「アニメを完全に再現した本気度は感涙ものだが、それ故の歯がゆさも感じてしまう」ボルテスV レガシー tomatoさんの映画レビュー(感想・評価)
アニメを完全に再現した本気度は感涙ものだが、それ故の歯がゆさも感じてしまう
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何と言っても、ボルテスVのフォルムやアクションがカッコいいし、合体シーンのカット割りやコックピットの分割画面など、アニメを完全に再現しようという本気度に胸が熱くなる。
意識してなのか、予算の都合上そうなってしまったのかは分からないが、ハリウッドのスーパーヒーロー映画ではなく、東映の戦隊ヒーローものの雰囲気が醸し出されているところも嬉しくなってしまう。
堀江美都子を完コピした日本語の歌は感涙ものだが、どうせここまで作り込んだのなら、水木一郎のエンディング・ソングも、メロディーだけでなく、歌でも再現して欲しかったと、贅沢な不満を感じてしまった。
また、実写になってリアルさが増したためなのか、観ている自分が大人になったからなのかは定かではないが、ボルテスVが、両手足をチェーンで拘束されて窮地に陥る場面では、敵ロボットに近付いて行ったり、ボルトアウト(合体解除)して分離すれば、ピンチを脱することができるのではないかと、思いがけずイライラしてしまった。
母親の特攻にしても、原作アニメのとおりではあるのだが、「ゴジラ−1.0」を観た後だと、もっと命を大切にして欲しいと思ってしまうし、直前にベイルアウトして、生き残ってもらいたかったと思えてならない。
原作をリスペクトして、それを忠実に再現しているのは、とても歓迎すべきことなのだが、少しは「今風」のアレンジがあっても良かったのではないかとも思う。(改変したら、したで、批判が起きるのだろうが・・・)
いずれにしても、本当の山場はこれからなので、同じキャストやスタッフで、ボルテスチームやボアザン星の面々の物語の続きを観たくなったのは確かである。
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