「7分の業」ボルテスV レガシー サブロウタさんの映画レビュー(感想・評価)
7分の業
まず上映時間を観てほしい。
97分だ。90分ではない。
この7分が実に曲者なのだ。
90分であれば星4.5だったと思う。
他の方のレビューを見ればわかると思うがこの映画の評価には『冗長』という言葉が実に多く見られる。
その『冗長さ』はこの7分に全て詰まっていると言ってもいい。
この作品はテレビ放送版を再編集したものなうえ、そもそもの話をすればその原作であるアニメ版では2話分……つまりは50分以下の内容であった。
実写とアニメでは映像としてのテンポが違うとしても90分にまとめるのは容易だった筈だ。
というか観てる側がいやここ削れるやん!と言えるレベルである。できない筈がない。
ではなぜこの7分が生まれたか?
おそらくは『ボルテスの活躍をカッコよく感じてほしい』という思いからだろう。
削れそうなシーンの大半はボルテスの出撃前や見せ場の前だ。
わざと冗長に仕上げ、活躍シーンでカタルシスを与えようとして……そして見事に空回りした。
極力妥協をせずアニメを忠実に実写化しようと努力した果てしなき作品愛と、娯楽映画はやはり90分以下が望ましいと言うことの両方を感じさせてくれた映画だった。
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