「映画として評価する?」ボルテスV レガシー K2さんの映画レビュー(感想・評価)
映画として評価する?
なぜか熱狂的にVファイブが支持される国、フィリピンでマジメに実写版が作られた、というので「どんなものが出来上がったのか?」と、数少ない上映館を探し、県境を越えて観てきました。
正直、先入観無しで映画として評価するとしたら星★(1つ)確定です。
ストーリーと呼べるものは特になく、SF映画としても、アクション映画としても、戦争映画としても、ファミリーストーリーとしてもリアリティは皆無。見るべきものは全くないと言っていいでしょう。つまり、客観的には駄作中の駄作と言っても差し支えない内容。ガンダム、エヴァンゲリオン、トランスフォーマー、シン・仮面ライダー、等など...数多のアニメ、特撮の進化を経験してきた令和時代の日本人にとって、昭和時代の子供向けTVアニメをそのまんま実写化したんだから当たり前というものです。(そもそも、石ノ森作品や円谷作品には最初から見るべきテーマやメッセージがあった筈ですが、本作に関しては元々原作にそういった崇高なテーマやモチベーションはなかったハズですから)
しかし、この作品に価値がないかと言ったら、決してそんなことはありません。"そのまんま実写化したこと"こそが、この映画の唯一で最大の価値です。
合体シーンをはじめとする原作に忠実な戦闘シーンの実写化の出来栄えと、本気のコスプレ映像としてなら文句なしに星★★★★★です!!(それだけで2時間近く映画館に大人しく座っていられるか、は別の話ですが...)ということで、トータル星3つとさせていただきました。
あとから知ったんですが、どうやらこれって全90話の連続ドラマの最初の数話をそのまま繋げて映画の尺にしただけだったみたいですね。そういう訳で、これを普通の映画として期待して観ると肩透かし確実ですので、くれぐれも気をつけましょう。
ただ、繰り返しますが(薄っすらとした記憶による限り)カット割りまで忠実に再現し、かつディテールを思いっきり磨き上げた合体シーンや、必殺武器を繰り出す戦闘シーンにはそれだけで見るべき価値がありますよ。("子供時代に"原作を観た記憶がある人限定ですが)
あと、ネタバレですが、日本人で唯一、勝村政信さんがカメオ出演されていますので必見です(ウソですけど)。