「ボルテスⅤ愛は感じるけども…」ボルテスV レガシー ジャンバラヤさんの映画レビュー(感想・評価)
ボルテスⅤ愛は感じるけども…
東映公式がYouTubeにて配信していた原作アニメを全話視聴してから本作を鑑賞しました。
まず結論から言いますと、「原作に対する愛や敬意は存分に感じ取れるけど、映像作品としてこれはどうなんだろう…」という評価です。
まずボルテスⅤやビーストファイター(原作では獣士)のデザインについてですが、こちらはCGモデルのクオリティも高く、アレンジの仕方もここ最近の実写巨大ロボのような細かいディテールが施されていてスクリーンで観ても見劣りしないデザインになっていたのが良かったです。
バトルシーンも軽快なアクションの原作アニメとは打って変わって重厚感溢れる殴り合いがメインのものになっており、こちらも実写らしいアレンジだったと思います。
また、ボルテスⅤの合体シーンでは原作同様に主題歌(こちらではフィリピンの歌手の方が歌われているバージョン)が流れるのですが、原作では合体バンクに合わせてぶつ切りされる事が多かった歌が1番と2番をうまく組み合わせて合体シーンときっちり合うようになっていたのも良かったです。
ただ、ドラマパートについてはあまりにもダラダラと展開されすぎていてちょっと評価し難いですね…
特に中盤からのバイザンガ戦(原作アニメの2話)における母親が戦闘機に乗って特攻を仕掛ける流れが原作と比べるとかなりテンポが悪く、セリフやカット割も無駄に多くなってしまったために説明過多となり原作にあった気迫や無情さが感じ取れない演出になってしまったのがとても残念でした。
あとはボアザン帝国側の衣装デザインがアレンジを加えられすぎていて個人的には少しガッカリしましたね(ボルテスチームは原作通りだったのですが…)
特にザンドラ(原作で言うカザリーン)の衣装がやたらと肌の露出が多くなり、貴族らしさが損なわれる俗っぽいデザインになっていたのがとても残念でした。
あと皇帝ザンジボル(ザンバジル)の衣装も肩のところに謎のビニールチューブのような物がついており、若干のチープさを感じてしまいました。
評価できる点は色々あるのですが、その分マイナスポイントも色々あるのでなんとも評価が難しい映画でした…
共感ありがとうございます。
正直1本の映画としての出来は、TV総集編としても悪かったと言うしかないと思います。でも本国で見向きもされていなかった作品が映画にまでなり逆上陸してくる、この事実には頭を下げるしかないのかなと思う様になりました。