悪い夏のレビュー・感想・評価
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どん底の二人、幸せになれるんじゃねえ?
市役所の生活福祉課に勤める公務員(北村匠海くん)の転落劇。
そもそも魅力的なシングルマザー(河合優実さん)のハニートラップに抗することは不可能。
多くのものを失った二人が幸せになることを祈るばかりだ。
てか、この二人、幸せになれるんじゃねえ?
見ていてつらい
いい感じだったけど最後がドリフ。
エンタメとしての完成度は高いが、、、
「ビリーバーズ」の城定秀夫監督、「ある男」の向井康介が脚本、更にシングルマザーを演じる河合優実をファンとして観たく、封切上映で鑑賞。
貧困ビジネスをベースに、市役所の生活福祉課に勤める真面目で気弱な公務員が、破滅へと転落していく姿を描いたサスペンスドラマ。
リズムよく、ストーリーに引き込んでいくあたりは、監督、脚本ともに秀逸。キャスティングもよく、北村匠海は主人公が闇に堕ちていくさまをとても上手く演じている。河合優実の演技は相変わらず素晴らしく、彼女らしい魅力が全開。脇を固める俳優陣も素晴らしかった。
エンタメとしてはとても面白く、上手にまとまった作品だが、その分破綻と余韻という点では若干不完全燃焼。映画館ではなく配信でもよかった感あり。
配役ピッタリ
運が悪いではすまないとばっちり
最近見た中で一番いい
クズとワルと無垢
これは河合優実を観るための作品である
染井為人の原作に基づく犯罪サスペンスであり、生活保護の不正受給という社会問題(もしくはセーフティネットたる生活保護の仕組み自体の課題)をテーマにした社会派映画でもある。
クライマックスの暴力シーンも含めて筋運びが実にしっかりしており、男優3名(北村匠海、窪田正孝、竹原ピストル)の熱演もあって見応えがある作品となっている。
でも、でも、私はこれは河合優実の映画であると言い切ってしまう。つまり不幸のオーラを発している彼女のむくれ顔を観るためのいわば三部作(「あんのこと」「ナミビアの砂漠」そして本作)の最終章であると。この作品群のあいだじゅうを通して、彼女は肉体面、経済面、精神面のすべてから搾取される者を表現した。搾取しようとする相手は、男どもであったり、社会であったり、制度であったりするわけだが、一方で彼女は搾取する側に加担する者でもあり続けた。この作品がその構造を見事に表している。シングルマザーの彼女は不正受給に手を染めることによって、真にそれを必要とする人達からリソースを搾取しようとしたのである。そこは木南晴夏の演じる生活保護申請者のエピソードが補助線として引かれておりとても明確である。ちなみに申請窓口にきた古川母子に対して佐々木が浴びせる罵倒は、ネットにおいて生活保護受給者や受給希望者たちに浴びせられる罵詈雑言とほとんど同じ内容であることを付け加える。
話はそれたが河合優実は、搾取される女性の姿を演じつつ「自分が自分でよくわからないから」といったあいまいな姿勢を取ることによって結果として搾取する側に加担してしまう女性の姿を無意識に演じている。
そこが、この極めて現代的な女優の立ち位置ということになるのだろうが、はっきり言って、むくれ顔にも見飽きてきた。そろそろ違った表現も見せてほしいと思う。多分、彼女がまだやっていないのは女性同士の連携といった領域だと思う。孤独を演じるのは得意だけどひょっとしたら連携を演ずるのは不得手なのかもしれないけど。
おまけ。本作では河合のむくれ顔と北村の三白眼と顔芸が見事に呼応して、女も大変だけど男も大変であるなあとしみじみ思わせた。そこが面白かった。
心温まるホームドラマに感動(途中までは)
現実の生活保護不正受給率は0.4%程度。
でも、この映画を観ていると不正受給する人だらけで、ますます生活保護への差別が進みそう。
ただ一方で、本当に生活保護を必要としている人をまあまあの時間をかけて描いていたのは、フェアな作りに感じた。
終盤、生活保護を申請しにきた女性に対し、市役所の担当者が罵声を浴びせる場面。
このとき担当者の言ってくることが、生活保護に関するニュースが報じられたときの、ヤフコメでよく目にするような意見と酷似。
群馬県桐生市で生活保護支給者への恫喝がニュースになったことがあったが、この場面みたいな感じだったのかと思うと、居た堪れない気持ちになった。
生活保護に関しては、まず本当に必要な人に届くことを最優先に考え、その後に不正かどうかを調べればよいだけだと思うのだが…
0.3%を0%に近づけることを最優先に考えてしまっている人たちにとっては、この映画のこの女性の顛末を観ても「まあしょうがないよね」って感じなのかな?
