「甘い幕」悪い夏 uzさんの映画レビュー(感想・評価)
甘い幕
原作は元々気になってたので、城定監督で映画化と知った段階で読んでいた。
必要な情報は入ってたと思うが、かなり駆け足かも。
視点人物を切り替えて群像劇の色もあった原作に対し、本作はあくまで佐々木が主役。
そのため登場人物の背景はほぼオミットされている。
これは仕方ないのだが、愛美だけはもうちょい描写してほしかったなぁ。
佐々木に救われ惹かれているのは、河合優実の演技もあってそれなりに伝わってくる。
しかし、“計画”に対する迷いは薄く、流されるままになる理由については仄めかす程度で残念。
佐々木が愛美にのめり込む様子も物足りない。
また原作でも絡みの薄かった佳澄は、あの扱いなら丸々削ってよかったのでは。
(終盤のあのくだりはモブでもある程度成り立つし)
それ以外の取捨選択は上手かったと思うが、上手すぎて引っかかりもなくなっていたような。
クスリやEDの件などの省略によって展開はやや強引ではあるが、筋は通る範囲なので悪くはない。
話がポンポン進むので、勢いもあると思う。
ただそのぶん、夏の暑さのようにジリジリと苦しくなっていく原作の雰囲気はなくなっていた。
ラストも救いのある形に変わっていたが、個人的には原作通り“ミイラ取りがミイラ”の方が好みかな。
キャストや演技に関しては文句ナシ。
特に伊藤万理華はクライマックス以上に、中盤までの、正義感でも本性でも“正解”に見える芝居が地味に凄い。
原作では最終的に山田に感情移入したし、ピストルもイメージ通りだったので、もっと見たかった。
吉岡睦雄さんは、最近観る作品ほとんどに出てるな。笑
コメントありがとうございます。さすが城定監督だけに見事な映像化だとは思いました。愛美の生い立ちを誕生日のサプライズで語らせる辺りとか。尺の関係で原作をうまくまとめていたと思います。でも個人的には全体的に生ぬるくて物足りませんでしたけど。
コメントありがとうございます♪
はい。私もこの作品ならば"ミイラ取りがミイラ"なラストが合っていたと思いますね。
堕ちていく佐々木が観たかったw
ピストル山田合ってましたね。
伊藤万理華ちゃんへの高評価にも共感です。
つか、uzさんが"少年と犬"観てるのが何か意外で、低評価にも笑いました(^。^)
私はスルーですがハハハ
共感&コメントありがとうございます。
原作はバッドエンドなんですか? 特にバッドエンドが好みというわけではないのですが、本作の雰囲気と流れには、バッドエンドがお似合いな気がします。機会があれば、原作にも触れてみたいと思います。




