「【”文壇大御所VS新人女性作家との果てしなき戦いの数々!”今作は、全く変わらぬ透明感が素敵なのんさんのコメディエンヌとしての魅力満載の”文壇あるある”クスクスコメディなのである。】」私にふさわしいホテル NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”文壇大御所VS新人女性作家との果てしなき戦いの数々!”今作は、全く変わらぬ透明感が素敵なのんさんのコメディエンヌとしての魅力満載の”文壇あるある”クスクスコメディなのである。】
ー 私はのんさんの主役出演映画は全て欠かさずに映画館で見ている。
理由は、且つて彼女が公共放送の朝のドラマで天真爛漫なヒロインを演じた事で、東北の民が大きく勇気づけられたからである。朝のドラマなので録画して見ていたが、”物凄い透明感を称えた眼がとても綺麗な女優さんだなあ、笑顔が可愛いなあ。”と思ったモノである。
今作で嬉しかったのは、のんさん(ある時期まで、私はレビューで頑なに能年玲奈さんと書いて来たが・・。)が身に纏う透明感と眼の美しさが全く変わっていない事と、橋本愛さんが出演している事である。
あとは、今は休業しているが「山の上ホテル」の内装と、あの401号室と憧れの501号室がタップリ見れた事である。-
■ある出版社の新人賞を受賞したにもかかわらず、文壇大御所、東十条宗典(滝藤賢一)の書評での酷評により新人作家相田大樹こと中島加代子(のん。以下加代子と記す。)は単行本すら出版できない。そこで、彼女は山の上ホテルの501号室に籠り執筆する東十条に近づくために、401号室に部屋を取りアプローチをしていく。大学の”演劇部”の先輩で大手出版社の編集者遠藤(田中圭)の助力を時々借りながら・・。
◆感想<Caution!内容に触れているのと、且つての"文壇あるある"を入れてます。)
・序盤、中島加代子がホテル従業員に紛争して山の上ホテルの501号に籠って執筆する(文壇あるある①)東十条を邪魔するシーン。”文豪コール!逍遥、四迷に鴎外、露伴!”と叫びながら、シャンパンをシャカシャカ振りながら東十条の原稿にぶちまけるシーン。クスクス可笑しい。
そして、加代子は東十条に一晩中話しかけて、原稿入稿を落とさせて、空いた枠に自分の作品を入れる事に成功するのである。ど根性だなあ。
・その後も加代子は、東十条の愛人でもある銀座のバーの和服姿が似合う明美(田中みな実)と東十条が飲んでいる所(文壇あるある②)に闖入し、ボトルを4本も空にしたり!(お値段、80万!ウーム、銀座のバーは矢張り高いなあ。)、一番可笑しかったのは、ナント東十条の奥様(若村麻由美。凄く嬉しい。)と仲良くなり、彼の家に東十条が買ってあげた明美の和服を借りて押しかけるシーンである。ジワジワと責められる東十条、攻める加代子。序でに彼女は、東十条の娘(高石あかり)とも仲良くなるのである。
それは、”鮫島賞”の最終選考に残った加代子の策略であった。東十条は選考委員の一人で最も影響力のある彼を、選考会に登場させない加代子の高等戦術である。(文壇あるある③:今はどうだか知らないが、且つてはお気に入りの銀座のホステスを取られた文豪が、それを根に持って取られた作家に、絶対に賞を取らせなかった事、多数である。特に名は記さない。)
・だーが、二人は遠藤が高校生作家(服部樹咲)を説得している時に、東十条と加代子を貶した事から、一時休戦し、今度は二人で遠藤に嫌がらせをするために、しょぼいサンタとトナカイに扮装するも、娘2人からしょぼさを指摘され、撃沈するのであーる。クスクス。二人は何だかんだ言って、仲が良いんじゃないのかなあ。
■加代子は、何だかんだ言いながら、徐々に文壇での地位を上げて行くのである。その活動の中で書店での”サイン会”もやったりするわけだが、カリスマ書店員(橋本愛)にポップを書いて貰うように交渉したり、サイン本を置かせて貰ったりするが、偶々居合わせた新刊泥棒を捕まえた時に出て来た本が、東十条のモノであった事に逆上するシーンも可笑しかったなあ。
■けれども、東十条も加代子に刺激を受けて、自宅の書斎に籠って”ヒジョーに読みにくい字を万年筆で書き殴りながら(文壇あるある④:且つては悪筆の文豪専門の解読編集者がいたそうである。)、夜鍋で執筆するのである。
<数々の努力の結果、相田大樹こと加代子は”鮫島賞”選考結果を、編集者遠藤達と喫茶店で待ち、黒電話が鳴った途端に遠藤はその受話器を相田大樹に渡すのである。(文壇あるある⑤。今はラインかなあ、且つては皆で黒電話が鳴るのを睨んでいたそうである。)
そして、相田大樹こと加代子は見事に”鮫島賞”を受賞するのである。
その2年後に、彼女は山の上ホテルの501号室で、原稿用紙を広げるのである。
今作は全く変わらぬ透明感が素敵な、のんさんのコメディエンヌとしての魅力満載の”文壇あるある”クスクスコメディなのである。>
■追記
・エンドロールが終わるまで、席を立っちゃ駄目だよ!!
直林賞ではありません。原作でも映画でも加代子(有森樹李)が受賞するのは「鮫島文学賞」。これは原作者の柚木麻子さんが受賞した山本周五郎賞をイメージしているのだと思います。直林賞はもちろん直木三十五賞を指しますが、小説・映画の加代子が直林賞を授賞していないのと同様、柚木さんも直木賞はまだ受賞してません。
おはようございます!
ベスト1200本なんてあるのですか⁈
知らなかった。
私も今日はPCの外付DVDを買いに行き、我が家で冬眠中の古い映画を見られるようにしようかな、と。