悪い夏のレビュー・感想・評価
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監督を確認してからにすればよかったー
胸糞ナマポエンターテイメント。救いは、ぽっちゃり新女王爆誕。
冒頭からラストまで、胸糞なシーンだらけで、胸糞な大人がいっぱい出てくる、
良い意味での、胸糞ナマポエンターテイメント作品。
完成度の高い胸糞気分と、徹底した後味の悪さを堪能できる。
これは誉め言葉だ。
普通、こういう系統の作品は、観てて気分が悪くなり、途中で離脱したくなるのだが、
河合優実や竹原ピストルをはじめとする、
胸糞クズキャラに定評のある豪華キャストが、これでもかこれでもかと、
観客を胸糞な世界へいざなうから、逆に快楽の域まで達した。
窪田正孝なんかも、「Cloud クラウド」辺りから、クズキャラ、完成された感じ。
数年前の「護られなかった者たちへ」にも通じる、
生活保護(ナマポ)にまつわる、胸糞制度への義憤がどんどん蓄積されていく。
一人の福祉課公務員だけにナマポ認定の権限を与えることが、そもそも間違ってんだよなあ。
家庭訪問なんて、危ないだけじゃん。反社だっていっぱいいるんだし。
あんな脆弱な制度で、適切に運用できるわけないんだよなあ。
で、いつものように、胸糞でクズの大人が加害する対象は、いつだって子供。
「全部、大人が悪い」。
今まで何回、この文面を書いただろうか。子供への悪影響は全て、大人のせい。
ラストは、なかなかこの域までは見られない感じの、しっちゃかめっちゃか茶番劇泥試合となり、
あまりのめちゃくちゃさで、笑い声が出てしまった。
これは誉め言葉だ。
登場人物全員不幸になり、救いようのない胸糞クズだらけだなぁとエンドロールにたどり着く。
ただ、1つだけ、この作品ならではの「救い」があった。
箭内夢菜の存在だ。
箭内夢菜のムチムチ具合。とんでもねぇ魅惑のムチムチだぞ、こりゃあ。
( ゚Д゚)y-
いままで、このムチムチ女優枠というか、ぽっちゃり女優枠というのは、
富田望生の独占領域で独壇場だった。
その枠に、颯爽と箭内夢菜という彗星が食い込んできたのだ。
ぽっちゃり新女王、爆誕の瞬間である。
なんなんだ、あの二の腕のプヨプヨ感は。上物過ぎるだろ。
こんなスターを待ってたんだワシは!
( ゚Д゚)y-
良くやった!感動した!
あの圧巻の二の腕を拝めただけでも、この映画の評価は5割増しだ。
やっぱりねぇ、スター性のあるぽっちゃり女優というのは、
元々は箭内夢菜のように、ぽっちゃりする前から美人で可愛いのですよ。
競馬のG1で大穴あける馬は、元々は強い馬である理屈と同じ。
強いのに、何かしらの要因で人気がガタ落ちしてるから、大穴を開けるんですよ。
元々弱い馬じゃ大穴、出せないんですよ。
同じ理屈なんですよ。ええ。
アゲチンセンサーが発動したので、今後は箭内夢菜、推していきます。
良かった演者
箭内夢菜
竹原ピストル
毎熊克哉
河合優実
窪田正孝
北村匠海
伊藤万理華
或いは自分が「当事者」だったら
作品制作のサイクルが早く、とても多作な印象が強い城定監督。それでも毎作品「一定以上の面白さ」が期待できるため、出演者が好みであれば劇場鑑賞する機会も増えてきました。そして本作は主演・北村匠海さん、助演に河合優実さん、窪田正孝さん他かなりの豪華布陣。そのせいもあってか月曜10時35分の丸の内ピカデリーは、(この劇場にしては)まあまあの客入りだった気がします。
今作は生活保護受給(俗にいうナマポ)にまつわる「悪事」をネタに、メインキャラクター8名の少しずつ「ズレ」た関係性で展開されるストーリー。私は今回もあらすじは勿論、予告編も見ずに本編に挑んだわけですが、独特な世界観にもかかわらず、すぐに入り込めて理解が追いつく構成力で「やっぱり巧い」と思える城定監督。
