劇場公開日 2024年8月10日

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「現代の「魔都」新宿」新宿鸚哥 himabu117さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0現代の「魔都」新宿

2024年8月12日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

映画『新宿鸚哥』かつて第二次世界大戦前まで「魔都」と呼ばれた街があった、それは「上海」。新宿はそんな「魔都」のもつ妖しい魅力を持った街、その街に生息する人々を題材に切り取った作品『新宿鸚哥』。さあどんな人間ドラマが繰り広げられるのだろう。

「ポルダンサー鸚哥」

一本のポールに巻きつくように演じるダンサー

ポールダンサーなる演者がいることさえ知らなかった。

それも惜しげもなく裸体を晒す。

だからと言って卑猥な感じは、映像から伝わってこない。

製作者もそういう目線で撮ってはいないからだろうか。

ダンサーもその恐るべき身体能力

ストリップショーとも違う。

エロスとでもいうのか、昇華された芸術品の域まで達している。

この謎めいた「鸚哥」を物語の中心に進んでいゆく。

カメラマン「まきすけ」

撮りたいんだけど撮れないカメラマン「まきすけ」

もう一人の主人公。

ふたりの出会いとバトルが見どころか。

このドラマの設定に、新宿という街が欠かせない。

人々の表と影の両方を覆い尽くす街新宿。

そこに集う人間には、おのずと魅せられるものがある。

ドラマの要素が、つまった街。

怪しい光を放つ街。

「スマホ」の出てこない映画。

だとすると1990年代前半までの時代設定か、はっきりしない。

映画に「スマホ」が出てくるとややこしい演出が要求される。

おそらく、製作者のメッセージには邪魔なものだったのだろう。

だけどその分今が描けないジレンマを抱えることになる。

つくづく、現代の映画製作者は大変だと思う。

時代設定を決めて描くしかない。

どちらにしても、その辺をはっきりさせて、もっと突っ込んでもよかった。

題材がよかっただけに、物足りなさは否めない。

新宿という街のもつ魅力、魔力を知るにはいい作品。

これからもこの街をもっと作品にしてほしい。

himabu117