マハーラージのレビュー・感想・評価
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欲と恐れが支配を支える
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何気なく配信で見たこの映画はかなり重いものだった。
人間社会において支配はどこにでも存在するけれど、ドームのように余す所なく全体を覆われた支配には突破口などなかなか無い。
司祭様が言っていた「内側からは無理だが外側からなら何か出来る」支配に呑み込まれた者が事を動かす難しさを表している。
このJJという宗教指導者は男という生き物の欲深さをよくわかっていて、自分自身もそうであり、性的奉仕の様子を金を取ってまで取り巻きの下僕に覗かせる、それを必要とし群がる下僕らに支えられ、それをやる事でさらに自身の権力を誇示し格差を強固なものにしている。
JJ役の俳優にインパクトがあり、それに付き従うカワスが道化のような狡賢さを醸し出していた。
アーミル・カーン氏の息子は熱演だけれど、もっと眼力が備わっていたら尚良しだったかな、と思う。
ところどころ、ん?と思う箇所もあったが、支配と強欲と不正、狂信と隷属と悪しき慣習、改革と孤独、この世の色んな要素が含まれていて見応えがある作品だった。
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司法制度…
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結果としてイギリスの統治下ということはあるのだろうが、この時代のインドにおいて、きちんと確立されていたことに驚く。聖職者が立場を利用し、性加害を行うという事例は古今東西あり、今回の場合、本人も家族も受け入れていた、むしろ喜ばしいと受け取る家族もいたくらい、宗教というより、洗脳の恐ろしさを感じる。それに立ち向かったカルサンの勇気、彼を支えた仲間たちがその後のインドにおける、宗教指導者も司法で裁かれること、女性の地位向上に影響を与えたのだと思う。直接的な歌詞とダンスシーンがあるのがインド映画らしい。JJ役が印象的だった。
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