ボルテスV レガシーのレビュー・感想・評価
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「情熱」と「作品愛」だけでは成立しない
※我々同世代の中にも、非常に思い入れ深く観たという方も多いと思われるので、そういう方は以下を読まなくて良いと思います。
私も、言うに及ばず『三部作』はリアルタイムでTVにかじりついて見ていた世代。
それが、時間を経て海を越え、フィリピンで国民的なアニメとして熱狂的に支持されているという話は以前から聞いていたので、今回のフィリピン製の実写版劇場公開は嬉しいニュースだった。
劇場に足を運ぶ前に、キャラクターや武器・必殺技を確認するため、一応U-NEXTで3話まで確認しておいたのだが、本作はその2話辺りまでのお話でした。
どうやらフィリピンで放映された長いTVドラマシリーズの再編集版ということなので、まあ、私もそのくらいのテンションで観始めた。
もちろん良いところはある。
前半の合体シーンなんて、胸熱どころではない。
ロボットの格闘シーンだけ取ってみれば、それなりに楽しめるモノにはなっている。
ただ、あとはどうだろう。
他の方も書いておられるとおり、やはり「人間」が出てくるととたんにドラマが「ドン臭く」なり、画替わりのない単調なカットの繰り返しがいつまでも続く。
もちろん大予算を投じた超大作というワケでもないんだろうから、地味な感じがあっても全く気にならない。むしろいろんなギミックは好意的に観ていられた。
でも、ドラマはダメ。
この手の作品なら、90分くらいにまとめれば十分楽しめるはずなのに、不要なシーンがダラダラと続く。
極めつけはバリアの外から基地に戻ってくるお母さんのラストに向けてのクダリ。
あの人、ボルテスVを作るのに尽力した超絶優秀な科学者だよ?それが敵の空中要塞に向かって、道路から拳銃はまだしも石投げるって。
あんなこと、アニメでもしてなかったから、ドラマオリジナルなんだけど、必要だと思ったんだろうか。
演出として「母として子供を守ろうと我を忘れて…」にしたって、あまりにもひどい。
そしてその後の超長い特攻のクダリ。
悲しいはずのシーンがどんどん観てるのを面倒に感じちゃう。
全体通して、やはり「アニメ(やコミック)と実写では『リアリティ』が違う」っていう部分が、最後まで違和感になってた。
アニメでは無意識にスルーできることも、実写だとものすごく気になることも多い。
加えて、本作はわざわざやったお陰で気になることが生じてる。
敵の「バイザンガ」にボルテスVが背後から手足に鎖を絡み付かせられ、身動きとれなくされるシーンも、「そうなったら、敵のほうに向かっていく」はずなのに、ずっともがくだけ。アニメだと、鎖が絡み付いた後すぐに後ろから腰を押さえ付けられるので、あの姿勢は無理もないんだけど、本作ではかなり最後になるまでその「腰押さえ棒」が出てこないから、いくらでも動き様はあったのに。
お母さんが目の前でああいうことになり、戦いが終わってラストで5人が基地に戻って来たシーン。基地の他の隊員が待つ海の見える広場みたいなところで、兄弟が「母さーん!」って揃って走って出てくるけど、あの「母さーん」ってのは何なの?
さっきお母さんがどうなったかは見たじゃん。別にあそこに遺体があったワケじゃなさそうだし、そのまま海に向かって涙するだけなら「母さーん」って走ってくるのは要らない。
これも、アニメにはないシーン。
シリアスなシーンにリアリティが無いのは台無しになる。
実写のリアリティどころか、余計なシーンを入れたことで、アニメよりもリアリティを緩くしちゃってる。
さらに言えば、これ謂わば「ダイジェスト」なんでしょ?
TVドラマなら、毎回の放映尺もあるだろうから、間延びするシーンがあるのもしょうがない。
でも、その長い元の動画の中から必要なものをビックアップして、不要なものを削って組み立てるのがダイジェストなんじゃないの?
上映時間だって制約はTV版ほど厳しくはないだろうに。
本家のアニメが2話分で実質50分しかないのに、それを同じ内容で時間だけ倍以上に伸ばしたらそりゃあ要らないシーンがダラダラ続くわな。
(そもそも「ダイジェスト」とは…?)
ああもう、悪口を書きすぎました。
吹き替え版で観ましたが、堀江美都子さんの声はさすが。
本編の主題歌はおそらくフィリピンの方が歌ってたんでしょうけど、こっちも堀江さんの声で聞きたかったな。
「ノスタルジー一辺倒」で観賞するにしても、やはり大の大人がお世辞にも通常の料金払って時間と手間をかけて観に行くレベルにはなっていなかった。
合体シーンだけなら、東映がYouTubeに動画上げてるから、それで十分。
『パシフィック・リム』みたいな作品を期待すると大変なことになるよ。
心の中でアニキと熱唱…
ボルテス愛!
