「モヤモヤの先に少しだけ残った希望」悪い夏 go-chanさんの映画レビュー(感想・評価)
モヤモヤの先に少しだけ残った希望
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途中で観るのをやめようかと思ったほど、重たく、息苦しい空気が続いた。
でも、最後まで観てよかったと思っている。
社会情勢や現代の空気感がリアルに描かれていて、
登場人物たちはその中でどうにもできない圧にさらされていく。
誠実に生きようとする主人公でさえ、
結局は世界や社会によって、少しずつ変えられてしまうのかもしれない。
恋愛をしたことがなかった主人公が、
初めて「誰かを好きになる」という気持ちに出会う。
でもその相手に裏切られる——ただ、それは彼女が悪いのではなく、
社会的な立場や恐れがそうさせたのだという背景も感じさせる描き方だった。
救いがあったのは、誰も死ななかったこと。
痛みや傷は残っても、生きていくことができる——
その事実だけが、どこか希望のようにも感じられた。
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