足りなさが残る。
ハイテンションで振り切った演技によって、コメディエンヌとしての「のん」の魅力が堪能できるものの、彼女の最大の持ち味である「素朴さ」のせいで、それらがわざとらしく感じられてしまい、特に、大人の男を手玉に取るような小悪魔的な魅力が伝わってこなかったのは、残念だったと言わざるを得ない。

tomato
tomatoさんのコメント
2024年12月29日

確かに、この映画に「色仕掛け」はそぐわないですね。
でも、いつか、「色仕掛け」が様になる「のん」が見てみたい気もします。

tomato
トミーさんのコメント
2024年12月28日

色仕掛けが出来ないからこそ、マシンガン手管に振り切ったんじゃないですかね。センパイにはちょっと仕掛けそうな匂いもしましたが・・妻帯者ですからね。

トミー