そして、今作も流石の「キャラクター演出」は城定監督の真骨頂。役を演じられた俳優さん、皆さん本当に素晴らしく甲乙は付けがたいのですが、敢えて一人挙げるとしたら山田役・竹原ピストルさん。助演でありながら、繋がりが多いキャラクターのため必然的にスクリーンタイムも長め。そして、中盤以降は混沌化していくストーリーを展開させるキーマン。それぞれ立場によって、相手との対し方を絶妙に変えながらの演技は見ものです。
ところが、ここからは少々苦言として。
まずは、トントン拍子で進むストーリーについて。テンポはいいのですが、イマイチその進展に対して、実際の時間(日数)経過がどの程度なのかが掴みにくい。その為、状況の変化に対し、キャラクター毎の心情やそれぞれの距離感・温度感の変化に、やや強引さや唐突さを感じることも。上映時間114分とけして短いわけでもないので、これは編集の問題なのかな。。ちょっと惜しい気がします。
それと、今作は物語の題材や設定が具体的だからこそ、「リアリティー」について引っかかりを感じる点が少なからず。当然、社会問題を扱ううえで難しいところだとは思いますし、取り敢えずエンタメとして「こういうもの」と割り切り観続けましたが、或いは自分が「当事者」だったら。。原作は未読ですが、フィクションにも守るべき一線はあるはず、、ですよね。
と言うことで、純粋に「エンタメ」として見れば今作も「城定監督らしい」作品として裏切りません。次作も期待しています。
男女8人夏物語
想像を上回る展開がない
ごちゃごちゃ
宮田の目的に驚き
市役所の生活福祉課に勤めてた気弱で真面目な佐々木守は、同じ課の先輩の宮田から、同僚の高野が生活保護受給者の女性に肉体関係を強要しているらしい、と相談を受け、断りきれず真相究明を手伝うことになった。佐々木は、そのシングルマザー・愛美のもとを訪ね話をしたが、愛美から高野との関係を否定された。実は彼女はヤクザの金本とその愛人の莉華、佐々木の担当してた生活保護受給者の山田とともに、不正受給計画に巻き込まれていた。そうとは知らず、佐々木は愛美と娘の美空にひかれてしまい、・・・さてどうなる、という話。
まず本作でも愛美役の河合優実のエロく気だるいが可愛い演技が素晴らしかった。
それと、宮田の目的に驚いた。なんとまぁ、ドロドロとした関係の事。
最初は、佐々木がとにかく気の毒だったが、生活に困窮し万引きを繰り返していた佳澄への塩対応にはゲンナリ。その佳澄役の木南晴夏も流石で上手かった。
ラストは佐々木もハッピーになれたんだと信じよう。
そこまで全員悪人とクズとは思えない
2025年劇場鑑賞96本目。
エンドロール後映像無し。
予告で登場人物全員悪人かクズ、みたいな感じでしたが、三分の一は不可抗力みたいなところあるよな、と同情。一番の原因のクズで悪人は毎熊克哉演じる高野です。
結構人がゴミみたいに殺される胸くそ悪い話かと覚悟していきましたが、そこまででもなかったのは救いでしたかね。北村匠海演じる主人公はあんないい奴だったのに崩れるともろかったですね。でもあんな対応していて誰も止めなかったり気づいていなかったりしているのが一番ヤバいと思いました。最後らへんのある展開は予想通りでした。
ハメられた主人公が知恵を使って出し抜くカタルシスみたいな感じじゃなかったけどまぁまぁのラストですかね。
貧困日本の実態に迫る傑作にあと一歩
日本アカデミー主演女優賞を獲得した、壮絶演技が冴えた「あんのこと」の河合優実が出ているならと早速鑑賞、意外や大当たりの社会派ドラマでした。原作があるようですが、とにかくプロットの構築が見事で次々と展開が想像を絶する方向へ雪崩をうつ凄まじさ。アパートの一室で執り行われる濃密ドラマ、人物の出し入れから話の拡がりまで、息つく暇もありゃしません。貧困日本の現実を炙りだす社会派傑作まであと一歩の秀作です。あと一歩は最後の最後に描かれるシチュエーション・ドラマの醍醐味を面白くし過ぎたため。