でっかいロボは大正義
日本発のロボットアニメを、フィリピンの人々による物語へと昇華させた熱意と愛情に涙を禁じ得ない一作
1977年に日本で放映されたロボットアニメ『ボルテスV』が、フィリピンで絶大な人気を博したというエピソードは、知る人ぞ知る話題となっていました。そしてついに、その『ボルテスV』で育った映画監督が、この物語の実写映画を作り上げる時代となりました。
ある程度現代的にブラッシュアップしているとはいえ、俳優が演じる場面や演技は『フラッシュ・ゴードン』(1980)を連想するような時代感があるし、特撮も随所に予算的技術的な限界を感じさせはします。
しかし、それらはごく些細な問題です。屹立したボルテスVの造形、動きは、フィリピンの若いCGクリエイターのまさに力の結晶。勇ましく、というか生き生きと動きまわる姿に、マーク・A・レイエス監督とスタッフたちの、これが描きたかったんだ!という熱い想いが伝わってきて、落涙を禁じ得ませんでした。
そして見せ場ではアニメ版の堀江美都子による主題歌が流れるという、トランスナショナルな演出とオリジナルへのリスペクト。レイエス監督はオリジナルの要素をできるだけ忠実に再現することを心掛け、新たな要素を入れないよう注意を払った、とインタビューで語っていましたが、それでも本作における家族関係の描写などは紛れもなくフィリピンの人々の物語となっており、原作が40年以上経過してこのような形で昇華するとは、と再び感動でした。
本作はフィリピンで放映のテレビドラマを下敷きにしている上、本作の展開上から見ても、間違いなく続編を視野に入れた作りになっています。次回作が実現するためにも、日本でもできるだけヒットしてほしい、と強く願わずにはいられませんでした。
フィリピン製映画、かつ昔のロボットアニメの実写化、という、なかなか国内でのヒットを予想し難い要素が多い本作に対して、東映はフィリピンでの制作の後押しだけでなく、国内での配給、さらにパンフレットのデザインに大島依提亜を起用、加えて来場特典のペーパークラフトも付けるという気合の入れよう。コレクターズアイテムとしても間違いなく貴重なので、気になる人はぜひ劇場で鑑賞を!
日本のアニメにここまで情熱注いでくれたのは嬉しいけど映画としてはきつい
2024年劇場鑑賞265本目。
事前に、Youtubeで前日譚が無料公開されていて、無料の割にアニメ1話分くらいの尺があったので太っ腹だなと思っていたら、原作40話しかないのにフィリピン版96話もあるのかよ!
じゃこれ映画化となると相当薄い話になるのかなと思っていたら全然カットしてないなこれ。鬼滅の刃だと炭治郎が岩切って終わりです。最後まだまだ続く感じのカット入りましたけどもう続き上映しませんよね?勘弁してください。
ボルテスVのデザインだけは良かったです。
歌は日本語で流すなら堀江美都子のオリジナル流してほしかったなぁ。
後宇宙戦争みたいに日本だけなぜか侵攻した軍が全滅するみたいなセリフあれば良かったんですけど(笑)
昭和生まれの60歳前後の方には受けると思う。面白い!
このアニメは知らなかった。
いいね👍
何が良いの?
眩しすぎる愛が暴走した映画
私はフィリピンへ出張した際にフィリピンでボルテスVがめっぽう人気である事を知り、去年から実写版のボルテスVがフィリピンで放送され出した事など注目していたのですが、今回映画版としてまとめられ東宝の全面的な協力のもとに日本への凱旋が果たされるとのニュースを聞き公開を心待ちにしていました。
そして満を持して昨日観に行ったわけですが、なるほど随所にフィリピンとそれに応えた東宝のボルテスV愛を感じました。まずはパンフレット。
わざと古い漫画雑誌風の配色やレイアウトにして角をわざと色を抜いて経年のスレを表現しているのには驚きました。そして鑑賞者サービスのペーパークラフトを貰って中に入り、いよいよ映画が始まりました。
肝心の映画の内容なのですが。
正直あまり面白くありませんでした。
いや、特撮は良かったですよ。ボルテスチーム出撃から合体のシーンには感動しました。主題歌が日本語で流れた時には正直感極まりました。
しかし、どうもボルテスVに対する愛情が強すぎると言うか、ストーリー展開がまどろっこしく感情の表現でタメが異常に多すぎたり、なかなか必殺技を出さないとか、これも当時のアニメへのリスペクトなのでしょうが、とうとう最後まで世界観の説明が全くない(そんなの知ってるでしょor続編を作る気まんまん)とか、フィリピンの映画作りの作法の違いもあるのでしょうがあまりもオリジナルへの愛情が過ぎた内容でした。
