悪い夏のレビュー・感想・評価
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貧困は思考力を奪う?
ジリジリと音が聞こえそうな真夏の日差しと蝉の声。
人々を苛立たせる気温が感じられる風景の中で、なんだか救いようのない人々が右往左往します。
途中でなんとなくオチが分かってしまった部分もありますが
とにかく人間の愚かさと醜さを残酷に描ききった作品でした。
望んで貧困に陥ったわけではないにせよ、場当たり的な行動を繰り返す人々は貧困に思考力を奪われているとしか思えません。
程度の差はあれど、とびっきりのクズからなんとなく哀れに思われる人物まで、ただの一人も真っ当な人間が出てこないストーリーは襲来した台風の夜にクライマックスを迎えます。
刹那的にしか見えない登場人物たちの生き方にも、もしかしたら一抹の真実があったのかもしれないと思わせる結末でした。
ところで男の子とその母親。
彼らが物語の中で担っていた役割って何だったのでしょうか?
ラストぐちゃぐちゃ・・
暑苦しい、息苦しい
真っ当に生きていた人間が堕ちていく姿は正直面白いと感じてしまう反面可哀想で見ていられなくなる。
ジリジリとした暑い夏、悪い奴らに狙われる主人公。
最後の全員集合のモツレは見ていてふふっとなった。
窪田正孝はブッ刺されろと願ってたけどそりゃ簡単には刺されないよねーと思ってたら最後やられてスッキリした。
にしても窪田正孝の半グレ役めちゃいい!
ラジエーションハウス(ドラマ)のような好青年みたいな役もピッタリだしゴリゴリの墨が入った半グレやヤクザ役もとても良き。
河合優美の悲壮感ある幼少期から母親に愛されなくて自暴自棄になりました系の女子役がドンピシャすぎる。
北村匠海も目死んでて最高だし木南晴夏も幸薄さ日本一って感じで素晴らしい。
夏といえばホラーとなりがちだけど蒸したような暑さを鑑賞側も感じれる真夏にぴったりな作品だった。
期待を上回らず。。。
2025年参議院選挙投票まであと2日
苦いけど美味いゴーヤチャンプル映画
終盤の展開で「えっ、そうくる⁈」と声を上げたくなる後味が残るラストに、つい最初から見返したくなるほど。
今回初見の役者が多いが、とにかく全員上手い。
彼らが演じるキャラクターは「皆んなクズ」──それなのに気付けば一周回って妙に魅力的に映る。
佐々木(北村匠海)──子どもを盾にシングルマザーの家に通い詰めるクズ。特徴的な三白眼がこのケースワーカー役にどハマり。気持ちはわかるので応援はしたくなる。
愛美(河合優実)──天性の色気で男にタカって惰性で生きるクズ。眼の演技が秀逸。佇まいだけで魅力的。
宮田(伊藤万理華)──正義感強めでクズ男に一途なクズ。口元の演技で歪んだ性格を表現。
金本(窪田正孝)──典型的な反社クズ。文句なしに上手い。時折り吐く知的なセリフには妙に納得。莉華への愛も感じられ、アニキ金本的な優しさも⁈
佳澄(木南晴夏)──貧乏に喘ぎ万引きを繰り返すクズ。なりきりぶりが凄い。目元の役作りに感服。息子のために一生懸命に生きてるので一番同情されるキャラ。情弱なだけ。
事前情報ゼロで「気楽に見るつもり」が気付けばグイグイ引き込まれ。監督の他作品も観たくなる…。
社会の闇と人間のおぞましさと、笑いすら誘う独特のバックグラウンド。見た目は悪い…でもクセになる──ゴーヤチャンプルみたいな作品。
P.S.ケースワーカーが単独で家に上がるのは危険では?実際はどうなんでしょう?
次の夏は、悪くないかもしれない
生活保護の不正受給の問題って度々取り上げられますよね。
頼れる人がいない。食べていくのもやっと。そんな方々の最後の砦。
「仕事は探されていますか?」
この質問って、凄く酷だと思うんです。
聞かれる方々も、聞かなければならないケースワーカーの方々にとっても。
ケースワーカーをしている友人が身近にいて、その友人と見直したいと思いました。
友人は「仕事抜きにして個人の感情として、苦しい思いをしている人達に手を差し伸べたい」と言い、一方で「訪問した際の相手の行動・仕草で不正受給者かどうか分かるようにもなってしまった」と言っていました。
実際この物語のように、ここまで人間関係が複雑に絡み合った修羅場はほぼないと考えますが、救いたいと思う人と手を差し伸べられた人との間に特別な感情が生まれるかどうかは否定できません。
ラストシーンはご想像にお任せします。といった形でしたが、きっとあの3人が次に来たる夏を楽しく過ごすのだろうと思いました。
お芝居面では窪田正孝さん、河合優実さんのお芝居が見物です。
窪田さんのぶっ飛んだ役柄って以前から好きなんですよね。優しい役柄も好きですが、自分はこの手の役柄の窪田さんが好きです。
河合優実さんはアンニュイな役柄が似合いますよね。どの作品で見ても本当にその人物が実在しているかのようなリアリティを持たせられる方で、唯一無二の魅力だと思います。
あと今まで鑑賞してきた中で、北村匠海さんはあまりこういった役柄のイメージがなかったため、闇堕ちの死んだ目のお芝居に惹き付けられました。
演者の皆さんが素晴らしかったです。
静かなハッピーエンド
日本の生活実態
