「この作品には、もっと深い意味が隠れている」ビートルジュース ビートルジュース いなかびとさんの映画レビュー(感想・評価)
この作品には、もっと深い意味が隠れている
ティム・バートン監督の名は知っていたが、その作品を真剣に鑑賞したことがない。この映画が公開された時、鑑賞してもいいかなと思った程度で、結局見逃してしまった。
たまたま訪れたレンタルビデオ店にあったから、借りてみた。リニューアルセールで1本50円と超お得。
娯楽映画だと思い込んでいて、何も考えずただ見ていた。面白い映画だと感じていた。後半部分に入って、「アレ、これは違うな」と思えてきた。実人生を真剣に見つめろと言うテーマの他にもっと深い物がある。人の生死や人の生き方に関係する深い意味みたいだ。奇想天外な描写、ギャグ満載、流行った映画やテレビ番組やパロディ・監督の遊び心に隠れて。例えば何かを得ようすれば、何かを犠牲にしなければならない。(青年が少女を騙して生き返りしようとすること)この世には目に見えるものが全てでない。人を騙してでも金を手に入れたい金銭欲、元夫に執着する女(モニカ・ヴレッティ)。男女の愛、家族愛は当然のこと。私が肝と感じたのは、真面目さは人生に欠かせないけれど、それと同様に想像力やパロディ・ギャグも大事だよと。冒頭、街の描写が長く続くけれど、これもドナ・サマーが歌う「マッカサーパーク」と関係がありそうだ。
返却期限が迫っていたから、返してしまったけれど、もう一度観る必要がありそうだ。ティム・バートン監督の他作品も鑑賞する予定だ。
最後にモニカ・ビレッテイについて、いつも想っていることがある。この女優は遅く生まれすぎた。こんなに美人なのに、映画史に残る傑作がない。彼女の映画全てを私は観ていないけれど。ヴィスコンティ、フェリーニ、デシーカ、ロッセリーニなど第二次世界大戦後のイタリア映画巨匠監督が現役だった頃に生まれたなら、きっと彼女を採用したはずだ。もう、これは運だから何ともしようがない。高峰秀子や亰マチ子等前後の日本映画全盛の頃の女優は、後世まで残るだろう。