「エナメルの靴と赤い手袋。小道具の使い方も印象的。」ボレロ 永遠の旋律 Kumiko21さんの映画レビュー(感想・評価)
エナメルの靴と赤い手袋。小道具の使い方も印象的。
クリックして本文を読む
天才って生きるのが大変そう。草食系、マザコン系、絶対音感敏感系、そして端正な容姿。女性たちがほっとけないオーラに満ちた人だったのだろうなあと想像させられた。
本人の記憶障害ワールドに寄り添うように時系列もランダムに切り取られながら編集された脚本の中、エナメルの靴と赤い手袋の演出が、彼と周囲の女性たちをつなぐモチーフとして効果的に使われていたと思う。キレがあって切なくて。他にももちろん印象的な映像カットがありましたが。
ニューヨークのジャズマンの出す音色や、女中さんが口ずさむ流行歌にインスピレーションを得るくだりなど、天才というのは俗世間の序列など関係なくいいと思った周囲の音をどんどん吸収していく大きな器の持ち主なのだろうなあと素直に感心した。
手術後、コンテンポラリーなバレエと交錯する脳内ボレロ。ラヴェルのボレロ。最後はカタストロフ!彼は自身の人生をもってして証明した。出来過ぎのラストだった。
コメントする