これは笑うのがマナーです
テーマ的に笑っちゃっていいのかなぁ、とか思う人もいると思うけど冒頭のピストルさんと北村くんがゴキブリにびっくりして思わず立ち上がっちゃって「あっ腰?!」ていうシーンはまさにこれはブラックユーモアの映画ですよ、不謹慎ですけど、笑ってくださいね、ていう監督からのメッセージとして僕は受けとりました。
後半の利用されるホームレスのみなさんも意外とかわいそうという感じではなく、ニヤニヤ冷ややかに世間を見てる感じでしたたかでこっちまでニヤニヤしてしまうし。
ただクライマックスのトリガーとして機能させる必要上しょうがないのかもしれないけど、木南晴夏親子がひたすらかわいそうなだけだったのがちょっと残念。もうちょっとダメなところというかしたたかなところが見たかった。
ただあのかわいらしい木南晴夏と全く別人に見えるのは圧巻です。顔が似てる別人レベル。
そしてクライマックス。おもしろいです。不謹慎ですがおもしろいです。ドリフかよと思うぐらいおもしろいです。
最後佐々木は死んでもいいけどなぁと思ってたらまさかのハッピーエンド。まぁそれもありかな。
悪とクズと気弱な青年
ある種、生活保護の実態、問題に迫る社会派ミステリーなのだろうが、アメリカのB級映画の様なエロシーンや下ネタ、それぞれ事情は違っても生活に困窮し生死を彷徨う人々が多数出てくるから、観ていてこれ程辛い映画も珍しい、最後に殺し合いのアクションシーンで地獄も終わりかと思ったら、相変わらずグチャグチャ。結局、終いまで悪とクズと気弱な青年の物語、罪もない子供まで巻き込んで描くから後味も悪く、今度は爽やかな人間ドラマを観て気を取り直さなくては・・。
目が死んでいる
もともと北村匠海の目って死んでるな〜と思っていたのだが、今回もどんどん死んでいく感じ。
意図的なのか、無意識なのか。
それにしても真夏にぴったりの作品。
少しでも涼しくなりたいのに、汗が止まらない。
汗だくなのにいきなり抱きついて…うわって感じだったが。
女の子を暑い部屋に押し込んで。
熱中症になりそう。
一番汗をかいてなさそうなのは窪田正孝か。
ケースワーカーさん、大変な仕事だと思うが、昼夜関係なく訪問するもの?
途中から「ただいま」って。笑
家に上がるのも慣れた感じなのは職業柄?
そういう意味では、プライバシーなんて無くなるのかと思った。
いや、しかし、とにかく暑苦しい作品だった。
重くて楽しめないけど…観るべき作品
暑い夏に悪い夏見ました
生活保護という、私からすれば他人事の域からでないテーマを重く描くのではなくマイルドなエンタメに作り上げた城定監督の手腕にシビレさせられた。
市役所、アパート、キャバクラ、この広がりのない世界をダレることなく繋いでいく手際が良い演出が見事。
役者陣の演技も素晴らしい。
河合優実の会話の一つ一つが魅力的、変化していく心の表現も目線としぐさで上手いの一言。
北村匠海は闇落ちしてからの豹変ぶりがいい。貧困に喘ぐシングルマザー木南晴夏を罵倒するシーンは、彼女に同情せずにはいられない。
伊藤万里華はやたらと倫理観を押し付けるだけの女かと思っていたら見事に騙された。
窪田正孝、竹原ピストル、箭内夢菜、毎熊克哉のクズとワルの無双というかオーバーアクトも違和感なしに受け入れられた。
この面々が全員集合してのクライマックス。
めちゃくちゃなドタバタ劇が最高に笑える。
迎えたラストシーン。北村のアパートの窓に立て掛けられた小さな傘が、ハッピーエンドを思わせてホッとさせられた。
暑い夏に悪い夏、おススメです。
北村匠海と河合優実が見たかったらこれ。見応えあり。
北村匠海と河合優実が見たくて見ましたが、映画としてもとても面白い。どちらも朝ドラのあんぱんつながり。
正直バッドエンドかと思って見るのを躊躇してたけど、結構ラストシーンの畳み掛けはエンタメ映画のそれでした。
正直、主人公自体にそれほど好感は持てませんし、登場人物全員が闇を抱えているので、中盤はかなり見ていて辛い感じでした。合間にある貧困のシングルマザーの場面はシンプルに辛い。
ラストはグッドエンド寄りではあったので、良かったかな。ラストシーンで家の中は見せずにそれとなく伝える場面。妊婦さんとすれ違っててなんとなくファミリーが住みそうなアパートで子供の傘もあり、ただいまという言葉で締めくくるのは、あまりに綺麗すぎる終わり。想像の余地を残しつつ、明らかに彼らがファミリーとなり暮らしているという証もある。ドア閉まって終わったら綺麗だなと思ったらちゃんと終わってて素晴らしい。
北村匠海の演技力と河合優実の演技力のぶつかり合いもやはり見どころのや一つ。次第に家族のようになっていく様も小さな演技の積み重ねでとても大切なものに感じてくる。そういう部分の光る映画だと思います。
あと、窪田正孝はいつもの窪田正孝なのに一層怖い。怖すぎて最後はボコボコにしてほしいと思えて、ちゃんとボコれるのが良い。
ほぼ星5です。5じゃないのは、正直もう一度見たいとは思えないから。流石に95%は嫌な気持ちになりながら見ることになるもの。
悪い夏
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