しかも今回はまずいことに嫁を連れて見に来てました。明らかに呆気に取られてました。このあとの事を考えて少し胃が痛くなりました。
眩しすぎる愛情と言うのは見えづらいものだと思い知った次第です。
こういうのがイイんだよ。
アニメ版のボルテスⅤを見ていない人は。。
タイムリーにはアニメは見ていなかったと思う。
ただ、なんとなく、見ていた記憶と主題歌は頭に入っていた。
テレビでの記憶か、スーパーロボット大戦での記憶かも分からない。。
この頃のロボットアニメだと、コンバトラーⅤの方が記憶に残っている。
ただ、調べてみると、コンバトラーⅤが1976年放映で翌年の1977年にボルテスⅤが放映されていたとの事。
おそらく、再放送でコンバトラーⅤを見ていたんだろう。
同時期だとザンボット3が記憶に残っている。
みんなが死んでいく悲しいラストを覚えていた。
フィリピンでボルテスⅤがそんなに流行っていたのは知らなかったです。
アニメの記憶がほとんど無いだけに、面白かったのは、序盤の合体シーンと主題歌が流れるシーンのみかな。
あとは、記憶が無いだけに、完成度の高さも感じる事が出来ず。。
もともとはフィリピンでドラマが作られての、今回の映画が作られたそうです。
実写のロボットはデカく感じた。
一昨年、横浜のガンダムファクトリーに行った時にも、実物大のガンダムの大きさにビックリ。
ボルテスⅤは更に大きかったんですねー。
主題歌は、堀江美都子さんのオリジナルではなく、おそらくフィリピンの方が日本語で歌っていた。
オリジナルよりキーは低かったです。
ピピピンピンという音も小さかった。
やっぱり、堀江美都子さんの高い声と、イントロ、そして、ピピピンピンという音が最高でしたよね!
アニメの再現度が高い分、設定やストーリーに緻密さを感じられず。。
そこを楽しめるかですね。
吹替で見たんですが、どうにも違和感が凄かった。
アニメ版のボルテスⅤを見ていない人は、字幕で見た方が良いかも知れない。。
たと〜えテンポが悪くとも〜、たと〜えツッコミ多くとも〜 ♪
昭和時代の日本の名作ロボットアニメ「超電磁マシーン ボルテスV」が、フィリピンで絶大なる支持を得ていたことは知っていました。その後、フィリピンで2023年に実写版テレビシリーズが製作されたらしく、本作はその劇場版です。まさか令和の時代に日本凱旋を果たした名作にまた会えるとは感無量です。期待に胸を膨らませて公開初日に鑑賞してきました。予想どおり観客の大半は中高年の男性でしたが、客入りは悪くない印象でした。
ストーリーは、地球侵略を目論むボアザン星のプリンス・ザルドスが率いる軍団の襲撃から地球を守るため、この日に備えて訓練を重ねてきたスティーヴ、ビッグ・バート、リトル・ジョンの3兄弟と、マーク、ジェイミーの5人は、極秘に開発が進められていた5機のボルトマシンで出撃し、合体して人型ロボット・ボルテスVとなって、敵の繰り出す大型ロボットに挑むというもの。
熱い!熱すぎます!まずは、約半世紀の時を超えて本作を制作してくれたことに敬意と感謝を申し上げたいです。その深すぎる愛が溢れまくっており、往年のファンなら感動に咽ぶ泣くシーンのてんこ盛りです。日本のアニメにどこまでも忠実で、ボルテスチームはキャラ設定から外見までしっかり寄せていて、コスチュームはデザインもカラーもバッチリです。基地である大鳥島のビッグファルコン、基地内でのボルテスチームの出撃シーン等も、見事に再現しています。劇伴に関しても、そのほとんどをオリジナルのEDアレンジを使用するというこだわりぶりで本当に頭が下がります。
極めつきはもちろんボルテスV!各ボルトマシンの原作のフォルムはそのままに細部まで徹底的に描き込み、メカメカしさと重量感を醸し出しています。その圧倒的なカッコよさにため息が出ます。中でも、“ブイ・トゥギャザー!”の掛け声から始まる合体シークエンスは、Vフォーメーション、操縦桿の変形、各機のドッキング、内部ギミック等、カット割も含めて完全再現!しかもバックにはボルテスVの歌が日本語で流れるというこだわりとリスペクト!このシーンだけでも本作を見る価値が十分にあります。合体後は、バズーカ、超電磁ゴマ、天空剣、Vの字斬りなど、武器も技もすべて再現しており、非の打ちどころなし!
