「かりそめでも、ひとすじの光が見えるラストが好き‼️」悪い夏 琥珀糖さんの映画レビュー(感想・評価)
かりそめでも、ひとすじの光が見えるラストが好き‼️
美空ちゃんに、たとえほんの少しでも、幸せな時間を‼️
いい役者が普通にいつもの実力で芝居をすれば、大満足の映画になる。
河合優実が“またしても“極上でした。
「あんのこと」とも、「ナミビアの砂漠」とも似通ったような
「自分の居場所を見つけられない女」の役。
だけどメチャクチャ良い。
この子のためなら、
この女となら闇堕ちしてもイイ・・・
そう思ってしまうよな、
真面目な男なら。
バカだし、だらしないし、頑張らないし、浮遊してるだけ・・・
そんな女だけど、
「生まれてから一度もケーキで誕生日を、
「祝ってもらったことのない生い立ち」
めっちゃ不幸じゃん‼️
今、22歳で、5歳くらいの子供(美空ちゃん)がいるから、
16歳くらいで妊娠して、色々あったのだろうなあ、
そんな想像がつく。
この映画のテーマは《生活保護の受給者・・・不正受給を含む》と、
その申請とその後の立ち直りを支援する、市のケースワーカーの北村拓海が、
受給者の河井優美や竹原ピストル、
そして彼らと密接に関わる市役所の同僚の毎熊克哉と伊藤万理華や、
暗躍するヤクザ者の窪田正孝、
彼(金本)が関わるとなんとも暴力的で複雑になってしまう、
そんな人生悲話だ。
生活保護の申請をする人は、ほぼ全員が生活に困窮して
切羽詰まっている。
社会の底辺であり、申請する側も申請を許可する側も、
普段は見せないドロドロの内面を晒すのではないか?
最近のネットニュースでは、
“怒号飛び交うナマポ受給現場“ などとある。
プライドを捨てて、知能犯で行くんだろうな?って気がする。
ケースワーカーは一向に生活保護から抜け出せない受給者に疲弊するし、
受給者は受給者で、生かさず殺さずのぬるま湯に無限地獄のように
抜け出せなくなる。
愛美(河合優実)から、セックスと金を搾取している毎熊克哉
(こいつは酷い)
本気で惚れてしまう佐々木(北村拓海)の違い。
確かに愛美と生きることは
【闇堕ち・・・人生の正規のルールから外れること】だ。
愛美となら、レールから外れてもいい・・・
そう思わせられる魔力が確かに河合優実にはある。
それにしても生活保護受給者からも、搾取する、
高野(毎熊)や金本(窪田)。
上には上がいる?のか、
下には下がいるのか?
よく分からないが、
竹原ピストルが珍しく善人から小悪人もどきを演じている。
ラストの嵐からの展開は、
怒涛の身体と体のぶつかり合い、
カオスで盛り上がった。
そして
「ドアを開けたら、かりそめでも幸せの温もり」
「温かい生活がそこにあるといいなあ」と、
わたしは心から願った。