生活保護受給者の定期的訪問チェックが主な仕事の市役所生活福祉課に勤める公務員3人。真面目そうな若手職員に扮する北村匠海、あらま毎熊克哉が公務員役とは驚いたら後に案の定の展開に、先輩に見えないけれど女性職員役に乃木坂46の伊藤万理華。対する生活保護対象者に、ギラギラ厭らしさ満載の竹原ピストル、22歳の若さで5歳の子持ちシングルマザーに河合優実、そして万引きに手を出す絶望のシングルマザーに木南晴夏の布陣。これに関わる悪の権現が近頃真っ正面からの主役を敢えて外し過激な悪役の多い窪田正孝と荒んだシングルマザー役の前内夢菜が絡む。
貧困ビジネスなんて言葉が象徴するように、金の流れる方向に悪は確実に寄り添い金をせしめる構図がある。背景には到底先進国とは言えない転落国たる日本の実態が横たわる。まさに劇中に言う窪田のセリフに「どうしたってまともに生活出来ないのが日本の現実ですから」と。ひとたびシングルマザーに陥ったら転落の一途なんて酷過ぎる。まさに登場人物の3人の女性がそのシチュエーションなのだから。収入の50%以上を税としてむしり取って、非正規労働ばかり拡大して、裏金をつくり脱税したって一切お咎めなしの国会議員ばかりでは、福祉国家なんて出来っこないでしょ。
生活保護に使われる金は当然に税金が原資、不正受給を暴くのが私たち福祉課の仕事と大見え切るシーンがあるが、政権与党に与えられた税金による予算を平気で私的選挙等に使う事には、誰も監視せず口出ししないわけで、理不尽を通り越して絶望しかないから、本当に馬鹿馬鹿しく聞こえてしまった。こんな金まみれの渦中に、北村と河合による本物の愛情が生まれてしまった事により、悪のリングが思わぬ方向へ転がりだすのが本作のキーポイント。
壮絶イケメンの北村がよくぞ、死んだような眼差しの役にチャレンジしたものでお見事です。対する河合は「あんのこと」を引きずったような役で、自分でどうしていいのか皆目判らない苦悩をそのまんまストレートに表現する素晴しさ。次作の「今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は」では明るめのラブストーリーのようですからいいのですが、杉咲花のように苦難役の連続は避けられるのを祈るばかり。
冒頭触れたクライマックスシーン。何故か関係者が一同に会する奇妙なシチュエーションには笑うしかなく、突然コメディかと驚くばかり。土砂降り雨での乱闘の挙句、悪い奴らはキチンとお縄で、愛し合う二人はしっかりとさやに納まる結果に文句はないですが、真実の愛と強要された行為の落とし前描写を見事に割愛されたのは釈然としない。さらに木南の心中未遂の悲劇性を最後に北村に絡め、日本の現実を明らかにして欲しかった。そこまで行って名作になれたのに。
それにしても子役を前に壮絶な芝居を展開することに、心が痛みます。無論、カット割りで激しい芝居とセリフは子役の耳には入っていないでしょうが。河合の子供の置かれた状況がまさに彼女自身の子供時代だったとすると
、貧困の連鎖が辛いのです。雨の中、少女の描いたクレヨン画にお父さんらしき男性像が描かれたかすかな希望を育んでいきたいもので。
後味はとても苦い
ミステリーではなく、生保(なまほ)の実態と…
苦しい
河合優実と北村匠海、見応えありそう。ありました。
生活保護の話は重い。生活保護の話はだいたい夏だな。クーラーつけれない部屋で汗ダラダラの暑い感じが苦しさを増す。
諸事情で仕事に就けず生活保護を受けることは罪ではないが、この話の中の山田は働けるのに働こうとしないし、愛美も子供がいるとしても働き方を考えればなんとかなるだろう。愛美の不正受給に漬け込んで関係を迫る高野はクズ。生活保護ビジネスを企むヤクザの金本もクズ。
佐々木も、純粋に愛美を好きになったとしても、立場を考えてもう少し我慢した方が良かった。でも実際こうなった場合は真剣だと言えば許されるの?どうなんだろう。
古川親子は生活保護受けられず、気の毒だったな。木南晴夏の疲れた表情はさすが!
悪とクズでも愛はある
傑作ウシジマ2から11年か。
駆け込み乗車はお止めください
一緒になろう
ラストはまさにカオス
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