「つまらないわけではないが物足りなさを感じた」ヴェノム ザ・ラストダンス kenshuchuさんの映画レビュー(感想・評価)
つまらないわけではないが物足りなさを感じた
Dolby Cinemaで鑑賞。
「ヴェノム」シリーズは最初から、「寄生獣」を連想してしまっていた。体の中に入ってきた異生物が特殊な能力を発揮、最初は嫌がっていた人間も徐々に打ち解けて相棒としての信頼感を築いていくという話だとどうしても連想してしまう。3作目となる本作で一応の結末となったが、やはり「寄生獣」(ついでに言えば「ターミネーター2」も)を思わせる終わり方だった。
創造主「ヌル」が派遣したエイリアンに狙われるエディとヴェノム。逃げながら戦っていく姿は相変わらず迫力があったし、ヴェノムの乗り移る?能力も楽しかった。さらにはヴェノムの仲間たちも登場して戦うシーンもよかった。ああいう乱戦はテンションが上がる。エディとヴェノムの関係性も深まっていたし、あんな絆を見せられたらそれなりに感動もする。
ただ、この程度?という感覚だったことも正直なところ。ヴェノムの仲間たちが登場するのはいいのだが、結構唐突だったから戸惑うし、せっかく登場したのに彼らの戦いや登場場面があっさりしていたところも物足りない。襲ってくるあのエイリアンたちは確かに強かったが、あれが最後の敵なの?と少し拍子抜けしてしまう。ヌルの問題(企んでいたこと)も解決したわけではない。というよりもそもそもヌルはヴィランとして活躍さえしていない。さらなる続編を匂わせていると理解していいのだろうか。
となると、気になるのはエディの次の主人公。シンビオートがとりついたあのペイン博士が次のシリーズの主人公になったりして(彼女についたシンビオートがはがされるシーンがあったならすみません)。「ヴェノム」シリーズでも女性が主人公になるということかも。もしそうなったら、従来のヴェノムのようなハチャメチャな感じがなくなってしまいそうで不安しかないけど。
つまらなかったとまでは言えないが、泣くほど感動したりものすごく興奮したとも言い難い。シリーズの最終作としては少々不満が残る出来だった。