この映画で個人的に心に残った場面は、中盤の北村匠海演じる生活福祉課の職員・佐々木と河合優実演じるシングルマザー・林野のホームドラマパート。
生活に困窮する林野は育児放棄気味。
その様子を見かねた心優しき佐々木が、「子供に罪はない」と言わんばかりに、林野の娘に献身的に接するようになり、仕事と関係ない日にも娘に会いにいくようになる。
表情の暗かった娘は徐々に佐々木に心を開くようになり、明るさを取り戻していく。
今まで見たことのない娘の喜ぶ姿を見て、荒んだ生活を送っていた林野にも、少しずつ変化が現れ始める。
前半で世の中の腐りっぷりを散々見せられた後なだけに、この「世の中捨てたもんじゃない」な展開に、かなり感極まってしまった。
個人的には「このまま三人は幸せに暮らしました」なエンドでも満足なぐらい、この場面が気に入ってしまった。
「三人にこれ以上不幸なことが起きませんように!」と願わずにはいられなかった。
そんなに城定秀夫監督は甘くないわけではあるが…
この映画に出てくる悪人には2種類あると思った。
「根っからの悪人」と「悪人になる人」。
「根っからの悪人」はともかく、生活苦から悪事に手を染めてしまう人の場合、自分は甘々人間なので、そういう人に対しては同情の気持ちが強くなってしまう。
生活に余裕のある人が増えた方が犯罪は減ると思うのだが、現実社会では格差はどんどん広がり、物価もガンガン上昇し、むしろ逆行しているように感じる。
社会の中ではそれを歓迎している人が多いように感じるが、個人的にはどうかと思っている。
そういう意味でも生活保護って大事だと思った。
林野が元々働いていた風俗店の場面が、今年公開の『ANOLA アノーラ』に出てくるストリップ劇場の日本版に感じた。
『ANOLA アノーラ』と比べ、オシャレさを減らして、生々しさをアップした感じ。
この中にいる人間の中で一番金銭的に裕福なのが誰かを考えたとき、社会構造の理不尽さに気分が悪くなった。
終盤は今泉力哉監督の映画みたいと思った。
役者たちの熱演はものすごい迫力だったが、ドタバタコメディの印象が強く、社会派な感じは減少してしまった気がした。
おっぱいがいっぱい(名もなきパイのうた)
2025年映画館鑑賞32作品目
3月31日(月)イオンシネマ石巻
ハッピーマンデー1100円
原作は『正体』の染井為人
監督は『女子高生に殺されたい』『ビリーバーズ』『夜、鳥たちが啼く』『銀平町シネマブルース』『嗤う蟲』の城定秀夫
脚本は『聖の青春』『愚行録』『ハード・コア』『マイ・ブロークン・マリコ』『ある男』の向井康介
舞台は架空
船岡市
ロケ地は佐野市と飯能市
生活保護を絡めたサスペンス
ダメ人間しか出ない映画らしい
エログロナンセンス
真夏
エアコンもない貧困
汗ばむエロティシズム
河合優実のはじめのメイクがドギツい
極悪同盟の下っ端みたいな感じ
しかし守と親密になりはじめた頃からなぜか普通になる
窪田正孝はこういう役が一番似合う
無口なマッチョとか童貞っぽい変人よりも
伊藤万理華は下からイライラしながら少し抑えめに理屈っぽいことを言うキャラがよく似合う
箭内夢菜は役作りのためか激太り
野呂佳代かと思ったら違った
『シャイロックの子どもたち』では性悪な銀行員を演じていた木南晴夏は今回も怪演
貧困に喘ぐ母子家庭の疲れ果てた主婦を見事に演じ切った
万引きで捕まり喚き散らすシーンがないのはとても残念
この作品を鑑賞し自民党ガーと食ってかかるヤフコメ民の政治豚みたいな書き込みはできない
映画のレビューに乗じて政治談義に花を咲かせるのは本当は大の苦手だ
全然楽しくない
アパートに主要なメンバーが揃った時これはコメディーかもしれないと思った
揃いも揃った顔と顔
東映オールスター時代劇のクライマックスのよう
まあそれほど凄くはないけど
チャップリンの名言「人生はクローズアップで見れば悲劇だがロングショットで見れば喜劇だ」と思い出した
