「精神的に追いつめられるところは他人事と片付けられない」悪い夏 kenshuchuさんの映画レビュー(感想・評価)
精神的に追いつめられるところは他人事と片付けられない
原作は未読。
生活保護ビジネスを絡めた話でクズとワルばかりが出てくるってことになると観に行かずにはいられない。
河合優実と竹原ピストルの底辺感がとてもいい感じ。中盤からやさぐれていく北村匠海の演技も見どころだ。生活保護を悪用して儲けている悪い奴らがいることは知っている。でもその受給者も犠牲者と言える。そんなことを強く感じさせる展開だった。
後半の修羅場を迎えてからは雰囲気がサスペンスよりにシフトしていくところもいい。エンドロールでそういえば城定秀夫監督だったことを思い出して、あの修羅場の盛り上がりに納得がいった。あんなシーンを撮るのが本当にうまいな。
いろんな苦境に出くわすと人間っていろんな側面が浮かび上がってくる。精神的に追い詰められたときの人間のイカれた感じが真に迫ってた。こんな話は大好きなのだが、他人事と片付けられないところがまた怖い。これからの彼らに穏やかな日々が待っていることを祈ってしまった。それくらいにあの世界観にハマっていた自分に気づいた。
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