こだわりは敵側にも及び、キャラもメカも当然のように完全再現されています。中でもスカールークがカッコいい!あの斬新なデザインが、フルCGでさらに魅力アップしています。ここまできたら、キャラ名もオリジナルどおりでよかったのではないかと思うのですが、プリンス・ザルドスって!? そこはハイネルでしょうが!とついツッコミたくなります。
本作は全90話のテレビシリーズをベースに製作されており、オリジナルアニメの第1.2話に相当する内容です。そのためストーリー的には、大河ドラマのような原作のプロローグに過ぎません。つまり、1本の劇場作品でありながら、無理に話をまとめようとせず、そのストーリーさえオリジナルに忠実に沿って展開しているのです。ここにも、こだわりと潔さを感じます。
ただ、ここまで純度100%の愛に満たされた作品なのに、話がおもしろくないのはどうしたことか…。率直な印象としては、まずテンポが悪いです。緩急のつけ方に間延びを感じ、気分がイマイチ上がりません。また、映像に対して音がチープで、恐怖や緊迫感が伝わりにくいです。特に、街や基地が攻撃されるシーンでは、音の迫力が絶対的に不足していると感じます。また、一般人の描写があまりなかったり、基地内の人々が悠長に構えているように見えたりしたのも残念です。加えてツッコミどころも満載で、合体後の前方視界しかないコクピット内でスティーヴが何度も後方を振り返ったり、バリアで基地から締め出された母がいつの間にか基地内に搬送されたり、ホログラムの軍長官がモニターに視線を向けたり、博士である母が突然戦闘機を操縦できたり、戦闘中の僚機が司令部を介しないと通信不能だったりと、もうガバガバです。しかし、これらの大半はオリジナル通り、つまり愛ゆえのツッコミどころなのです!
しかし、どうしても残念だったのは、テーマ曲を歌っていたのが堀江美都子さんではなかったこと!マジで残念!ここは外してほしくなかったです。あと、できればエンドロール中は、水木アニキのEDを流してほしかったです。もし続編があるなら、テンポのよい編集とオリジナル曲の使用を含めた音響のテコ入れで、さらに素敵な作品に仕上げてほしいです。てか、続編希望です!そして、他の名作アニメも、今度は日本で実写リメイクしてほしいです。
というわけで、最後は主題歌にのせて締めさせてください。
たと〜えテンポが悪くとも〜、たと〜えツッコミ多くとも〜
受け取ろう深すぎる愛を 届けよう心から謝意を〜♪
吹替版のキャストは、小林千晃さん、金城大和さん、花倉桔道さん、小市眞琴さん、中島愛さん、諏訪部順一さん、飯田里穂さん、堀江美都子さんら。中島さんや堀江さんの起用にも、リスペクトを感じます。
愛があふれて異常な熱量すら
TV『超電磁マシーン ボルテスV』の1~2話そのままでした!
長浜演出の再現でした!!
フィリピンの人々の愛が重い!!!
リアル再現にこだわりすぎて、原作のツッコミどころ満載なところもしっかり再現。
足音など日常音が一切がなく、BGMがうるさいところを強調しすぎ。
TV2話相当の部分は、ボルテスが罠にはまっても何もしなくて無策過ぎで、ダレる。
お母さんの特攻滞空時間が、大リーグボールの投球からミットに収まるまでより長い。
CGが精密機械でぶん殴る感が強くしちゃって、戦闘後半に天空剣握れるって嘘くさい。
何より、昔の「テレビまんが」時代の作品なので、正義と悪(侵略者と地球)がステレオタイプで幼稚に見える。
などなど。
でも、愛と情熱と勢いがすごくて、全てを押し流していったような。
初回放送当時のフィリピンの社会情勢(特に民主革命)や、家族に対する愛情の注ぎ方などがマッチングし、繰り返される再放送で何世代にも渡って国民的支持がある作品だというのも、この異常な熱量から頷けました。
ナイス実写
ヴォォォルテェェス…ファァァイブッ‼
日本版でいうところの1,2話を再現。
話が突然始まっていると感じたら、
プリクエール(前日譚)が東映特撮公式YouTubeにあるので先に見ておくと入りやすい。
(¥1,500するパンフレットにも記載されている)
丁寧に作りすぎていて脱帽。
ロボ動きがトロいのは重量感を持たせるため、
キャスティングも全員フィリピン俳優でかためたり
(オーディションはそっくりさんを優先したそう)
など、
こだわりはボルテス愛を通り越して狂気を感じるほど(笑)
尋常じゃない。もはや国家プロジェクト。
コレほどの熱量が日本にないのが悔しい。
ロマンロボシリーズ総監督だった故・長浜忠夫氏が本作を観たらどう思ったろうか。
個人的にはコンバトラー派なので、そっちも実写化してほしいところ。
今回は母親役の吹替での出演だったが、ミッチー主題歌ほしかったなぁ。
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