それにしてもなぜ東京にはホームレスがいるのか
なぜあんなに大量の空き缶を集めて自転車で運ぶのか
仙台や盛岡では見かけたことがない
あとまたしても吉岡睦夫
『早乙女カナコの場合は』『少年と犬』そして今回
3回連続で吉岡睦夫
配役
優実に嵌められる生活保護のケースワーカーの佐々木守に北村匠海
山田に話を持ちかけられ金本の指示で守を嵌めるシングルマザーの河合優実に林野愛美
愛美の娘でお絵描きが大好きな林野美空に佐藤恋和
守の同僚で高野に対する異常な執着と異常な正義感を持つ宮田有子に伊藤万理華
守の上司の嶺本に菅原大吉
妻子を持ちながら後輩の有子と関係を持ち担当している愛美とも肉体関係を続ける守の先輩の高野洋司に毎熊克哉
夫が役場を辞めた途端に離婚する高野の妻に美玖空
高野の娘に出口結葵
高野の息子に太田恵晴
セクキャバの経営者で犯罪の計画者の金本龍也に窪田正孝
金本の愛人でぽっちゃりの莉華に箭内夢菜
ドラッグの売人で生活保護を受けている山田吉男に竹原ピストル
万引きに手を染める貧しい母子家庭の母親の古川佳澄に木南晴夏
佳澄の息子に古川勇太に斉藤拓弥
ホームレスにチャンス大城
佳澄の友人に山本裕子
工場の責任者にカトウシンスケ
刑事に吉岡睦雄
刑事の立花に岩男海史
コンビニの店員に山下永玖
セクキャバのマネージャーの平岡亮
セクキャバの従業員に足立英
スーパーの客に金沢涼恵
コスプレ嬢に渡森さや
コスプレ嬢に松原怜香
市役所の職員に昼間由輝
河合優実のトリセツ。
生活保護をめぐる犯罪映画。城定秀夫が監督、向井康介が脚本を書いた。底辺…というか怠けたワルがたくさん出てくるんだが、巻き込まれた主人公の無力ぶりが腹が立つ。貧困から抜けられない若い女を演じると、現役最高のパフォーマンスを発揮する河合優実にはやっぱり注目。ただし、城定映画ではここまでしかやらんか、というのが私は残念です。
それ以外の配役はすこぶる面白かった。
キャストとスタッフが揃った秀作
まずキャストがいい。
北村匠海さん、河合優実さん、窪田正孝さん、毎熊克哉さん、伊藤万理華さんなど、誰か一人でも出ていれば映画を見たくなる若手キャストが揃ってます。
染井為人さん作品の映画は個人的に当たり外れがあるのですが、本作はダントツに当たり。良くも悪くも城定監督らしいタッチで、独特の猥雑さを匂わせながら、絶妙なドライさ加減で物語が展開していきます。
クライマックスはやりすぎな気もしますが、そこも城定さんらしく、さらっとしたエピローグに繋げて終幕します。
キャストはすべてよかったのですが、窪田正孝さんは圧巻でした。爬虫類っぽいお顔は苦手なのですが、その存在感は認めざるを得ません。
素晴らしい作品を拝見しました。
変貌っぷり
勢いと映画的華
精神的に追いつめられるところは他人事と片付けられない
原作は未読。
生活保護ビジネスを絡めた話でクズとワルばかりが出てくるってことになると観に行かずにはいられない。
河合優実と竹原ピストルの底辺感がとてもいい感じ。中盤からやさぐれていく北村匠海の演技も見どころだ。生活保護を悪用して儲けている悪い奴らがいることは知っている。でもその受給者も犠牲者と言える。そんなことを強く感じさせる展開だった。
後半の修羅場を迎えてからは雰囲気がサスペンスよりにシフトしていくところもいい。エンドロールでそういえば城定秀夫監督だったことを思い出して、あの修羅場の盛り上がりに納得がいった。あんなシーンを撮るのが本当にうまいな。
いろんな苦境に出くわすと人間っていろんな側面が浮かび上がってくる。精神的に追い詰められたときの人間のイカれた感じが真に迫ってた。こんな話は大好きなのだが、他人事と片付けられないところがまた怖い。これからの彼らに穏やかな日々が待っていることを祈ってしまった。それくらいにあの世界観にハマっていた自分に気づいた。
かなり面白い
全249件中、101~120件目を表示











