「ドタバタコント」私にふさわしいホテル カツベン二郎さんの映画レビュー(感想・評価)
ドタバタコント
山の上ホテルは老朽化のため現在休業中で、歴史的建造物継承とホテル業再会を目指し、ご近所の明治大学が土地と建物を買い取り、必要な部分のみ改修工事していくという事をつい最近発表している。
私は数十年ほど前に友人の結婚式で1度だけ訪問したことがあるが、立地も良く、コンパクトだが重厚で風格を感じさせる素敵なホテルで、名だたる有名作家が好んで利用されたというのは納得できる趣きのある佇まいである。
人気作家がこのホテルに缶詰めになり、銀座のクラブに通い、文壇バーに入り浸る事はもはや昭和の遺物だが、80年代あたりではまだまだそう言う事が作家の間では流行っていたようだ。
のん演じる主人公の中島は作家としての能力はないが人気作家になりたい、人気作家のやる事がしたいという欲求だけは尋常じゃない程強く、作品や自分自身を評価してもらうためには手段を選ばない努力のベクトルが間違っているタイプ。
ストーリーは基本的に中島、田中圭演じる大学の先輩でエリート編集者の遠藤、滝藤賢一演じる大御所作家の東十条の3人のリアリティのないドタバタコントがほとんどだが、脇には光石研、若村麻由美、橋本愛、高石あかり、田中みなみなどの有名どころがズラリと揃っているが出演時間が短く気持ちいいくらい贅沢な使い方となっている。
のんと橋本愛のあまちゃんコンビの共演が話題になったようだが、二人とも良い年の取り方をしており、素敵な女優さんになったと思う。
のんの和服姿は本当に綺麗だった。
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